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インタービデオ、HTテクノロジやモバイル環境での省電力再生などに対応したDVD-Video再生ソフト『WinDVD 5』を発売

2003年07月09日 01時15分更新

文● 編集部 内田泰仁

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インタービデオジャパン(株)は7日、DVD-Video再生ソフト『WinDVD 5』シリーズを25日に発売すると発表した。これに合わせて同日、都内にて記者発表会を開催、新機能の概要などの説明を行なった。

『WinDVD Platinum 5』のパッケージ
インタービデオジャパンの代表取締役社長、田中俊輔氏

冒頭の挨拶に立った同社代表取締役社長の田中俊輔氏は、会社概要や『WinDVD』シリーズのこれまでの実績に関する説明を行なった。米国に本社を置くインタービデオ社は、米国、欧州、アジアに『WinDVD』シリーズを展開し、2003年4月にはOEM向けの出荷本数が全世界で5000万を超えたという。リテール版を含む販売本数の比率は、2001年は北米55.1%、欧州11.3%、アジア33.6%、2002年は北米49.9%、欧州7%、アジア43.1%となっており、2002年実績では、日本は全体の33%を占めているとのことだ。また、2002年9月に発売した映像/音声のキャプチャーや編集、DVD-Videoオーサリング機能を持つDVD-Videoライティングソフト『WinDVD Creator』、2003年2月に発売したキャプチャーした映像をダイレクトに記録型DVDメディアに書き込む機能を持つソフトウェアDVDレコーダー『WinDVD Recorder』と、従来の再生ソフトに加えてDVDの制作を目的とした製品ラインナップも自社開発により拡充しており、「プレイバック、ビデオキャプチャー、ビデオ編集、書き込み、配信をトータルな自社技術で実現できる業界唯一の企業」だと述べた。

インタービデオジャパンのシニアマーケティングディレクター、染谷裕氏

これに続いては、同社シニアマーケティングディレクターの染谷裕氏が、新製品『WinDVD 5』シリーズの機能解説をデモンストレーションを交えて行なった。

『WinDVD 5』のメイン画面。画面では操作コンソールが分離した状態になっているが、映像表示ウィンドウにドッキングさせることが可能
モバイル環境用の設定画面“スマートストレッチ”機能のサンプル

『WinDVD 5』シリーズの製品構成は、普及バージョンの『WinDVD GOLD 5』と、これに映像および音声処理技術などをさらに追加した上位バージョン『WinDVD Platinum 5』の2製品。共通の新機能としては、

インテルの“ハイパー・スレッディング・テクノロジ”対応
再生処理をオーディオ、ビデオ、ナビゲーションの3スレッドに分割して並行処理し、DCT(離散コサイン変換)やMotion Compensation(動き補償)のメモリーへのデータアクセスも並行処理を行なう。これにより、再生処理を従来製品より約20%効率化。
モバイル環境における再生時の省電力設計
インテルと共同開発を行ない、“Centrinoモバイル・テクノロジ”搭載パソコンでは最大で約40%、そのほかのパソコンでは約20%のバッテリー駆動時間の延長を実現。また、システムメモリーの空き容量にDVDドライブから読み出したデータをバッファーしてDVDドライブの回転を止め、ドライブの節電を図っている。
ワイド画面表示の最適化
縦横比4:3の映像を16:9のサイズで表示する際、映像中央部は元のアスペクト比を維持しつつ、左右端に向かって表示幅を拡張していく“スマートストレッチ”により、自然なバランスを維持したまま16:9サイズで表示。また、16:9サイズの映像を4:3で表示する際は、中央部の比率は維持しつつ左右端を伸縮していく。
ユーザーインターフェースの改良
再生ウィンドウと操作パネルをドラッグ&ドロップで結合/分離する“ドッキングウィンドウ”の採用し、プレイリストとブックマーク、静止画キャプチャーが1つのパネルにまとめられた。再生画面は、ウィンドウ表示、フルスクリーン表示のほか、デスクトップの壁紙として表示することも可能。
静止画キャプチャー機能の強化
再生中の画面をJPEG形式でキャプチャーできるようになり、『WinDVD 5』上から壁紙にしたり、メールに添付して送信することが可能となった。

などが挙げられる。

さらに『WinDVD Platinum 5』では、

  • ブラウン管ディスプレー、液晶ディスプレー、プロジェクターなど、出力するディスプレーに応じて、最適な明るさ、コントラスト、カラー、色調、ガンマの設定があらかじめ定められている“ディスプレイ・プリセット”
  • DVD-Video再生画面に独自のフィルター/エフェクト7種類+シャープの液晶表示向け映像フィルター“Movie EffectII”を適用する“マルチビデオエフェクト”
  • インターレースの映像素材をプログレッシブ表示する“InterVideo プログレッシブデインターレース”
  • グラフィックイコライザー機能や、マルチチャンネルスピーカーの各チャンネルの音量や、ディレイタイム、ダイナミックレンジを独立して調整する機能など、サウンドに関する機能を集約したコントロールウィンドウ“Audio Booster”機能の搭載
  • 2チャンネルステレオ音声を、5.1チャンネルまたは7.1チャンネルに展開して再生するインタービデオ独自のオーディオ処理“ICEサラウンド”、5.1チャンネルに展開して再生する“Dolby Pro LogicII”
  • マルチチャンネルサラウンド音声を、2チャンネルのヘッドフォンやスピーカーでも立体感を出して再生する“ドルビーヘッドフォン”“ドルビーバーチャルスピーカー”“SRS TruSurround XT”

といった機能を搭載し、DivXコーデックで作成されたMPEG-4ファイルの再生にも対応する。

従来のプログレッシブ表示(左)と、今回採用された“InterVideo プログレッシブデインターレース”(右)の違いを示す画面。車の輪郭部分の映像の乱れがほとんどなくなっているのがわかる
グラフィックイコライザースピーカー調整画面
“Audio Booster”機能の画面

再生可能な映像および音声のフォーマットは、DVD-Video、VCD 2.0、SVCD、オーディオCD、DVD-RAMおよびDVD-RWに記録されたVRフォーマットの映像、AVI/DAT/MPG/MPEG/M2V形式のムービーファイル、AC3/M2A/MP3/WAV形式のオーディオファイル、WMA/WMV/ASF/ASX形式のWindows Mediaファイル。対応OSは、Windows 98 SE/Me/2000 Profesional/XP。必要システムは、CPUがPentium III-500MHz以上(Pentium III-700MHz以上を推奨)、メモリーが128MB以上(256MB以上推奨)、HDD空き容量が50MB以上、Phase-2以降の各種DVDドライブ、ハードウェアオーバーレイに対応したAGP接続のビデオカードまたはグラフィックスチップ、48kHz/ステレオ再生に対応したPCIまたはUSB接続のサウンドデバイス(PCI接続のサウンドカードを推奨)、Direct X 8.1以降。

パッケージ構成は、両バージョンとも通常版とアップグレード/乗り換え版の2種類が用意され、『WinDVD Platinum 5』の通常版は8800円、アップグレード/乗り換え版が5480円、『WinDVD GOLD 5』の通常版は4580円、アップグレード/乗り換え版は3580円となっている。

インテルのプラットフォーム&ソリューションマーケティング本部・プラットフォーム&ツールエンジニアリング担当、小林永欣氏

会の後半には、バッテリー駆動時のDVD-Video再生の省電力設計に関して技術協力を行なったインテル(株)のプラットフォーム&ソリューションマーケティング本部・プラットフォーム&ツールエンジニアリング担当の小林永欣氏が挨拶を述べ、“インテルCentrinoモバイル・テクノロジ”と『WinDVD 5』シリーズに搭載された省電力機能を改めて紹介した。

なお、OEM向けの出荷スケジュールについては、現在のところ「鋭意営業活動中」(染谷氏)とのことで、現時点では搭載製品などの情報は明らかにされなかった。また、OEM出荷については、『WinDVD Platinum 5』『WinDVD GOLD 5』ともに行なう予定とのことだが、『WinDVD Platinum 5』については、「ドルビー関連技術のライセンス料が発生するので、その価格差をOEM先メーカーがどう判断するか次第」(染谷氏)とのことだ。

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