(株)ジャストシステムは14日、日本語ワープロソフトの最新版『一太郎13』、およびグラフィックスソフトの最新版『花子13』を2003年2月7日に発売すると発表した。
『一太郎13』のパッケージ |
一太郎13は、“ワープロの本質追求”を開発テーマに、ワープロとしての基本機能を強化、効率よく文書を作成できるようになっている。“一太郎メイク”は、ユーザーがカスタマイズした画面表示設定やツールボックス、文書スタイルなどの設定を、一太郎の“タイプ”として記憶し、用途に応じて最適なタイプを起動できる機能。例えば、原稿用紙フォームを利用して“原稿用紙タイプ”、レイアウトから目次まで自動作成する“オートブック”機能を利用して“企画書タイプ”など、ユーザー独自のタイプを作成可能。なお、初期登録タイプとして、ツールボックスやナレッジウィンドウを表示しないシンプルな画面構成の“シンプルタイプ”、既存製品『一太郎Lite』のような画面構成の“一太郎Liteタイプ”、『一太郎Ver.3』のように画面背景が黒く行間ラインやツールボックを表示しない“一太郎Ver.3タイプ”、キー操作を中心とした人向けでAltコマンドやF1コマンドが用意された“プロフェッショナルタイプ”、縦書き文書作成用の“縦組タイプ”の5種類があらかじめ用意されている。
一太郎13のデフォルト画面 |
一太郎メイクで作成した原稿用紙タイプ |
“参考文書”機能は、過去に作成した文書などを参考にして新たな文書を作成する際、現在作成している文書(親文書)と、再利用のために参照している文書(参考文書)を関連付けて文書作成効率を向上させるもの。親文書のナレッジウィンドウには参考文書一覧が表示され、引用個所を容易に参照できるほか、参考文書の一部をコピーすると自動的に親文書の画面に切り替わり、すぐに引用(貼り付け)することが可能。また、参考文書は編集禁止状態で表示されるため、誤って編集してしまうことがない。どの文書を参考にしたかといった参考文書情報は親文書ファイルに保存されるので、1度作成終了した親文書を再度開いた場合でも、同じように参考文書を利用できる。なお、親文書には、作成されたユーザー環境固有の参考文書キーも保存されているため、別の環境で親文書を開いても参考文書情報は表示されないようになっている。
親文書の編集画面に表示される参考文書一覧 |
また、作成した文書のチェック機能として、文書内の人名や地名、商品名、価格などを抽出して表示する“ビジネス単語一覧”も搭載する。同社独自の個体名抽出ロジックを用いて、ユーザーが設定した任意の語句を文書から抽出、一覧表示するもので、表示順は出現順/語句/種類でソートできる。抽出された語句はリスト上で直接編集可能なほか、本文でも修正できる。
ビジネス単語一覧の画面 |
操作感や画面のデザインも全面的に見直された。ドロップダウンメニューのデザインを変えて視認性を向上させると共に、選択中のコマンドの説明をメニュー横にツールチップで表示させるようにした。また、ツールボックスアイコンを256色対応にし、状況によって実行できない機能はグレーアウト表示されるようになっている。そのほか、CtrlキーやAltキー等の修飾キーを押し続けると、画面右端にキー割付一覧が表示される。
選択したコマンドの説明がメニュー横にツールチップで表示される |
キー割付一覧 |
ナレッジウィンドウも強化され、項目セットの切り替えがタブシート形式となった。また、従来のインターネットディスク上のファイルに加え、ローカルディスク上のファイルも扱えるようになり、ドラッグ&ドロップでローカルファイルの読み込みが可能となった。コピーの履歴や、設定したフォントや飾り、よく使うコマンドの履歴などもナレッジウィンドウに表示可能。そのほか、文書中の連番/ランク/目次行といった見出し一覧や、ブックマークの一覧も表示でき、そこからダイレクトにジャンプできる。
ワークシートも拡張され、複数ファイルを一括読み込みできるようになった。さらに、文書中のすべてのシートを個々のファイルに分離して保存可能。そのほか、文書の作成途中で終了し、次回起動する際、前回終了時の状態で文書を開く“書きかけ終了”、表枠作成ツールを起動せずに一太郎上で表枠の入力/編集を行なえる“表枠”、F12キーを押すと直前に入力/編集を行なったカーソル位置にジャンプする機能なども搭載する。また、文書閲覧の制限や、文書編集の制限/すかし文字設定、氏名や住所など任意個所のマスキング設定といった各種セキュリティー機能を“セキュリティ”コマンドに統合した。
セキュリティコマンド画面 |
一太郎13の製品構成は、一太郎13と日本語入力システム『ATOK16』。対応OSはWindows 98/Me/2000/NT4.0/XP。2月7日発売で、価格は2万円。なお、同社製品もしくはMicrosoft Office/ロータススーパーオフィスユーザーを対象としたキャンペーン版(10万本限定)が9800円、一太郎ユーザー対象のバージョンアップ版が8000円、学生/教育関係者対象のキャンパスキットが8000円。
また同社は、一太郎がインストールされていない環境でも一太郎文書を閲覧できるツール『一太郎ビューア』を本日14日より無償ダウンロード提供する。一太郎情報ポータルサイト“一太郎Web”からダウンロード可能。
なお、本日都内で行なわれた発表会で、同社常務取締役ビジネス&パーソナル事業部長の福良伴昭氏は、e-Japan構想への取り組みとして、一太郎13をベースとした法人向け一太郎の製品化を計画していることを明らかにした。この法人向け一太郎はXMLに対応し、XML文書の蓄積やデータ交換など、XML文書の活用を促進する機能、PKI対応の電子認証機能など、法人市場で要求されるさまざまな機能を提供するという。製品の詳細については後日正式発表するとしている。
同社常務取締役の福良氏 |