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NW-MS77DR

NW-MS77DR

2004年03月09日 00時00分更新

文● 編集部 新海宏一郎

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CCCD時代に対応した録音機能

 続いてCDからの録音だが、77DRでは、パソコンにATRAC3/ATRAC3plus形式で一度取り込んで本体に転送する方法と、USBクレードルで直接録音する2通りの方法が可能になった。今回は新機能であるUSBクレードルでの直接録音を試してみる。この方法なら、パソコンを使用しないことからCCCD(コピーコントロールCD)をデジタル/アナログ入力で録音できるからだ。実際、パソコンではCCCDのコピーコントロール(CC)機能が働くため、デジタルデータとして取り込むことができないほか、正常に再生できない可能性もある。その点、77DRのUSBクレードルを使用した直接録音なら、CD/MDコンポやMDレコーダーと同様にCC機能を意識せず録音できるというわけだ。CCCDが増えつつあるこのご時世に、もってこいの機能である。なお、直接録音ではパソコン経由と異なり、ATRAC3plusの64kbpsと48kbpsでの録音にしか対応していないので注意が必要だ(パソコン経由で転送できる形式は下表を参照)。

本体とCDウォークマンを接続している図 接続しているケーブルの図
録音方法はいたって簡単。本体と出力デバイス(今回はCDウォークマン)を光デジタルもしくはステレオラインケーブルでつなぎ、“REC/PAUSE”ボタンを押し1時停止状態にしておき、CDウォークマンを再生する。曲の始まりを検知して自動的に録音を開始する。パソコンにはUSB、CDウォークマンには光デジタルで接続している。
録音待機中/録音中の画面 「SonicStage 2.0」上でパソコンで取り込んだデータとUSBクレードルで取り込んだデータを比較している図
録音待機中は録音フォーマット形式(ATRAC3plus 48kbps/64kbps)と録音可能時間を表示する。録音中は録音可能時間のみを表示する。録音した音声データはパソコンに転送でき、曲名などを編集可能。画面はパソコンで直接取り込んだデータとUSBクレードルで直接取り込んだデータを比較しているところ。パソコンではCDのトラック情報を読み取って表示しているのに対し、77DRでは曲の変わり目の信号を読み取ってトラックを分けているため1曲の時間が多少ずれている。

 パソコンに取り込んだ音声データを本体に転送する場合は付属の「SonicStage 2.0」を使用する。録音/編集/転送のほか、新たに音楽配信サイトからダウンロードできる機能を搭載する(従来は専用ソフト「MAGIQLIP2」が必要)。

「SonicStage 2.0」のメイン画面 「SonicStage 1.5」の画面
「SonicStage 2.0」のメイン画面90Dに付属する「SonicStage 1.5」のメイン画面。インターフェースが大幅に変更されている。
フォーマット変更画面 取り込み時の画面
2.0では新たに256kbpsのATRAC3plusに対応している。SonicStage上でCDを挿入すると自動的にインターネットからアーティスト名、曲名などを検索し表示する。
パソコン→77DR転送じの画面

 編集部で独自に測定したところ、パソコンでCDを取り込む場合のフォーマット変換時間は1時間12分22秒のCDを使用した場合、ATRAC3 66kbpsで約9分(圧縮後のファイルサイズ34.2MB)、ATRAC3plus 48kbpsで約8分(圧縮後のファイルサイズ24.8MB)。MDより音質がいいというATRAC3plus 256kbpsでも約9分(圧縮後のファイルサイズ132.5MB)とほぼ同等の結果であった(パソコンの性能によって時間は異なる)。フォーマット変換は非常に高速で使い勝手いい。ATRAC3 66kbpsはMDLP4と同等のフォーマットである。MDLP4を4倍速で録音すると約20分ほどかかるので、約2倍早いことが分かる。

 バッテリー駆動時間は公称値で最大約44時間(ATRAC3再生時)とある。実際に計測したところ約40時間(ATRAC3再生時)の再生が確認できた。従来機(NW-MS90D/70D)では公称値で最大約36時間(ATRAC3再生時)だったので大幅な進化である(4時間の差は大きい)。

 本体に録音できる時間は下表の通りである。英インターテックテスティングサービス(Intertek Testing Service)社、独テストファクトリー(TESTfactory)社がそれぞれ行なった音質テストによると、標準的なMP3プレーヤの128kbpsフォーマットとATRAC3plusの64kbpsフォーマットがほぼ同等の音質であるというテスト結果が発表されている。MP3プレーヤ(256MB)での録音可能時間は約4時間(128kbps)であるからATRAC3plus(64kbps)の8時間40分と比較すると同等の音質で2倍以上の録音が可能であるということになる。

表 NW-MS77DR(256MB)の録音可能時間と1分のファイルサイズ
録音形式 ビットレート 録音可能時間 1分のファイルサイズ
ATRAC3 66kbps 8時間30分 0.50MB
105kbps 5時間20分 0.80MB
132kbps 4時間10分 1.02MB
ATRAC3plus 48kbps 11時間40分 0.36MB
64kbps 8時間40分 0.49MB
256kbps 2時間 12.80MB

今回使用した製品
今回使用した製品。後方にあるのは光デジタル出力に対応したCDウォークマン(D-NE10)とメモリースティックDuo(128MB)。

 1週間試用して感じたことは、操作が簡単でかつスムーズであること、転送が早いこと、1回の充電での再生可能時間が長いこと、メモリースティックDuoを使用する事により最大128MBまでメモリーを追加できることなどがメリットとして挙げられる。ただ、すでに発表されている容量の大きな(256/512MBの)メモリースティックProデュオに対応していないことや(NW-MS90D/77DR/70Dすべてで未対応)、USBクレードルのみでは曲名などの入力ができないという制限はあるが、手軽に携帯でき、パソコンなしでも録音ができる「NW-MS77DR」はMDやCDから乗り換えようという方にお勧めできる製品だ。


 なお、77DRを同社の直販サイト“ソニースタイル”で購入した場合、専用のケースやベルト通しなどに付けぶら下げて携帯できる“カラビナ”付きのキーフォルダーを同時に購入できる。

オリジナルケース 吉田カバン製“カラビナ”
ソニースタイル限定のオリジナルケース(1200円)。本体と同時販売のみ。同じく、ソニースタイル限定の吉田カバン製“カラビナ”(2500円)。“PORTER”のロゴ入りストラップが付く。オリジナルケースと同時購入がお勧め。本体と同時販売のみ。


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