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イーケイジャパンら4社、“ロボット科学教育コンソーシアム”を設立

2002年07月26日 18時57分更新

文● 編集部 田口敏之

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(株)イーケイジャパン、(株)栄光、(株)ゼットエムピー、および(株)ラーニングシステムの4社は25日、“ロボット教材による新しい科学教育カリキュラム開発コンソーシアム”(ロボット科学教育コンソーシアム)を共同で設立し、ロボット教材を導入した新しい教育カリキュラムの開発を開始すると発表した。

教材として用いるロボット
教材として用いるロボット。左奥は二足歩行ロボット『PINO』

同コンソーシアムは、ロボット製作を通じて子供の好奇心を喚起し、高度な理数系の知識を楽しみながら学び、習得できる教育カリキュラムの構築と実践を目的としている。ロボット製作を通じたカリキュラムに基づいた体験的な学習や、問題解決能力を養う学習により、知的好奇心や探求心、表現力の育成を目指すという。活動は、NPO法人ロボカップ日本委員会の協力のもとで展開し、教材の開発およびカリキュラム作成のアドバイザーとして、ロボカップ国際委員会ファウンダー名誉会長である北野広明工学博士と、早稲田大学理工学部の高西淳夫教授が参加している。

具体的な活動としては、11月に小学校3年生以上を対象として、首都圏で約100名の生徒数のモデル教室を3教室開設する予定。1教室は約30名程度になるという。モデル教室では、コンソーシアムで開発した教材を利用し、ロボット製作を通じた教育をレベル別(小学校3~6年生レベル、中学校1年生~高校生レベル、大学生・社会人レベル)に分けたカリキュラムで授業を行なう。レベルが上がるにつれて、教材として複雑な構成のロボットを扱うようになるという。

小学生ロボ
小学生レベルで教材として利用するロボット
中学~高校生レベルで教材として扱うロボット
中学~高校生レベルで教材として扱うロボット。小学生のものより複雑な構成になっている

そして、2003年4月から約300名の募集枠で生徒募集を実施し、2004年7月には、約1200名の姓とを対象に首都圏で約10校を開講する。2005年4月には全国展開を予定している。なお、公立小学校・中学・高校・大学など、公教育機関へも教育コースウェアの提供を行なうという。

各社の役割分担としては、イーケイジャパン、ラーニングシステム、ZMPの3社が教材やカリキュラムの開発、ロボット教材の販売を行ない、栄光のIT事業部である(株)栄光デジタルクリエイティブラボラトリー(DC-Labo)が、教室の運営や教育コースウェアの販売を行なう。また学習の成果を発表する場として、ロボカップジュニアリーグ国内大会および世界大会など、ロボカップ日本委員会の主催する競技会などに出場していくという。

各社の概要については以下の通り。イーケイジャパンは、電子工作キットなどの開発と販売を行なっており、栄光は学習塾“栄光ゼミナール”を運営のほか、ITエンジニア養成校の運営を行なっている。そしてZMPは、二足歩行ロボット『PINO(ピノ)』のレンタルや販売を行なっている。

イーケイジャパンCOO(最高執行責任者)の河野孝治氏
イーケイジャパンCOO(最高執行責任者)の河野孝治氏

発表会には、各社の代表者が出席し、同コンソーシアム設立に関してのコメントを述べた。イーケイジャパンCOO(最高執行責任差)の河野孝治氏は「ロボット製作は、プログラミングを通じてITのスキルを養い、また協調性やがんばりの力を育成することに最適なのではないかと考える」と述べ、「弊社では、1970年代から電子工作キットの開発を続けてきて、1998年にはロボット工作キットも開発し、学校や科学館などに教材として採用されてきた。自ら楽しんで学びながら高度な知識を習得させるプログラムを構築していきたい。またロボット工作という経験の中から、子供の成長を促していきたいと考えている」と語った。

栄光代表取締役社長の北山雅史氏
栄光代表取締役社長の北山雅史氏

栄光代表取締役社長の北山雅史氏は「座学だけでなくロボット製作という経験を通して、理科や数学の勉強をやっていけるようにしたい。総合学習のための教材の開発も考えている」と述べた。

ZMP代表取締役社長の谷口恒氏
ZMP代表取締役社長の谷口恒氏

そしてZMP代表取締役社長の谷口恒氏は「弊社では、二足歩行ロボット『PINO』の販売やレンタルを行なっている。研究や学習の用途として次第に需要が高まってきており、高校や高専からも制御の基礎を学ぶためにPINOを取り入れたいという要望が寄せられている。コンソーシアムでは、大学や社会人を主に受け持つ」と語った。

ラーニングシステム代表取締役社長の石原正雄氏
ラーニングシステム代表取締役社長の石原正雄氏

最後に、ラーニングシステム代表取締役社長の石原正雄氏が「弊社では、レゴブロックを使った教材を幼児から小学生を対象に提供しており、独自の教室を作ってロボット教育活動を展開している。コンソーシアムでは小学校低学年を対象に、発展的な学習につなげていくためのプログラムを共同で開発し、展開していきたいと考えている。また、講師養成も行なう」とした。

モデル教室は開催する地域が限定されるため、生徒募集は新聞広告を通じて行なう予定で、インターネットでは募集しない。授業は週1回、約2時間の枠で行なう。月謝は、月4回の授業で1万5000円程度の予定。なお教材費は別途必要で、小学校レベルの場合4万5000円程度になるとしている。

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