【最新パーツ性能チェック(Vol.29)】最後のクロックアップ!Pentium 4-570J(3.8GHz)のパフォーマンスと省電力機能を探る
2004年12月01日 22時29分更新
米国で15日に発表され、日本では18日から販売がはじまったPentium 4-570J。動作周波数は3.8GHzに達した。すでにCeleron Dには“J”対応モデルが登場しているが、フラッグシップのPentium 4では初めてとなる。価格的には2倍近いPentium 4 Extreme Edition-3.46GHzとの性能差、および、新コアによる消費電力削減機能の実態をレポートする。
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“モデル”ナンバーが上がった
Pentium 4-570J(3.8GHz動作)。こちらはエンジニアリングサンプルにつき、刻印は実物と異なる。裏面のキャパシタ等は下位クロックのものと同じに見えた。 |
“Extreme”でないPentium 4シリーズの新しい最上位モデル、“570J”は、3.8GHzというクロック周波数の更新もさることながら、末尾の“J”が示すように、機能面でも注目すべき要素を多く備えた注目のプロセッサだ。“CPUID”の値に、今までの製品との違いが端的に表われている。
CPUID命令ではCPUのスペックを聞き出すことができるが、最も代表的な値として、プロセッサの基本アーキテクチャを示す“ファミリー”、同アーキテクチャ内での大規模なコアの世代を示す“モデル”、各モデルにおける若干の修正を示す“ステッピング”という3つの数値がある。ファミリーの値は、PentiumIIIからPentium 4に切り替わる際に、6から15に変更された。そのうえで、モデルの値は180nmのWillametteコアから130nmのNorthwoodコアに変わる際に1から2に上がり、先日90nmのPrescottのリリースにともない3に上がった。ステッピングは、当初のC0コアでは3だったが、その後登場したD0コアでは4になった。
今回の“J”シリーズは、より新しい“E0”コアを採用している。とはいえ、プロセスも変わっていないし、キャッシュサイズにも変更がない。コアステッピングが1つ上がっただけなら、普通なら“CPUID”でもステッピングが1つ上がるだけだ。ところが、Pentium 4-570Jではファミリーはさすがに15のままだが、モデルが4にアップされ、ステッピングは1にリセットされている。つまり、インテルにとって今回の変更は、単なる微調整ではなく、新しくコードネームを付けてもいいくらいの大きな進化を遂げていると考えていることがうかがえる。
CrystalCPUID(http://crystalmark.info/)でCPUIDを表示させたところ。左がPentium 4-570J、右がPentium 4-550(赤丸は筆者による追加)。CPUの“Model”が4になっている。 |