小サイズ&高レスポンスがウリ
写真1 デザインはソニーの“Cyber-shot U”シリーズに似ているが、一回り大きい。前面のレンズカバーを開けると1秒ほどでシャッターが切れる。前面にアシストライトを備えている点も他機種にない特徴だ。 |
三洋電機の「Xacti DSC-J4」(以下J4、写真1)は、同社の「DSC-MZ3」以来連綿と続いている動画デジカメの最新機種だ。
サイズは従来のJ1、J2に比べてひと回り小さく、重量もバッテリと記録メディアを装備した状態で147gと軽い。ヘアライン処理を施したアルミ合金を採用するなど高級感を感じさせる作りだ。本体カラーはシルバー、ミッドナイトブラック、ミスティーピンクの3色が選べる。
写真2 背面には1.8インチ微反射TFT液晶を搭載。本体が小さいので液晶部が大きく見える。液晶は明るく昼間でも見やすい。反応も速く60fps表示で動く被写体もスムーズに表示することができる。 |
DSC-Jシリーズは、レスポンスの速さがウリだ。J4は前面のレンズカバーを開けて約0.8秒(メーカー発表値)で撮影可能となり、J2よりもさらに速くなった。ただし、大容量のSDメモリーカードを利用するとメディアをチェックする時間がかかり、起動が若干遅くなる。レンズ部が伸び縮みしないプリズム型のズームレンズを使用しているため、終了もカバーを閉めるだけで素早くできる。本体は小型だが、静止画/動画/再生モードの切り替えボタンやメニュー操作用の十字キーなどはすべて親指で操作できる位置におくなど操作性も考えられている(写真2)。
撮像素子は1/2.7インチ有効400万画素の原色CCDを採用。レンズは35mmカメラ換算で37~104mmの光学2.8倍ズームとなっている。マクロ撮影は、最短2cmまで接近できる。常に焦点を合わせるコンティニアスAFモードを搭載しているため、撮影チャンスに素早く撮影できる。
写真3 正面右側面カバー内には専用のリチウムイオン充電池とSDメモリーカードスロットを備える。 |
特徴的な機能としては、デジカメで初めてというアシストライトを前面に備えた点が挙げられる。これは、暗い場所での近距離撮影やマクロ撮影時に利用するもので、キャンプなど照明のない暗所でムービー撮影を行う際に重宝する。真っ暗な部屋で子供の寝顔をムービー撮影したところ、一応撮影できたというレベルの明るさだ。
ASCII24「三洋電機、VGAで毎秒30フレームの動画を撮影できる320万画素デジタルカメラ“Xacti”『DMX-C1』を発表」ニュース。写真をクリックすると当該記事に移動します。 |
動画撮影機能は、VGA(640×480ドット)で30fpsというスペック。最近のカメラではSVGAサイズでの記録に対応したカメラも登場しているが、PCや家庭用TVに出力して見るには十分なクオリティだ。DMC-C1ではMPEG-4を採用し、長時間の動画撮影を可能にしていたが、本機は画質重視のモーションJPEGを採用している点も理由のひとつだろう。ムービーは、実際に撮影した映像を付録CD-ROMに収録したので見てもらえれば分かるが、手持ちで移動しながらの撮影で、手ブレがひどくても映像はそれほど破綻せずに記録できる。
最近のデジカメは動画機能を強化した機種が増えてきたが、三洋電機の製品はその中でも画質や操作性で一歩リードしている。筆者はデジタルカメラを子供の成長記録に活用している。同社のC1も所有しているが、動き回る子供を記録するには、携帯しやすく扱いやすい点でJ4のほうが優れていると感じた。
全体を640×480ドットにリサイズ(縮小)したもの。 | 中央部を640×480ドットでトリミング(切り抜き)したもの。 | |
撮影サンプル 予想外の動きをする子供の撮影には、すばやく取り出せて起動が早いカメラが必要だ。DSC-J4ならそんな撮影チャンスも逃さない。 |
Xacti DSC-J4の主なスペック | |
製品名 | Xacti DSC-J4 |
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撮像素子 | 1/2.7インチ原色CCD |
画素数 | 有効400万(総画素数約432万) |
開放F値 | F2.8~3.9 |
焦点距離 | 5.7~16mm(35mmフィルム換算時:37~104mm相当) |
出力サイズ | 静止画:最大3264×2448ドット 動画:640×480ドット/30fps |
メモリカード | SDメモリーカード/MMC |
液晶モニタ | 1.8型a-Si TFTカラー液晶(約8.5万画素) |
バッテリ | 専用リチウムイオン充電池 |
サイズ(W×D×H) | 101×46×26mm |
重量 | 約147g(電池、メモリカード含む) |