Windows CE.NETやWindows XP Embeddedなどを採用した、ネットワーク接続型組み込み機器の開発者向けカンファレンス“The Microsoft Windows Embedded Developers Conference”が、18~19日の日程で都内ホテルにおいて開催されている。主催はマイクロソフト(株)で、インテル(株)、日本エイ・エム・ディ(株)(日本AMD)、日本電気(株)(NEC)、NECエレクトロニクス(株)、日本サムスン(株)、ビースクウェア(株)(BSQUARE)がプラチナムスポンサーとして名を連ねている。
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米マイクロソフトのEAPGジェネラルマネージャーのトッド・ウォーレン氏 | ウォーレン氏とともにデモを行なったEAPGマーケティングディレクターのスコット・ホーン(Scotto Horn)氏 |
基調講演に立った米マイクロソフト(Microsoft)社のEmebedded and Appliance Platform Group(EAPG)ジェネラルマネージャーのトッド・ウォーレン(Todd Warren)氏は、「TVやカメラ、電話など身の回りのデバイスが次々にデジタル化していく中で、重要なことは(仕様が)標準化されていて、開発期間を短くできること。マイクロソフトでは組み込み機器向けOSにおいて、“リッチな機能を持つOSを作り出す”“パソコンやサーバー、インターネットへ接続する”“機能豊富なアプリケーションやサービスでデバイスを差別化する”という3つの課題を克服してきた。その核になるのが.NET技術である」と述べ、Windows CE.NETを組み込んだフィットネスバイクに現在の走行距離に応じたアニメーションのCGを描き出したり、Windows CE.NETを組み込んだ携帯電話を使って初めての土地の地図やホテルの予約、観劇のチケットの手配などのデモ(未来予想図)を見せた。
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Windows CE.NETを組み込んだ音声翻訳装置(左)とハンディーGPS装置(右) | 先に行なわれたCESでも公開された、Windows CE.NETを組み込み、液晶ディスプレーを内蔵したミシン |
また、開発者を支援する仕組みとして“Ecosystem”を紹介、開発ツールや対応ハードウェア/ソフトウェアを開発するパートナー企業、開発者同士のコミュニティー、学校や教育機関、ウェブによる情報公開、オンラインサポート、エミュレーターやリソースの提供などを揃えているので、開発は効率的に行なえるとアピールした。
2003年以降に登場する組み込み系OSのロードマップとして、Windows XP Embeddedの後継に“Longhorn Embedded”、Windows CE.NETの後継に“McKendric”“Macallan”(いずれも開発コードネーム)が、マイクロソフトの開発ツールとしては、VisualStudio.NETの後継に“Everett”がそれぞれ開発中であると紹介した。
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講演会場に置かれたデバイスで、一番ユニークなのがこのフィットネスバイク | 写真は講演直後の休憩時間中に、MSのスタッフと思しき女性が楽しそうにバイクにまたがっていたところ。こういうデモは外国人が行なうと様になる |
基調講演に隣接する部屋では、協賛企業の組み込み機器や開発ツールなどが展示されていたが、中でも特に興味深かったのが、ビースクウェアのキーボード搭載Windows CE.NET端末だ。あくまでもリファレンスデザインで、今後OEM先を探すということだが、CPUにIntel PXA250-400MHzを採用、VGA表示の液晶ディスプレーを内蔵し、本体下部からスライドするキーボードが飛び出す機構になっている。展示していた海外向けモデルでは、GSM方式の携帯電話機能を内蔵し、キーボードの両端にマイクとスピーカーを搭載(キーボードを畳んだ上体でも会話できる)。価格は600ドル(約7万円)程度を見込んでいるとのこと。
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ビースクウェアのCE.NET端末。スライド式キーボードとVGA液晶ディスプレー内蔵で、日本でも売れそうな予感 |
