クリエイティブメディアの携帯音楽データプレーヤ「NOMAD Jukebox」の後継モデル「同 3」が、この種の製品としては最大級の20GB HDDを内蔵して登場した。
ストレージとしても使える大容量
![]() |
---|
写真1 「NOMAD Jukebox 3」は、携帯CDプレーヤほどの大きさにCD約500枚分、20GBもの音楽データを記録できる(音楽CDの再生はできない)。右側面にはヘッドフォン端子とスクローラと呼ばれるダイヤルが配置されている。ヘッドフォン端子にはリモコンも装着できるようになっており、液晶付きリモコンの販売も検討されている。 |
20GBを音楽だけで使い切るのは容易なことではない。なにしろ128kbpsでエンコードしたMP3ならば約5000曲、アルバム1枚10曲とすれば約500枚分を収録できる。筆者は音楽が好きなほうで約300枚のCDを所有しているが、それを全部保存してもまだ8GB程度余ってしまう計算だ。この大容量の真の魅力的な点は、“ストレージ”としても使えることだろう。数GBの大きなデータを持ち運んだり、大切なデータをまるごとバックアップしたりといった用途にも使えてしまう。
PCとの接続には、従来のUSBに加えて新たにSB1394(IEEE1394互換)インターフェイスが採用された。これにより内蔵HDDに近い感覚でデータの読み書きができ、ストレージとしての使い方も現実的になった。
ひとつ残念な点は、データ転送に専用の「Creative File Manager」というソフトが必要なことだ。操作はエクスプローラとほぼ同じで使いやすいが、このソフトがインストールされていないPCにはNOMADを接続できない。同ソフトはフロッピーディスク1枚に収まり、Webからもダウンロードできるのだが、他人のPCにデータを移したい場合には、勝手にソフトをインストールするわけにもいかない。ぜひ改良してもらいたい点である。
最大11時間の連続再生が可能
![]() |
---|
写真2 背面の端子は右から電源、USB、SB1394(IEEE1394互換)、そしてラインアウトが2つ。2つのライン端子により4チャンネルスピーカの使用も可能だ。端子類の下にはリチウムイオンバッテリが2つ入る(初期状態では1つ)。 |
新機能としては、ダイレクトレコーディングがある。光デジタル/ライン入力端子にCDやMDプレーヤなどを接続して、直接音楽などを録音できる機能だ。録音形式はMP3かWave。PC無しでエンコードできるのは便利だが、音楽の録音用として常用するのは現実的でない。というのも曲間を検知しないため、録音した部分すべてが1曲となってしまうのだ。これらを切り分け、曲名やアーティスト名などを入力するのは結局PCでの作業になる。あくまでもPCを使えない場面での非常用と考えたほうがよさそうだ。
操作性の面では、本体側面に新搭載されたスクロールホイールにより大幅に使い勝手が向上した。メニューや曲の選択、文字の入力など大部分の作業がダイヤル操作ででき、快適だ。アーティスト名、アルバム名などで曲が分類表示されるので、膨大な曲の中から容易に目的の曲を見つけられる。曲名などの日本語表示ができるだけでなく、漢字も含めた日本語の入力まで可能だ。
![]() |
---|
画面1 パソコン内の音楽ファイルを管理し、NOMAD Jukebox 3との同期も行う「PlayCenter3」。CDDBからの情報の自動入力もサポート、MP3へのエンコードもワンタッチだ。 |
再生には音の高さ(ピッチ)を変えずに再生速度を変える機能も搭載する。会議のテープ起こしや歌詞を聴き取りたいときなどに重宝する機能だろう。
価格はオープンプライスで、予想実売価格は5万2800円。約123(W)× 130(D)× 35(H)mm /約289gと、本体は大きめなので持ち歩きは少し大変だが、20GBの容量と高速接続はそれを補うだけの魅力がある。持ち運びをメインにするのではなく、家庭内に据え置いてホームジュークボックスとしても使える。手持ちのCDをすべて放り込んでおけば、CDデッキよりはるかに便利だ。
NOMAD Jukebox 3の主なスペック | |
製品名 | NOMAD Jukebox 3 |
---|---|
記録ストレージ | 20GB HDD |
メモリ | 16MB(最大7分間音飛び防止) |
液晶モニタ | 132×64ドット(青&緑2色ELバックライト) |
再生フォーマット | MP3(32k~320kbps)/WMA(60~160kbps)/WAVE(11k~48kHz) |
録音フォーマット | MP3(32k~320kbps)/WAVE(11k~48kHz) |
デジタル端子 | USB 1.1/SB1394/光デジタルオーディオ入力(ミニプラグ) |
アナログ入出力端子 | ライン入力(ステレオミニジャック)/ライン出力(ステレオミニジャック)×2(前面、背面)/ヘッドホン |
S/N比 | 最大98dB(ライン出力)/最大96dB(ヘッドホン) |
電源 | 専用バッテリパック |
電池駆動時間 | 11時間/22時間(オプションのセカンドバッテリ装着時) |
本体サイズ | 約123(W)×130(D)×35(H)mm |
重量 | 約289g(バッテリ未装着時) |
競合製品レビュー
![]() |
![]() | |
---|---|---|
ソニー「D-CJ01」レビュー | ソニックブルー「RioVolt SP250」レビュー | |
![]() |
