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【最新パーツ性能チェック(Vol.11)ついにEV6の限界400MHzを実現した“究極のAthlon XP”~Athlon XP-3200+の性能はいかに?】

2003年05月13日 20時06分更新

文● 週刊アスキープラス編集部 野口岳郎

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なんとかタイに持ち込んだか

【グラフ1】3D Mark 2001 SEの結果【グラフ2】Final Fantasy XI Benchmarkの結果
【グラフ3】Commanche 4の結果【グラフ4】Quake 3 Arenaの結果
【グラフ5】Unreal Tournament 2003の結果【グラフ6】SPEC Viewperf 7の結果(結果の相乗平均値)
【グラフ7】TMPGEnc Plus 2.5によるMPEG2圧縮の結果(単位:秒、短いほど高速)【グラフ8】DivX 5.03によるDivX圧縮の結果(単位:秒、短いほど高速)
【グラフ9】Windows Media Video 9によるWMV9圧縮の結果(単位:秒、短いほど高速)【グラフ10】GCAによるファイル圧縮の結果(単位:秒、短いほど高速)
【グラフ11】Superπによるπ104万桁計算の結果(単位:秒、短いほど高速)【グラフ12】SiSoft SandraによるMemory Bandwidth(FPU)の結果。単位:MB/秒

 今回テスト機としたのはnForce2チップセットを搭載したASUSTeK製「A7N8X Ultra」。これに、256MBのPC3200メモリを2枚装着している。  グラフ1~6は3Dソフト。テストによって勝敗が分かれ、3200+は3勝4敗である。グラフ7~10はエンコード、11がCPU演算性能。

 難しいのはペンティアム4との関連性だ。3200+とPentium 4-3GHz(FSB 800MHz、メモリがデュアルPC3200)と比べると、3Dソフトの勝敗は2勝3敗1分け、エンコードと演算性能は2勝2敗1分け。勝敗で見ると1つ負けが多いが、Unreal TournamentのFlyByの値はごく僅差なのでこれも引き分けにカウントすると、4勝4敗2分けの五分になる。  ただ、これらのテストのうち、3200+が勝っている項目は、3000+でも勝てているような、いわば「Athlonが強い」ソフトばかり。一方、負けている項目のうち、3D Mark 2001とDivXは、もともとAthlonとPentium 4が拮抗しているか、ややAthlonが優勢だったところを、Pentium 4-3GHzがFSB 800MHzパワーでひっくり返したものだ。唯一、Superπでは、P4-3GHzによって逆転されたところを3200+でタイに持ち込んでいるくらいだ。つまり、3つひっくり返されたテストのうち、一つはタイに戻したものの、あと2つは追いつけていない。インパクトとしてはP4-3GHzのほうが大きかったということになる。

 この理由を端的に示すのが、グラフ12のメモリ性能だ。Athlon XPはFSB 333MHzの3000+とFSB 400MHzの3200+で、メモリ性能が15%アップしているのに対し、Pentium 4では、FSB 533MHzの2.8GHzとFSB 800MHzの3GHzで43%もアップしている。実際のメモリクロックのアップ率がAthlonの20%に対しPentium 4は50%だから、ここに差が出るのは当然ではあるのだが、その結果Pentium 4-3GHzはテストによって劇的とも言うべき性能向上を見せたのに対し、3200+の性能向上はおとなしい水準に留まっている。  ともあれ、Superπを引き分けに持ち込んだ功績もあり、Athlon XP-3200+ vs Pentium 4-3GHzの勝負は、いずれにも軍配を上げにくい大接戦状態にあるといえる。



モデルナンバーの今後

 AMDはモデルナンバー導入時に、この数値はAthlonシリーズの性能を参考にしつつ、製品の上下関係を示すための数値だと述べているが、世間ではなんとなくPentium 4のクロックの代わりのように並べられている。これまでのところ、Athlon XP-○○+であれば、Pentium 4-○○MHzに対して互角以上の勝負をしていたので、モデルナンバーをクロックと同一視してもよかった。しかし、FSB 800MHzのPentium 4は、3GHzでもAthlon XP-3200+と互角の性能を発揮している。  3GHzのP4程度なのに3200+という名前は誤解を招くのではないか、という発想は当然あるだろう。しかし、3200+の性能は、多くのグラフにおいて2600+と3000+の性能の素直な延長線上にある。Athlon XPの製品ラインナップ上は、まさに3200+というモデルナンバーがしっくりくる性能であり、個人的にはこれに3200+を冠することが問題であるという気はあまりしない。もしもこれがAthlon初のモデルナンバー付き製品であったとしたら、意図的に高性能という印象を与えようとしていると思うだろうが、1500+以来16製品目というモデルナンバーの歴史が、3200+という名前付けに正当性を与えるように思う。  ともあれ、3200+という名前からダントツの最高性能を期待したAthlonファンにはやや物足りないかもしれないが、3000+を破って最高峰に立ったP4-3GHzと互角の勝負に持ち込んだという意味で、3200+登場の価値は十分にあったと言えるだろう。

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