さらに高画質化された新製品
コンポーネント端子も装備
写真1 画質面でも前モデルから強化された「MTVX2004HF」。3D Y/C分離&3Dノイズリダクション用チップが別ボードになっている。 |
MTVがついに2万円に! 本格派キャプチャカードの新モデル カノープス「MTVX2004」レビュー。写真をクリックすると当該レビュー記事に移動します。 |
カノープス「MTVシリーズ」の新製品「MTVX2004HF」が登場した。継続販売される従来製品「MTVX2004」(実売2万円弱)の上位モデルにあたり、変更点は、TVチューナ部に「スプリットキャリアチューナー」の採用、「W3Dモード」の搭載、ビデオ入力端子を1系統から2系統に強化、コピーワンス放送の録画をサポートの4点がある。
まずスプリットキャリアチューナーは、映像/音声信号を早い段階で分解し、それぞれの信号に対し、個別に増幅処理などを行うというもの。大音量の音声が放送に含まれていた際などに、映像側に発生するノイズを軽減できるという。W3Dモードは、MTV3000Wなど過去の上位モデルに搭載されていた機能を復活したもので、MTVX2004では排他利用だった3D Y/C分離と3Dノイズリダクションが同時に適応可能になる。
しかし、本製品でより注目すべきは残りの2つのポイントだ。まず、2系統の入力端子によって、ビデオデッキと外部チューナの同時接続が可能になり、使い勝手が非常に高まった。また、入力端子のうち1系統は新たにコンポーネント入力(色差入力)に対応している。この端子に接続可能な映像機器といえば、まず地上/BSデジタルチューナが思い浮かぶ。本機でキャプチャする場合は、地上波放送と同じSDレベルでの録画となるが、それでも画質差は歴然としている。
画面1 2系統のビデオ入力は付属の「FEATHER2004D」から簡単に切り替えが可能。キャプチャカードの世界ではありそうでなかった機能だ。 |
問題は、地上/BSデジタル放送には、アナログ接続でも「CGMS-A」と呼ばれるコピー制御信号が含まれている点である。大半のコンテンツは「コピーワンス」と呼ばれるデジタル録画を1回のみ許可するタイプであり、PC上ではNEC製の一部モデル以外、ほとんどコピーワンス番組に正式対応してこなかった。この録画が、付属ソフトの「FEATHER2004D」との組み合わせで可能になったわけだ。ただ、録画したMPEG-2データは独自に暗号化された状態で保存される(拡張子はm2d)。このデータをほかのメディアにバックアップすることは可能だが、録画時に用いたMTVX2004HFが装着されたPC以外では再生できない(カード本体にIDが含まれている)。また、他形式への再エンコードや、映像を編集することも不可能だ。
画面2 m2pは通常のMPEG-2データだが、m2dは暗号化されたデータなので、FEATHER2004D上(+録画時に用いたMTVX2004HF)以外では再生することもできない。 |
カノープスでは、このm2dファイルをより便利に扱うためのソリューションを検討中とのことだが、現時点で不便がともなうのは確か。しかし、コピーワンス放送(もちろん地上波放送も)を高画質で録画できる製品として、MTVX2004HFが貴重な価値を持っていることは間違いない。
MTVX2004HFの主なスペック | |
製品名 | MTVX2004HF |
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ビデオ入力 | 2系統(コンポジット/S-VIDEO/コンポーネント入力を兼用。コンポーネント入力は1系統でのみ利用可能) |
対応OS | Windows 2000/XP |
サイズ | 156(W)×107(D)mm |