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マイクロソフト、Windowsソースコードの開示を企業や研究機関などに拡大――“Windows CE Shared Source Premium Licensing Program”も発表

2003年04月10日 20時36分更新

文● 編集部

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マイクロソフト(株)は10日、Windowsのソースコードを開示することにより、ソフトの透明性を高め、信頼性と柔軟性を向上させる長期的な取り組みである“シェアード ソース イニシアティブ(Shared Source Initiative:SSI)”の情報を発信するための事務局として、“シェアード ソース イニシアティブ事務局”を同日付けで設立したと発表した。同社は2002年11月から政府機関向けにソースコードへのアクセスを提供する体制を整えているが、今回、対象を企業や教育機関、研究機関に拡大することで、パートナーや開発者の支援を本格的に開始する。

“シェアード ソース イニシアティブ”の対象となる製品は、Windows 2000/XP/Server 2003、Windows CE 3.0、Windows CE.NET、.NET C#/CLI Implementation、.NET Passport Managerの全バージョン/ベータ版/サービスパック。現時点で国内で利用できるライセンスプログラムとして、“OEM ソース ライセンシング プログラム”、“マイクロソフト リサーチ ソース ライセンシング プログラム”、“ガバメント ソース ライセンシング プログラム”、“Windows CE シェアード ソース ライセンシング プログラム”、“Windows CE シェアード ソース アカデミック カリキュラム ライセンス”が用意されている。ライセンスプログラムには、そのほか“エンタープライズ ソース ライセンシング プログラム”、“システム インテグレーター ソース ライセンシング プログラム”、“C#/Jscript/CLI Implementations シェアード ソース ライセンシング プログラム”、“.NET Passport Manager ソース ライセンシング プログラム”などが用意されている。

すでに、WIDE(Widely Integrated Distributed Environment)プロジェクトが“マイクロソフト リサーチ ソース ライセンシング プログラム”の採用を予定しているという。

“Windows CE Shared Source Premium Licensing Program”

併せて、米国時間の9日、米マイクロソフト社が、シェアード ソース イニシアティブの一環として、Windows CEベースの機器やソリューションの開発者向けプログラムとして“Windows CE Shared Source Premium Licensing Program(Windows CEシェアード ソース プレミアム ライセンシング プログラム:CEP)”を実施することを発表した。これは全世界での同時発表となる。

“Windows CE Shared Source Premium Licensing Program”は、Windows CEのソースコードのうち、同社が所有権を持つ全コードに対するアクセス権を、メーカー/シリコンベンダー/システムインテグレーターに対して提供するプログラム。ライセンスを取得すると、ソースコードを改変できるほか、OEMベンダーであれば、開発するWindows CEベースの機器に改変したコードを搭載して販売できるようになる。同プログラムに対して、国内企業では、NECアクセステクニカ(株)、NECインフロンティア(株)、(株)東芝、(株)日立製作所、松下電器産業(株)、三菱電機(株)が、契約締結あるいは賛同を表明しており(企業名は五十音順)、すでに(株)日立製作所は改変したWindows CEベースの機器を出荷しているという。海外では、英アーム社、米ビースクウエア社、米ミップス・テクノロジーズ社、韓国サムスン電子社などがプログラムに参加し、製品を開発しているという。

同プログラムには、“Windows CE Shared Source Premium Derivatives License”と、“Windows CE Shared Source Premium Derivatives Redistribution License”のオプションが用意される。Premium Derivatives Licenseでは、Windows CEシェアード ソース プレミアム コードに対する完全アクセス権と、Windows CEベースのハードやソフトを特定の機能に最適化させる目的でソースコードの派生機能を開発する権利を提供し、Redistribution Licenseでは、Derivatives Licenseの権利のほか、ソースコードの追加修正により得られる派生機能をWindows CEベースの機器に搭載して販売する権利を提供するという。

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