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「ロボットに関する学校の創立を提案する」小野会長――第2回ロボットサロンで

2002年07月25日 23時56分更新

文● 編集部 田口敏之

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ロボットサロンと(社)日本パーソナルコンピュータソフトウェア協会は24日、秋葉原のぷらっとホーム(株)6階のVIPルームで、ロボットに興味を持つ企業関係者や研究者の交流の場である“第2回ロボットサロン”を開催した。会場には、ロボットサロン会長の小野晋也氏をはじめとして、(株)オーム社の『ロボコンマガジン』編集長の先川原正浩氏、および東京工業大学総合理工学研究科の松野文俊氏が出席し、それぞれ発表などを行なった。

小野晋也氏
ロボットサロン会長の小野晋也氏

小野会長は会の冒頭で「第1回ロボットサロンのあと、有志の方々と雑談をする中で、今後日本がロボット分野で世界をリードし続けるためには、人材育成が第一に必要だということになった。そこで、ロボットに関する学校の創立を提案したい」と述べ、「そこで8月20日に、(財)東京都中小企業振興公社で、“秋葉原1日ROBOT学校”を開催する。今後も、毎週土曜日に終日開講する私塾的学校として、ロボット関係者や教育ノウハウを集め、それを基に来年、再来年に正式に学校としてスタートすることを目指す」と語った。“秋葉原1日ROBOT学校”の連絡先は、小野晋也事務所(TEL.03-3508-7043)。

先川原氏
『ロボコンマガジン』編集長の先川原正浩氏

続いて先川原編集長が、今夏開催されるロボットコンテストについて紹介した。これについては以下の通り。

第6回 LEGO MINDSTORMSフェスティバル
8月4日、第7回“東京トイフェスティバル”内で開催。LEGO MINDSTORMSのロボットによる競技会“ロボ缶2002”などを行なう。
第2回 ROBO-ONE 大会
8月10、11日、川崎産業振興会館で開催。二足歩行ロボットによる格闘競技大会。今回は70台以上がエントリーしている。優勝賞金は100万円。
第1回 まえばしロボコン 2002
8月17日、群馬県生涯学習センターで開催。有線リモートコントロールのロボットで、競技フィールドに置かれたフラワーポットに、バラ(スポンジボール)を入れて得点数を競う。地元ボランティアが主催している。
第2回 レスキューロボットコンテスト
8月17、18日、大阪よみうり文化ホールで開催。震災被災地を模した8分の1スケールの模型内において、カメラを搭載したレスキューロボットを遠隔操作して、瓦礫の下に取り残された被災者を救助することを競う。
ABUアジア・太平洋ロボットコンテスト2002東京大会
8月31日、駒沢オリンピック公園総合運動場体育館で開催。競技場に置かれた富士山の山並みに見立てた17個のスポットにビーチボールを入れ、得点を競う。
ASIMO WORLD 2002
8月10~18日、栃木県芳賀郡“ツインリンクもてぎ”内のファンファンラボで開催。ASIMOとふれあうことで、子供たちを中心によりロボットに親しんでもらうためのイベント。
石川氏カメラを搭載した超小型自律ロボットを製作した石川恭輔氏

また先川原氏は、今回のゲストとして石川恭輔氏を紹介した。同氏は、(株)タカラが販売している“赤外線コントロールチョロQ”『MICRO IR DigiQ(デジQ)』のマイコンを載せ替え、装着したカメラから読み取った画像を認識して自律走行するロボットを製作した。カメラには、Air H"専用のデジタルカメラユニット『Treva(トレバ)』を利用している。同氏によれば、ロボットのマイコンは「毎秒6枚程度の画像を処理している」という。

デジQ
デジQを改造した超小型自律ロボット。装着したカメラから読み取った画像を認識して自律走行する

マイコン内のプログラムを書き換えれば、さまざまな動きが可能になる。会場では、楕円の黒い線を認識して、円の内側を走行したり、テニスボールを認識して追いかけるといったデモンストレーションを行なった。

デジQデモンストレーション
黒い線を認識して走行するデモンストレーション

石川氏は「最も苦労したのははんだ付け。マイコンの半導体が小さすぎて、手ではんだ付けするのに難儀した」と述べている。現状の問題点について尋ねたところ、同氏は「バッテリーがまったくもたないこと。充電しても、2分ぐらいしかもたない。無線でプログラムを送受信することを次の目標としているが、現状では無線で送信した瞬間に電池が切れてしまう」という答えが返ってきた。なお製作費は、デジQやTrevaを含めて、1体およそ1万円という。

松野氏
東京工業大学総合理工学研究科の松野文俊氏

最後に松野氏が、“人を護り、人を助けるレスキューシステム・ロボット”と題した講演を行なった。同氏は「神戸大学にいたとき、ちょうど阪神淡路大震災に遭ったが、自分のロボットが何の役にも立たなかった。それから、災害時に役立つロボットを作りたいと思うようになった。大規模災害が発生した場合、ロボットや情報システムはどうあるべきか。それを使命と考えて活動を行なっている」と述べ、災害時に役立つ情報システムやレスキューロボットの構想について語った。

時間軸を持った地理情報システム
時間軸を持った地理情報システムのデモンストレーション。火災の状況を予測している

同氏は「大震災などでは、地理の状況が一変してしまうので、過去と現在、また今後の状況を予測した未来の地理情報を得ることができるシステムが必要となる。そこで、時間軸を持つ情報地理情報システム(GIS)が役に立つ。しかし、GISを活用するためのネットワーク網も寸断される可能性が高いので、分散型のシステムも必要となる」

GISなどを利用して、被災地で自律的に情報収集を行なう移動ロボット
GISなどを利用して、被災地で自律的に情報収集を行なう移動ロボット

「GISなどを利用して、被災地で自律的に情報収集を行なう、GPSやカメラ、コンパスなどを内蔵した移動ロボットの基礎実験も行なっている。このほか災害救助用ロボットとして、車輪付きロボットと異なり、不整地でも移動できる多脚型ロボットや、狭いところに入り込める蛇型ロボットなどの開発も進めている」

蛇型ロボット
ターゲットを認識して追跡する蛇型ロボット
多脚型ロボット
足場が自重に耐えられるか検知しながら歩行する多脚ロボット。足場が崩壊しても自立を保つことができる

「安全で安心して暮らせる社会を作るためには、研修者数の厚みと、研究開発の厚み、そして多様な研究やさまざまな試みが必要。専門家だけでなく、素人でも扱えるシステムの開発を、継続性をもって計画していかなければならない。“Robo-Cup-Rescue”という、災害救助を対象としたロボットの国際共同研究も進んでいる。同プロジェクトの目的は、2050年までにロボットが防災、究明救助に活躍できるようになること。いわば国際救助隊“サンダーバード”の実現にある。どうせなら夢は大きく持ちたい」と述べた。

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