このページの本文へ

デルとオラクル、両社製品を組み合わせて提案・提供する共同営業体制を確立

2003年09月19日 21時15分更新

文● 編集部 内田泰仁

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

デルコンピュータ(株)と日本オラクル(株)は18日、両者のパートナーシップをより強化し、ITインフラを構築するユーザーに対し、デルのサーバー/ストレージ製品とオラクルのソフトウェア製品とを組み合わせて製品・サービスの提案や提供を行なっていく共同営業体制を確立すると発表した。この発表にあわせ、両者は都内にて共同の記者会見を開催した。

共同記者会見で握手を交わすデルコンピュータ(株)代表取締役社長兼米デルコンピュータ社・北アジア地域担当副社長の浜田宏氏(写真左)と、日本オラクル(株)代表取締役社長・最高経営責任者の新宅正明氏(写真右)

この共同営業体制では、10月よりデルの法人営業部門に日本オラクルのオンライン営業部門“OracleDirect”のスタッフが常駐し、両社が共同で営業活動を行ない、デルのサーバー/ストレージ製品とオラクルのソフトウェア、そして導入支援サービスとを組み合わせたソリューションパッケージの提供を開始し、その第1弾としてデルのIAサーバー“PowerEdge”シリーズとオラクルのリレーショナル・データベース『Oracle 9i Database』によるソリューションパッケージを提供するという(最小構成80万円)。提供予定のソリューションパッケージの構成と価格は以下のとおり(いずれも最小構成)。

Windows版

Oracle9i Database+PowerEdge 1750パッケージ(80万円~)
CPU:Xeon-2.4GHz、メモリー:1GB、HDD:73GB×2、データベース:Oracle9i Database Standerd Edition(10 Named User Plusライセンス)、OS:Windows Server 2003,Standard Edition、ハードウェアサポート:1年間ゴールドサポート、Oracle9iサポート:1年間Standard Product Service
Oracle9i Database+PowerEdge 2600パッケージ(163万2000円~)
CPU:Xeon-2.4GHz、メモリー:2GB、HDD:73GB×2、データベース:Oracle9i Database Standerd Edition(Windows/Linux限定キャンペーン、1Processorライセンス)、OS:Windows Server 2003,Standard Edition、ハードウェアサポート:1年間ゴールドサポート、Oracle9iサポート:1年間Standard Product Service
Oracle9i Database+PowerEdge 2650パッケージ(289万円~)
CPU:Xeon-2.4GHz×2、メモリー:2GB、HDD:73GB×3、データベース:Oracle9i Database Standerd Edition(Windows/Linux限定キャンペーン、2Processorライセンス)、OS:Windows Server 2003,Standard Edition、ハードウェアサポート:1年間ゴールドサポート、Oracle9iサポート:1年間Standard Product Service

Linux版

Oracle9i Database+PowerEdge 1750パッケージ(75万5000円~)
CPU:Xeon-2.4GHz、メモリー:1GB、HDD:73GB×2、データベース:Oracle9i Database Standerd Edition(10 Named User Plusライセンス)、OS:MIRACLE LINUX Standard Edition V2.1、ハードウェアサポート:1年間ゴールドサポート、Oracle9iサポート:1年間Standard Product Service
Oracle9i Database+PowerEdge 2600パッケージ(158万7000円~)
CPU:Xeon-2.4GHz、メモリー:2GB、HDD:73GB×2、データベース:Oracle9i Database Standerd Edition(Windows/Linux限定キャンペーン、1Processorライセンス)、OS:MIRACLE LINUX Standard Edition V2.1、ハードウェアサポート:1年間ゴールドサポート、Oracle9iサポート:1年間Standard Product Service
Oracle9i Database+PowerEdge 2650パッケージ(284万5000円~)
CPU:Xeon-2.4GHz×2、メモリー:2GB、HDD:73GB×3、データベース:Oracle9i Database Standerd Edition(Windows/Linux限定キャンペーン、2Processorライセンス)、OS:MIRACLE LINUX Standard Edition V2.1、ハードウェアサポート:1年間ゴールドサポート、Oracle9iサポート:1年間Standard Product Service

また、デルの直販体制を活用し、ユーザーへのコンサルティング、オラクルのオンラインセミナーシステム『i-Seminar』を活用したセミナーの開催などを提案していく。特に、『Oracle9i Real Applications Clusters』などのハイエンドアプリケーションのようなオラクルのクラスター技術導入については、高度な技術コンサルティングが必要とされるため、デルの技術コンサルティング部門“デル・テクノロジー・コンサルティング”が、オラクルおよびパートナー各社と協力してユーザーの導入支援を行なう。

保守サービスの分野では、これまでデルとオラクルにわかれていた両社のサポート窓口をデルに一元化する“シームレスサポート”を開始する。障害が発生した場合、この窓口に連絡すれば、ハードウェアが原因のトラブルもソフトウェアが原因のトラブルにも同じ窓口で両方に対応し、両社のスタッフが連携と図りつつサポートを行なうという。

デルコンピュータの浜田宏社長デルのIAサーバーの製品展開の方向性を示すスライド。IAサーバーを複数台並列利用する“スケールアウト”により、従来はUNIXサーバーの独壇場だったERPやCRM、データベースといったよりミッションクリティカルなサーバー市場へとオラクルと共同で向かっていくという

記者会見の中でデルの代表取締役社長兼米デルコンピュータ社・北アジア地域担当副社長の浜田宏氏は、デルのエンタープライズ戦略について、従来型の“スケールアップ”(前もって大規模で高価な独自技術に投資する手法)ではなく“スケールアウト”(業界標準の技術を採用したサーバーを必要に応じて追加し、並列処理させる手法)を推進する新しい方法を積極的に推進するとし、システム効率の優れたパフォーマンス、高い費用対効果、システムの構築や管理、拡張の容易性といったメリットを提供するという。また、パートナーシップ強化の意義として、このスケールアウトの推進と、IAサーバーを利用したミッションクリティカルシステムの構築、そしてオラクルのシステム構築の簡素化を挙げている。

日本オラクルの新宅正明社長デルとオラクルの共同販売のモデル図。デルのIAサーバー+オラクルのソフトウェアというパッケージ製品の提供、“OracleDirect”スタッフ常駐による販売体制、サポート体制の一本化、コンサルトや営業、サポート部門へのトレーニング実施といった内容が盛り込まれている

一方、日本オラクルの代表取締役社長・最高経営責任者の新宅正明氏は、両社の協業について、エンタープライズ市場のマーケットリーダーとIAサーバー市場のマーケットリーダーの協業であるとし、IAサーバー市場への展開強化とWindows/Linux市場でのオラクル製品のシェア拡大を目指すと述べた。また、この共同営業体制は顧客のニーズに応える新しいビジネスモデルであり、ハードとソフトの専門家が共同でひとつの窓口となり、高度なソリューションを提供し、それにより信頼性の拡大も進めるとした。さらに、米国で9月に発表された新データベース『Oracle10g』の日本での展開についても触れ、将来的には 『Oracle10g』によるソリューションパッケージを展開していくと述べた。

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン