DVD再生ソフト市場でユーザーの人気を二分するサイバーリンク「PowerDVD」とインタービデオ「WinDVD」。PowerDVDは6月に最新版が発売済みだが、あとを追う形でWinDVDの新バージョンが新機能満載で登場した。
Platinum版に
高画質化回路を搭載
「WinDVD 5」のメイン画面。 |
強力な自動画質補正機能を装備したDVD再生ソフトの定番 サイバーリンク「PowerDVD 5」レビュー。画像をクリックすると当該記事に移動します。 |
今度の「WinDVD 5」には標準パッケージの「GOLD」(4580円)と豪華版「Platinum」(8800円)の2種類が用意されている。どちらのパッケージにも共通しているのは、Pentium 4のハイパースレッディングに対応し、4:3(16:9)のソースを16:9(4:3)のモニタに自然に表示する「スマートストレッチ」や新しいユーザーインターフェイスが採用されたことだ。そして、特に注目したいのがノートPCのバッテリ駆動時に機能する「モバイルテクノロジー」だ。
画面1 インテルからの技術協力を得て搭載された「モバイルテクノロジー」の設定画面。この省電力機能はACアダプタ装着時には無効になる。 |
これは、ポータブルMDのようにディスクからメインメモリにデータを先読みして大量にキャッシングし、物理的にドライブの回転を止めることでバッテリ消費を抑えるという仕組み。WinDVD 5のオプション画面には新たに省電力に関するタブが設けられ、キャッシュ量は「最大」「平均」「最小」から任意に選択できる。Centrinoマシンで最大40%、そのほかのノートでも最大20%のバッテリ駆動時間の延長が可能(公称値)で、この春から増えている薄型ドライブを搭載したモバイルノートユーザーには願ってもない機能だ。
画面2 サブパネルから各種フィルタを適用できる。シャープが開発した「Movie EffectorII」もこのパネルで有効/無効を設定する。 |
Platinum版独自の機能としては、明るさが不足しがちな液晶モニタでの再生時に自然な色味を引き出す「Movie EffectorII」が引き続き採用され、さらに画面全体の彩度を上げて黒を締める「シネマエンハンスメント」やセピア調の色合いを作る「ヴィンテージ」、色を反転する「ネガティブ」、輪郭やエッジを強調する「シャープネス」など6種類のフィルタが追加されている。複数フィルタの同時適用や強度の可変が可能なので、自分の好みの画質を作り出せる。
とはいえ、例えばMovie EffectorII適用時にシネマエンハンスメントを重ねると黒つぶれや白飛びが起こってしまうので、同時に使いたいならカラー設定のサブパネルで明るさやコントラストを微調節すべきだろう。ちなみに、このカラー設定には「CRT」「液晶ディスプレイ」「TV」「プロジェクター」の4つのプリセットが用意されているので、オーバーレイ画質の設定に手を出したことのないユーザーでも、各出力先への最適画質を探り出す糸口として活用できる。
また、インターレース素材をプログレッシブ化する際に、同一フィールドの上下のラインを参照して隙間のラインを生成する「プログレッシブ・デインターレース」もPlatinum版だけの機能で、動きの速いシーンでもコーミングノイズやエッジのジャギーが目立たない滑らかな映像を作り出してくれる。
画面3 「Audio Booster」を呼び出せば10バンドのイコライザで音質を調節したり、スピーカごとに音量やディレイを設定できる。 |
このほか、サラウンド設定を視覚的に行える「Audio Booster」を使えば、マルチチャンネル時の各スピーカの出力レベルを個別に決めたり、視聴位置までの距離に応じて発音に遅延をかけたりも可能だ。ドルビーバーチャルスピーカ、ドルビーデジタルEX、ドルビープロロジックII、dts、SRS TruSurround XTなど各種サラウンドフォーマットのサポートも抜かりない。WinDVDを選ぶなら、より高品位な映像を味わえるPlatinum版を強くお勧めしたい。
WinDVD 5の主なスペック | |
製品名 | WinDVD 5 |
---|---|
対応OS | Windows 98 SE/Me/2000/XP |
動作環境 | PentiumIII-500MHz以上 |