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【最新パーツ性能チェック(Vol.14)】ASUSTeK「SK8N」で見るOpteronのグラフィック性能!登場まで1カ月を切ったAthlon 64の性能も大胆予測!

2003年08月26日 22時42分更新

文● 週刊アスキープラス編集部 野口岳郎

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3D性能はSPEC値の予想どおり

3DMark 2001SEの結果 Final Fantasy XIの結果
3DMark 2001SEの結果Final Fantasy XIの結果
Unreal Tournament BotMatchの結果 Commanche 4の結果
Unreal Tournament BotMatchの結果Commanche 4の結果
QuakeIII Arenaの結果 TMPGEncによるMPEG2ファイル作成時間
QuakeIII Arenaの結果TMPGEncによるMPEG2ファイル作成時間(単位:秒、短いほど高速)
Windows Media EncoderによるWMV9ファイル作成時間 GCAによるWAVEファイルの可逆圧縮の時間
Windows Media EncoderによるWMV9ファイル作成時間(単位:秒、短いほど高速)GCAによるWAVEファイルの可逆圧縮の時間(単位:秒、短いほど高速)
Superπによるπ106万桁計算の時間

 今回はOpteron 242(1.6GHz)を装着して、ほぼ同等の性能を有するはずのCPU群と性能を比較してみた。
 気になる3D性能だが、3DMark 2001、Commanche、Final Fantasy XI、Quakeと、いずれもPentium 4-2.8GHz(FSB 533MHz/i875Pベース)に一歩及ばない程度になっている。CPU性能のトータルな指標であるSPECint 2000のスコアでOpteron 242がXeon(≒FSB 533のPentium 4 )-2.66GHz相当であることを考えると、2.8GHzにあと一歩というのは予想どおりの性能と言える。Unreal TournamentのBotMatchだけは大きくリードしているが、このテストはキャッシュサイズが大きく影響するため、1MBキャッシュを持つOpteronに有利になったものと思われる。なお、Athlonとの比較では、3D系は2600+に対してはFinal Fantasyを除きかなりリードしていて、2666といわず、もう少し速いようにも見えるが、エンコード系では2600+が健闘していて、Opteronは振るわないため、モデルナンバーでいくつに相当するかは難しい。

 ともあれ、Opteronは、ひょっとしたらクロックの低さが3D描画性能に悪影響を与えるのでは、とか、逆に、メモリ性能の高さが3D性能を画期的に引き上げるのでは、という両方の推測が可能であったわけだが、結果的にはSPEC値の予想どおりというオーソドックスな結果に落ち着いた。
 エンコードのテストにおいては、Vol.10のOpteronテストの時に述べたように、TMPGEncやWindows Media VideoではPentium 4-2.8GHzに一歩及ばず、これもほぼSPEC値から予想できるような性能である。ただ、TMPGEncではVol.10で述べたように、SSE2の使用をオフにしないと性能が大きく落ちる。これはCPUの問題であるため、本マザーでも状況は同じである。Athlon 64ではこれが改善されるかどうかも一つのチェックポイントである。
 8131マザーに比べた場合では、TMPGEncで遅いがWindows Media Videoでは速いという、難しい結果になっている。SuperπやGCAでも若干遅めだが、この程度の差であれば、個人が使用する分には、AGPのビデオカードが使えるメリットのほうが大きいだろう。



Athlon 64=Opteron-100?

 さて次に、メモリをシングルチャネルにした結果に注目してほしい。これはAthlon 64の性能を予測するためのものだ。デュアルチャネルをシングルチャネルにすることでどの程度スピードダウンするかが注目点だ。これによると、確かに性能は下がるものの、その差は、Athlon XPにおけるモデルナンバーに換算すると100程度である(2600+と2400+の性能差と見比べるとわかりやすい)。つまり、非常におおざっぱに言うと、クロックが同じ場合、Athlon 64のモデルナンバーはOpteronのモデルナンバー(あったとして)-100に匹敵するというわけだ。

 しかも、今回はOpteronで利用可能な最速メモリであるレジスタードPC2700を利用して計測しているが、Athlon 64は、レジスタードでないPC3200メモリが利用可能と言われている。これが事実だとすると、レジスタードタイプにつきものの1クロックのロスがなくなるうえ、メモリクロック自体も高いため、かなりの性能向上になる。デュアルチャネルの分を補うことはできないとしても、モデルナンバーにして-70とか-50といった程度にまで改善される可能性はある。

 では、そのAthlon 64の性能で、現在のハイエンドシングルCPU:Pentium 4-3.2GHzやAthlon XP-3200+を上回れるだろうか。
 Athlon 64は2GHzで登場すると広く噂されている。その性能は、Opteron-2GHzの性能から100MHz弱くらい引いたくらいと考えればいいわけだが、残念ながら現時点ではOpteron 2GHz(246)の公式のSPEC値が存在しないので、242と244の値から単純に直線外挿するとPentium 4-3GHz(FSB 800)は上回るが、3.2GHzには及ばない値になる。Opteronでこの性能だとすると、Athlon 64-2GHzはPentium 4-3GHzを上回るかどうか、というくらいになりそうだ。Pentium 4-3.2GHzを上回るには2.2GHz以上のクロックが必要と思われるが、Opteronがやっと2GHzになったばかりであることを考えると、最初から2.2GHz版が出てくると考えるのはやや厳しい。
 圧倒的な性能リードを期待した方には少し物足りないかもしれないが、過去にショウなどで展示されたAthlon 64マザーボードやCPU本体のサンプルを見る限り、Athlon 64はAthlon XPの大きな弱点であった「物理的なか弱さ」「ヒートシンク着脱の難しさ」を、Pentium 4風の内蔵ヒートスプレッダとヒートシンクフレームの設置によって、ほぼP4並みに改善しており、ずっと扱いやすくなっているようだ。これで価格も同水準であれば、64bitという武器を持つAthlon 64は十分チャーミングな選択肢になりうるだろう。それがどれほどチャーミングであるかを決めるのは、やはりAthlon 64の性能ということになる。

★アスキープラスVol.9(9月26日号)では、発表直後のAthlon 64情報をすみずみまでお届けする予定です。ご期待ください。
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