このページの本文へ

『Linuxカーネル 2.6 test 9』公開

2003年10月31日 23時13分更新

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

米オープン・ソース・デベロップメント・ラボ(Open Source Development Lab、以下 OSDL)は、Linux開発者であるLinus Torvalds氏とカーネル2.6メンテナーであるAndrew Morton氏から、新しいLinuxカーネル2.6のテストバージョンをエンタープライズテストのために公開準備完了したことを発表した。

公開するのは『Linuxカーネル 2.6 test 9』で、www.kernel.orgまたはftp.kernel.orgのWebサイトで入手可能。OSDLは、主要なLinuxユーザー、ISV、およびシステムプロバイダーに、test9をターゲットとして、テスト、検証、ならびに拡張を呼びかけている。

OSDLのLinuxテスト基盤は、OSDL STP(Scalable Test Platform)とPLM(Patch Lifecycle Manager)、および回帰テストプラットフォームから構成。OSDLでは、テスト結果を以下のURLで公開している。

2001年1月にリリースされたLinuxカーネル2.4と比較した、新しいLinuxカーネル2.6主要な新機能/機能強化は以下のとおり。

  • 拡張性の向上。64ウェイシステムまでテスト済みであり、製品版として32 ウェイのシステムで使用可能。新しいCPUスケジューラー、メモリー管理、ファイルシステムコードを追加。IA-32システムで最大8Gバイトのメモリーをサポート。
  • スレッディングの高速化。新しいNative Posix Thread Library for Linux (NPTL)の採用により、負荷時に目覚しい高速システムパフォーマンスを発揮し、10万スレッドのテスト時間が、従来の15秒から2秒に削減された。
  • ドライバー層の拡張。ディスクなどのI/Oデバイスの性能が向上し、管理が容易に。LVM(Logical Volume Management)、sysfs、デバイスマッパー、ロックコネクションの低減など、新しい機能を追加。
  • 組み込みデバイスアプリケーションをサポート拡大。uClinuxを統合し、組み込み機器で一般的なメモリー管理ユニットのない低価格、低消費電力CPUのサポート実現。
  • デスクトップ機能の改善。FireWireやUSBなどのホットプラグ対応機器が飛躍的に改善。マウス、ビデオ、およびサウンドがよりスムーズになり、性能が向上。新しいALSA(Advanced Linux Sound Architecture)により、プロフェッショナルな音楽スタジオ品質のオーディオを実現。

カテゴリートップへ