背面。6cm角排気ファンが用意されるほかは一般的なATXタワーケースと相違ない |
“HTPC”(Home Theater PC)人気の高まりとともに、昨年中盤から一部で盛り上がりを見せ始めた“アンプ風PCケース”。すでにMicroATXフォームファクタとLow Profileに対応した、どちらかと言えば“エントリー向けアンプサイズ”のものが数種類登場しているが、ついに中高級プリ/プリメイン/AVアンプ然とした大きなサイズの製品がCOMPUTEX TAIPEIの会場に現れた。
サイズは430(W)×402(D)×162(H)mm。背面にびっしりと出入力端子の並んでいそうなATXケースは韓国Dign International製、販売元が韓国Kanam Electronicsとなっている製品で、同社ではそのものズバリ「Home Theater PC Case」というシリーズ名を与えている。モデルは2種類あり、写真上のブラックモデルが「DIGN 3Be」、下のホワイトモデルが「DIGN 4Se」。カタログを見る限りでは少なくとも“3”シリーズにこのほかシルバーの「DIGN 3Se」とゴールドの「DIGN 3Ce」が用意されているようだ。まだ最終製品ではないという理由からケース内部の撮影許可が下りなかったためドライブベイの総数は不明だが、“3”シリーズは5インチベイが1つとシャドウ5インチベイが1つ、一方DIGN 4Seは5インチベイが2つで、加えてUSBとIEEE1394端子が前面に引き出されている。
カタログに記載されているDIGN 3シリーズ3モデル | フロントパネルのドライブベイカバーを開いたところ。開くには指で手前に引っ張る必要があり、この点はスイッチ式への改善を望みたいところ。ちなみにインシュレータはなかなか凝っている | DIGN 4Seに用意されている前面インターフェイス |
赤外線受光部に関しては相性問題などがあるため、あくまで特注扱いとのこと。リモコン利用可能モデルの国内販売はちょっと難しい? |
このほか大きな特徴はケース中央部から向かってやや左に寄ったところに用意されているLED表示パネルだ。これは単純にHDDのLEDが表示できるほか、Dign Internationalのウェブサイトに用意されるフリーウェアをインストールすることで、ボリュームやモニタの解像度など複数の情報を任意にスクロール表示させられる。また販売代理店向けの特別仕様として赤外線受光部とコントローラの内蔵も可能になっており、搭載した場合には、テレビやアンプなどをPCからリモコンでコントロールできるようになるという。
展示されていたカタログでは、モニタ解像度などを表示している |
シンプルなデザインと重厚な存在感はAVショップに並んでいても十分に溶け込みそうなほど。筆者が会場で出会ったアキバの某有名パーツショップ入荷担当者も「チェック済み」とのことで、HTPC用ケースの最右翼となる可能性を秘めた同製品の国内デビューは意外に早いかもしれない。
クーラーマスター製のアンプ風アルミケースはドライブベイ増加
一方すでに流通し、HTPC自作人気に一役買っているクーラーマスター製のアンプ風アルミケース「ATC-600」シリーズには新型が「ATC-610」シリーズ登場。開閉式パネルを従来の1段から2段へと変更し、5インチベイの下にある3.5インチベイにもフロントからアクセスできるようになった。こちらは近日リリース予定だという。
用意されたのはガンメタリック(グレー)の「ATC-610-GX1」とシルバーの「ATC-610-SX1」 | フロントパネルはこのように開閉する。ATC-600シリーズとの間で好みが分かれそうだ |