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【特別企画】オンラインで旅予約!マイトリップ・ネットのWebサービス『旅の窓口』

2003年12月22日 19時24分更新

文● Linux magazine編集部

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 インターネットで展開されるビジネスといえば、アマゾントットコムや楽天などのオンラインショッピングが有名だが、旅行の予約システムとして脚光を浴びているサイトのひとつに「旅の窓口」がある。トーベ・ヤンソン氏の描くスナフキンの絵があるページといえば、思い出す人も多いのではないだろうか。
 「旅の窓口」は、従来ビジネスホテルを中心とする予約システムを提供してきたが、事業を水平展開するために、今回、観光/レジャー情報のページを新たに増設することになり、そのためのシステムをLinuxで構築した。オンラインビジネスにおけるLinuxの利用方法を取材した。

『旅の窓口』の旅行情報のページ
【画面1】『旅の窓口』の旅行情報のページ。『旅の窓口』は、スナフキンが目印だ。この旅行情報ページはLinuxで運営されている

■ビジネスホテルの予約からスタート

 マイトリップ・ネットは、日立造船のグループ会社、日立造船情報システムのプロジェクトとしてスタートした事業で、現在はマイトリップ・ネットとして独立し、旅行情報と宿泊のオンライン予約システムを提供している(2003年9月より楽天の完全子会社となった)。
 冒頭で述べたように、スタート当初はビジネスホテルの予約システムとして構築され、ユーザー数を増やしてきた。システムの基本的な部分は当初RS/6000とAIXで構築してきた。これらのシステムは長年のメンテナンスによって、良い意味で安定したシステムとなっている。しかし、同時にシステムとして大きくなりすぎると、今度は改変や、サービスの追加が難しくなってくる。
 そこで、マイトリップ・ネットでは、新たな観光、レジャー情報のシステムをLinuxとIAサーバをベースに構築することにしたのだという。

■新規システムとしてLinuxを採用

 マイトリップ・ネットにとってLinuxシステムの魅力は、新規事業に対して、コストをかけずに、提供するサービスを従来と同じレベルで構築できるというメリットにあったようだ。
 マイトリップ・ネットの技術スタッフは全員がUNIX技術者でもある。商用UNIXだと試験的なシステムを組むにしても、まず予算の問題が先になる。ところが、Linuxを始めとするオープンソースソフトウェアを用いれば、場合によっては予算などまったく関係なく試験システムを組める。予算を気にせず、内輪で議論しながら、いくつものシステムを試して性能を確認し、問題点を潰しておけば、実運用におけるトラブルを減らすのに非常に効果がある。
 今回導入されたシステムの構成は、WebサーバとしてIBMのxSeries 330を5台使用しており、DB2を用いて構築されているデータベースサーバは2台のXeon MPを搭載した4wayサーバxSeries 360で冗長構成を組んで使用している。
 「旅の窓口」のトップページは、1日で30万ページビューのアクセスがあり、ここを通して、Linuxシステムが提供している観光、レジャーのページに毎日約1万件ほどのアクセスがあるという。現在のところ観光ページは、基本的に参照ベースであるため、メモリを十分に積んでさえいれば、かなりの負荷にも耐えられるシステムになるという。
 新しいシステムとして、Javaやサーブレットを取り入れていこうということで、WebアプリケーションサーバとしてはWebSphereを導入した。

『旅の窓口』のシステム構成
【図1】『旅の窓口』のシステム構成

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