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デジタル記憶媒体を効率的に運用するために

【特別企画】ネットワーク時代のストレージ活用法!

2002年12月24日 09時53分更新

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ネットワークへのストレージ導入では、最初にデータの重要性と、一時的な記録なのか長期的な保存なのかを正しく見極める必要がある。

頻繁に参照するデータならば、ネットワークの利便性とアクセス速度を両立させながらも、要所要所にピンポイントで導入できる「NAS」を利用すべきだろう。業務用のNASではデータの安全性も考慮されており、複数のHDDユニットを用いて記録データに冗長性を持たせる「RAID機能」を装備する製品も多い。

また、これらのストレージを日常のデータバックアップに利用するのもお薦めである。企業のネットワークではシステム停止は許されないのが通常だが、それでもハッキングや機器障害による突然のシステムダウンの発生は免れない。NASあるいはRAIDを用いれば日常のデータ保存(バックアップ)がネットワーク経由で容易に行なえるだけでなく、復旧も短時間で完了する。結果的にダウンタイムの短縮につながるというわけだ。

参照頻度が低いデータではHDDとは逆に、長期保存性や大容量性が求められるだろう。そうなると選択肢は光ディスク(特にリライタブルDVD)やテープドライブなどとなる。中でも、USB 2.0やIEEE 1394、Ultra 160 SCSIなどの高速インターフェイスを採用したドライブ製品がお薦めである。


HDDの利用法はこの10年で大きく変化しなかった。そのため容量は1万倍になっても、データ転送速度の向上は数倍にとどまっていた。しかし、高速ネットワークが普及する今後2~3年間には、基本インターフェイスの革新などストレージ技術のブレイクスルーが必ず訪れる。ストレージが、コンピューティングすべてのキーデバイスとなるのは間違いないのだ。

応用範囲の広いストレージ技術・NASとRAID

NAS:Network Attached Storage

ネットワークの随所に気軽に追加できるストレージ。ホストコンピュータを必要とせず、内部に独立したファイルサーバ機能を持つ製品が多い。ネットワーク上の多様なOSプラットフォームから共有ディスク(ボリューム)として利用できる。既存のネットワークを活用でき、小規模なピンポイント導入が可能なため導入コストを抑えられる。家庭内LAN向けの数万円台の製品から、企業向けの数100GB~数T(テラ)Bの大容量NAS、またRAID機能を採り入れた製品もある。扱いも容易なため専任の管理者が不要で、管理コストも低減できる。

RAID:Redundant Arrays of Independent Disks

複数台のHDDに同時/分散記録を行なうことで、データに冗長性を持たせたり、装置全体のアクセス性能を向上させたりする技術。通常は、データを複数ドライブに分割して記録することでアクセスを高速化する「RAIDレベル0(ストライピング)」、1台のHDDに書き込む内容を2台目にもそっくりそのまま記録することで障害発生時に備える「RAIDレベル1(ミラーリング)」、データとともにデータ復元用のパリティ情報を複数のHDDに分散記録することで、アクセス性能と冗長性の双方を向上させる「RAIDレベル5(パリティ・ストライピング)」が用いられる。

また、超特大のボリュームが必要な場合にもRAID技術のリニアモードで、複数ドライブを結合することがある。なお、冗長性を持つRAID-1やRAID-5では、複数HDDの総容量のうち実際に利用できる容量がそれぞれ1/2、2/3程度となる。

Confidence ATAII NAS VTL

ニューテック
価格:2,580,000円
http://www.newtech.co.jp/

NAS-VTL(NR1.2T2UATA/VTLN1)
NAS-VTL(NR1.2T2UATA/VTLN1)

テープドライブとして“仮想的に”利用できるHDD内蔵のRAID装置。バーチャルテープとして使える領域は1T(テラ)Bで、テープ交換の手間や専用のライブラリ装置なしに短時間で大容量バックアップが行なえる。本体はデュアルCPU構成、2GBのメモリを装備、Gigabitイーサネットポート(加えて10/100BASE×2ポート)を標準装備するなど高速性能を追求した設計だ。内部HDDのホットスペア/オートリビルドに対応し、電源ユニットのホットスワップも可能である。各プラットフォーム用のUNIX、Linux、FreeBSD、Windows対応のクライアントソフトを標準添付。フルバックアップと差分データを自動的に統合するコンソリデート機能も装備している。

Confidence ATAIIe DT

ニューテック
価格:598,000円(NR200GATAe/LU)
   658,000円(NR200GATAe/FC)
http://www.newtech.co.jp/

NR200GATAe/LU
NR200GATAe/LU

ノートパソコンなどに用いられる2.5インチサイズのHDDを6台内蔵したコンパクトなRAID製品。平均35Wの低消費電力、持ち運べる2.9kgの本体重量が特徴である。搭載するRAIDレベルは0/1/0+1/3/5の5モード。通常はRAID-5モードにより、総容量200GBで運用する。インターフェイスの違いで、Ultra 160 SCSI対応のNR200GATAe/LUと、ファイバチャネル対応の同FCをラインアップ。そのほか、80GBのHDDを6台内蔵するモデル(近日発売予定)や、1U対応のラックマウントタイプなども用意する。

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