松下電器産業
オープンプライス
パナセンスでのモニター販売価格:1万9800円
(AirH”SDカードを含むセット販売)
松下電器産業の製品情報や購入情報は、“ASCII24 PanaSpot”に詳しく紹介されています。 |
セイコーインスツルメンツ「AH-S101S」。PHSの場合、最寄の基地局の所在地データを元に、通信者の現在位置をほぼ特定できるのだという。 |
撮影した画像に位置情報をプラス
さらにPHS回線でメール送信ができる!
「DMW-WT1」をカメラから取り外したところ。構造自体はいたってシンプルで、重量も40g程度。SDカードスロット付近がやや幅広になってはいるが、コンパクトカメラの機動性を失わせないサイズに収まってるといっていいだろう。カメラに取り付けると、PHSカード自体は完全に本体内側に隠れる状態となる。 |
位置情報の取得は、カメラを撮影モードに切り換えた際に手動で行う仕組みだ(写真参照)。位置情報はDDIポケットのPHS基地局より得るため、DDIポケットのサービスエリア外では取得できず、情報取得までに約15秒の時間が必要となる。取得された位置情報は「東京都新宿区付近」といった大まかな文字情報と緯度経度情報から成っている(画面表示は半角カタカナ表記)。周辺地域の地図などは出ないのでナビゲーションシステムとして使えるわけではないが、撮影した画像に追加される位置情報としてはこれで十分役に立つだろう。なお、位置情報は画像ファイルのExif情報(拡張領域)に記録されているため、通常の画像閲覧/管理/編集ソフトでこれを確認することはできないが、付属ソフト「SD Viewer WT1 edition」を使えば位置情報の確認のほかにこれを元に画像を自動分類したり、位置情報による分類を生かしたHTMLを自動生成したりできる。どこかへ旅行などに出かけた時のスナップ撮影をアルバム風にまとめたりするのに威力を発揮するだろう。
撮影したデータをカメラ上でプレビューしているところ。画面上部のテキスト情報に注目。ここに撮影した場所のおおよその位置が表示される。 | 位置情報の取得を行なう画面。撮影状態でカメラを起動するとこの問い合わせ画面が表示され、ここで↓キーを押すと、約15秒程度の基地局との通信が行なわれて位置情報が更新される。 |
撮影した画像は、PHS回線とインターネットを利用して無線送信することも可能だ。送信方法は、あらかじめユーティリティーで登録済みのメールアドレスにメール送信するか、松下寿電子工業が運営するインターネットフォトアルバムサービス“ピクチャーステージ”へ記録する2タイプが用意されている。送信時間はPHS接続ということもあり640×480ドットのサイズで1枚約25秒ほどの時間がかかり、一度に転送可能な容量に最大2MBの制限があるため、カメラの性能をフルに活かした大きな画像を何枚も送信するのは実用的とは言えないだろう。ただし、カメラ側に送信専用画像の縮小画像を後から作成する機能がついているので、「これは今すぐ送信したいから、撮影画像サイズの設定を小さくしてから撮らなきゃ」といった面倒な手順を踏む必要はなく、送りたい画像を送りたいとき“だけ”縮小すればいい。カメラ本体にこうした無線送信を想定した機能が実装されているのは歓迎すべきポイントだ。
位置情報を取得するということにスポットを当てるならば、GPSレシーバーといったツールの方が、受信範囲やレスポンスといった点から優れているだろう。しかし、位置情報(撮影場所)をほぼ特定でき、高画質画像を送信できる、という2つの能力を備えている点で、PHSは優秀な通信手段である。また、カメラ付き携帯電話はすぐに送信できるが画質のクオリティが不安があるし、いったんパソコンやPDAに取り込んでから、PHSや携帯電話などで無線送信するのは手間がかかる。本機こういったジレンマを一掃するデバイスとして活躍できるだろう。DDIポケットの回線契約やPHS SDカードが別途必要など、導入コストはちょっとかかるが、撮影画像をリアルタイムで送信する必要性がある人には、頼もしいツールとなるに違いない。
DMW-WT1の主な仕様 | |
対応デジタルカメラ | Panasonic製DMC-FX1、DMC-FX5 |
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対応PHSカード | セイコーインスツルメンツ「AH-S101S」 |
通信方式 | DDIポケットPHS網(1.9GHz帯) |
使用ISP | PRIN |
通信先 | “PictureStage”および任意のメールアドレス4カ所 |
サイズ | 107.6(W)×42.2(D)×17(H)mm |
重量 | 40g(SDカード含まず) |