マイクロソフト(株)は17日、インスタントメッセージングサービス“MSNメッセンジャー6.0”の提供とクライアントソフトウェアのダウンロード配布を開始したと発表した。配布は“MSNメッセンジャーホームページ”にて無償で行なわれる。今回のバージョンでは、“絵文字”や“背景”などの自作、映像付きチャットが可能になる“Webcam”の標準搭載化、会話相手と一緒に使用する“アプリ”機能の追加などが特徴となっている。
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『MSNメッセンジャー6.0』の会話ウィンドウ。背景画像のカスタマイズが可能になった |
『MSNメッセンジャー』は、パソコン上で文字、静止画、動画、音声を利用したリアルタイムコミュニケーションを行なう、マイクロソフトのインスタントメッセージングサービス。メッセージ交換のほか、ファイルの共有(1対1での送受信)なども持つ。マイクロソフトによると、現在26カ国語に対応し、ユーザー数は全世界1億人、日本国内では350万人のユーザーがいるという。
前バージョンから追加・変更された点は、以下のとおり。
- “絵文字”の強化
- 基本絵文字を60種類に増やし(従来は43種類)、アニメーションする絵文字を搭載。画像データを元にオリジナルの絵文字を作成する機能を追加。
- 背景画像のカスタマイズ
- 会話ウィンドウの背景画像の変更が可能になり、テンプレートデータのほか、好きな画像データを背景に使用できる。また、『MSNメッセンジャー6.0』ユーザー同士ならば、背景画像の共有ができる。
- 自分を示す“表示アイコン”機能の搭載
- 会話ウィンドウに自分を示すアイコンが表示できるようになった。テンプレートデータのほか、画像データを元にオリジナルアイコンを作ることも可能。会話中にアイコンを変更でき、変更はリアルタイムに会話相手にも反映される。
- メッセージのフォント
- 会話中の表示フォントを、150種類以上のフォント、16種類の色から自由に選択できるようになった。
- メッセージ履歴の保存機能
- 会話のログをHDD上に保存することが可能になった(従来はログ機能なし)。
- “ファイルの共有”機能
- Peer to Peerによるファイル送受信機能で、会話相手とファイルを共有する機能を搭載。MSNメッセンジャーのサーバーがユーザー同士の接続をフォローする機能が備わったことにより、従来よりも接続しやすくなっている。画像を共有する場合には、受信前にサムネイルが表示されるようになった。
- “Webcam”機能を標準搭載
- これまで別途ダウンロードなどが必要だった動画通信機能(“Webcam for MSN メッセンジャー”)を標準搭載。動画+テキスト、または動画+音声によるメッセージ交換が標準で可能になった。動画表示画面のサイズ変更も可能。
- “アプリ”機能の装備
- 『MSNメッセンジャー6.0』と連動するアプリケーション機能が新たに装備され、会話相手と1対1で対戦できるオンラインゲーム“チェッカー”“ソリティアショーダウン”“Bejeweled”“マインスイーパフラグ”“マルバツゲーム”が標準で搭載されている。ゲームへの招待は会話ウィンドウ上で行なう。
- 手書きメッセージのサポート
- 全てのプラットフォームの『MSNメッセンジャー6.0』において、タブレットPCによる手書きメッセージを受信可能になった。
- 安全性の向上
- インストール済みのウィルス対策ソフトを手動で選択しておくことにより、“ファイル共有”などでやり取りされるファイルの自動ウィルスチェックが行なわれるようになっている。
マイクロソフトによると、“アプリ”機能では、SDK(ソフトウェア開発キット)をソフトウェアベンダー向けに配布し、マイクロソフトのほか、サードパーティー製品が追加される予定だという(一般向け無償配布の予定はない)。現在日本で公開されているアプリはオンラインゲームのみだが、米国ではファイル共有アプリがすでに公開されており、ゲーム以外の用途でも利用可能。開発言語/環境としては、Macromedia Flash、ダイナミックHTML、Visual Studio .NET 2003に搭載されている各種言語などが対応しているという。
