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【特別企画】オンラインで旅予約!マイトリップ・ネットのWebサービス『旅の窓口』

2003年12月22日 19時24分更新

文● Linux magazine編集部

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■Linuxを使ってベンダーフリーに

 Linuxシステムを採用したもうひとつの理由として、Linuxを使うことでベンダーに束縛されなくなる、という利点をあげている。LinuxはIAサーバを始めとする複数のアーキテクチャで稼動するため、数あるサーバベンダーの製品から、価格、性能面で最適なものをユーザーの基準で選べるからだ。
 ソフトウェアについても基本的に同様のことが言える。システムにとって要求性能の低いソフトウェアは、代替できるオープンソースソフトウェアでどんどん置き換えてしまえる世界では、ソフトウェアベンダーは簡単にユーザーを自分たちの製品群の中に囲い込むことができない。

■ネットビジネスの厳しさ

 マイトリップ・ネットの技術スタッフが、オープンソースを礼賛する背景には、ネットビジネスの厳しさもあるようだ。インターネットとは、言ってみれば、みんなが同じ土俵でビジネスをするということでもある。ネット上でのビジネスは、交通の便などの地域性に左右されないかわりに、似たビジネスは等しく競争にさらされる。
 ネットでは、客を囲い込むことはできない。自分たちより安いサービスや商品を提供するサイトが現れれば、客はすぐにそちらに流れてしまう。
 このような、熾烈な競争環境で生き残っているマイトリップ・ネットの強みは、1つには「旅の窓口」が抱える圧倒的な宿泊業者との契約数がある。つまり、「旅の窓口」が擁する豊富なコンテンツがユーザーを惹きつけているわけだ。

 現在、マイトリップ・ネットではホテル契約数を伸ばし、それに伴って「旅の窓口」ユーザー数も増えるという好循環になっているが、それも日々、Webコンテンツを充実させ、サービスで障害が起きないように、入念なメンテナンスが施されているからだ。
 オンラインビジネスで勝つために技術スタッフは、柔軟にシステムを維持/運営できる体制をとる必要がある。たとえば、大手のサーバベンダーでは、最近多くの統合型サーバ管理ソフトウェアを出しているが、マイトリップ・ネットでは、サーバ管理に関するほとんどのツールを、シェルスクリプトや、Perlを用いて自前でそろえているという。
 このような体制について、金住氏は「商用ソフトウェアには確かに魅力的な機能があります。しかし、使用する私たちにとっては、それはブラックボックスなのです。毎日、さまざま機能追加や更新を行うシステムでは、現場が細かく管理できる必要があります」という。
 システム運営において、できるだけ多くの部分を現場でコントロールできるようにするためにも信頼性の高い必要最小限の商用ソフトウェアとオープンソースソフトウェアという組み合わせをマイトリップ・ネットはとっているようだ。

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