マイクロソフト(株)は20日、次期サーバーOSであるWindows .NET Server Familyの最新情報を報道関係者向けに紹介する“Windows .NET Server Family Reviewer's Workshop Japan”を都内で実施した。
Windows .NET Server Familyの製品ラインナップ |
Windows .NET Server Familyは、標準の『Windows .NET Standard Server』、中~大規模向けの『Windows .NET Enterprise Server』、大規模向けの『Windows .NET Datacenter Server』、ウェブサーバーに特化した『Windows .NET Web Server』、これに『Small Business Server 2003』を加えた製品ラインナップとなっている。同社は、Windows Serverのビジョンとして、ワークグループからデータセンターまでのあらゆるレベルで、アプリケーションやネットワーク、ウェブサービスを提供する強力かつ生産性の高いプラットフォームを目指しているという。
設計目標として、セキュリティーを最重要課題としており、開発に当たっては、カスタマーフィードバックへの取り組みや、新しいシナリオ/システムの実現に注力したという。導入阻害要因の削減や、ユーザーがサービスを利用やすくするための使い勝手の改善、管理における簡便性の向上を図り、さらにはパートナー企業がシステムを構築しやすいように製品機能を作り込んだとしている。パートナーからのβ版による早期フィードバックを分析したり、同社自体で製品を使い込むことで製品のバグを減らしているという。
Windows .NET Serverの概要について説明したマイクロソフトWindowsサーバー製品部部長の高沢冬樹氏 |
同社は、“ITインフラストラクチャー”、“アプリケーションプラットフォーム”、“インフォメーションワーカーインフラストラクチャー”(インフォメーションワーカー:ナレッジワーカーをさらに拡大したもので、企業の情報を活用する人たちを意味する)という3つの観点からWindows .NET Serverの概要を説明した。
まず、ITインフラストラクチャーとして、信頼性向上のため、“Secure Connected Infrastructure”(安全なエンドtoエンド間のIDマネジメントの基礎)を導入し、社内システムにおいてユーザーIDを一元管理する環境を提供、これにより無許可アクセスのリスクを削減しTCOを低減できるとしている。
また、サーバー統合に向けた拡張として、大容量メモリーや64bitプロセッサーへの対応、無停止型サーバーへの対応など、大規模サーバー向けのサポートを図っている。Windows Sysytem Resource Managerや、複数アプリケーションの共存が容易となるSide by Side DLLsなども用意されている。システムを停止せずに機器構成の変更やパッチ処理を行なうことも可能。さらにスケーラビリティーの拡張として、8ノードクラスタリングを実現、大規模かつハイパフォーマンスな環境を提供できるという。
ファイル/ストレージ機能のシャドウコピーは、ユーザーがサーバー上に保存していたファイルを誤って削除してしまった際でも、ユーザー自身で復元作業を行なえるもの。これによりヘルプデスクの負担を低減できる。また、複雑なタスクで利用されているファイルやデータベースのバックアップも容易で、アプリケーションを稼動しながらでもバックアップを取れるという。モバイルアクセスにおいては、証明書ベースでユーザーアクセスをチェック可能。802.1xワイヤレスに対応し、VPNもサポートする。
また、IIS 6.0によりアプリケーション分散環境を提供できる。IIS 6.0では信頼性やパフォーマンスも向上したという。そのほか、ASP .NETを利用してウェブサービスの構築も可能。Terminal Serverや、RAS、Windows Media Servicesの再接続性、ファイルアクセス性能なども向上したという。Windows Media 9や、リアルタイムコミュニケーション、Share Point Team Services v2もWindows .NET Serverに統合されるが、リアルタイムコミュニケーションおよびShare Point Team Services v2については、製品出荷後にアドオンパックとして提供する予定という。
説明を行なった同社Windowsサーバー製品部部長の高沢冬樹氏は、「生産性が高く信頼できるプラットフォームを目指し開発に取り組んだ。Windows .NET Serverは、.NET構想の基盤として登場する。最も信頼でき役立つソリューションシステムとして提供する」としている。