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マイクロソフト、ユーザーの居場所に応じて配信先を変える情報提供サービス“.NET Alerts”を発表

2003年03月19日 19時27分更新

文● 編集部 佐久間康仁

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マイクロソフト(株)は19日、都内で記者会見を行ない、“Windows Messenger”“MSN Messenger”の機能を拡張して、ユーザーの居場所に応じて自動的に配信先を変える情報提供サービス“.NET Alerts(ドットネット アラート)”を同日より開始すると発表した。

鈴木氏ら
マイクロソフトの取締役 エンタープライズビジネス担当の鈴木和典氏、ジェイティービーの市場開発部シニアマネージャーの北上真一氏、東京三菱銀行のEC推進部門IT事業部開発グループ次長の柏木英一氏

.NET Alertsは、Windows Messenger/MSN Messengerのポップアップ式メッセージ表示機能と“在席/離席チェック”機能、および情報を提供する企業(クライアント)の個人情報管理システム、マイクロソフトが提供する.NET Alertsサーバーなどによって構成されるプッシュ型情報配信サービス。情報を受けるユーザー側は、クライアントソフトとしてWindows Messenger/MSN Messengerおよびインターネットへの常時接続環境が必要なほかは、無料で利用でき(サービス内容や提供者によって将来有料化もありうる)、希望者はクライアントのウェブサイトで申し込みを行なう。19日にサービスを開始したのは(株)東京三菱銀行の“クイックアラート”で、同社の法人向けネットバンキング“東京三菱BizSTATION”のサービスの一環として、為替相場(6通貨)・投資信託商品の基準価格・マーケットコメント(市況)などを提供するという。また、(株)ジェイティービー(JTB)が旅行情報や限定商品、緊急発売商品などの情報を提供する“JTBアラート”を4月に開始予定という。

.NET Alertsの仕組み クイックアラートの仕組み
.NET Alertsの仕組み東京三菱銀行が提供するクイックアラートの仕組み

.NET Alertsの特徴は、ユーザーが自分の希望する情報だけを選択して得ることができる“オプトイン”方式の採用と、在席/離席によって配信先をパソコンのほか携帯電話やPDAで受信できるメールアドレスに自動変更できるという点。クイックアラートでは、知りたい為替相場の通貨の選択や、“何円以上/以下”になった場合に知らせる、などの設定が可能で、不要な情報を目にせずに済むという。在席/離席のチェックは、一定時間キーボード/マウスからの入力がない場合に、あらかじめ設定したメールアドレスに知らせるというもの。また、情報自体が短い文章とウェブサイトへのリンクのみで、ユーザーの希望に応じたメッセージのみが配信されるため、従来のメール配信に比べて高いレスポンスが期待できると説明している。

.NET Alerts
.NET Alertsでクイックアラート(為替相場の情報)が到着した画面

会見場にはマイクロソフトの取締役 エンタープライズビジネス担当の鈴木和典(すずき わてん)氏、ジェイティービーの市場開発部シニアマネージャーの北上真一氏、東京三菱銀行のEC推進部門IT事業部開発グループ次長の柏木英一氏が列席し、.NET Alertsサービスの具体的な内容やメリットを紹介した。鈴木氏の説明をまとめると、以下のとおり。

  • .NET Alertsは配信システムをマイクロソフトが提供し、クライアント(情報提供者)は配信したい情報のみを登録するASP(Application Service Provider)タイプのシステムで、申し込み時に入力する個人情報は、クライアント(情報提供者)のみに蓄積され、配信時に.NET Passportに登録された送付先との同一性のみを確認する(個人情報がクライアントからマイクロソフトに提供されることはない)
  • .NET Alertsは海外で1年前から行なわれており、日本語対応やドキュメントの翻訳に時間がかかった
  • 米国では1年で30万人、全世界では300万人のユーザーがおり、日本では当初2社のサービス提供で1万人(ユーザー)規模でスタートするが、1年後には10社10万ユーザーを目指す
  • サービスを提供するには、マイクロソフトとの契約が必要で、コストはユーザー管理費120万円、サーバー管理費18万円が必要

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