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【特別企画】Computex Taipei 2002速報!PC3200(DDR400)に対応するi845Eが技術志向の新興ベンダから!

2002年06月06日 00時00分更新

文● 小磯

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デモ中

 仕様上の制約からPC2700(DDR333)への対応をうたう製品すら存在しない“i845E”チップセットを搭載しながら、3.2GB/秒の帯域を実現するPC3200(DDR400)をサポートするマザーボードが、今年PC業界に参入した台湾Albatron(Albatron Technology)から登場した。



Albatronロゴ
Albatronのロゴ
PDP
プライベートブースに展示されているPDP
PX845E ProII
「PX845E ProII」。PX845E Proにネットワーク機能などを追加した上位モデルだ。レイアウトは同じ

 Albatronは“Albatross”と“Electronics”を組み合わせた造語で、読みは「アルバトロン」。'02年1月に誕生したばかりの企業だが、前身は'84年に設立され、LCDやPDP(プラズマディスプレイパネル)などモニタ専業ベンダとして台湾などを中心に活動していたという「Chun Yun Electronics」へと遡る。CEOはJack Ko。この名前を聞いてすぐにピンと来た人はかなりのマニアと言えるが、彼は台湾Gigabyte設立メンバーのひとり。Gigabyte退社後PC業界から一時距離を置いていたが、Albatronを率いてのカムバックとなったわけだ。

 同社が会場近くのデパート兼多目的ビル「NewYork NewYork」に展開したプライベートブースには、Intel/AMD製CPU用の最新チップセットを搭載する製品がズラリ。短期間でフタ桁を数えるマザーボードを用意している点に、ただの新興ベンダではない雰囲気を感じさせるが、そこで実機デモが行われているのがPC3200 DDR SDRAMをサポートするi845Eマザーボード「PX845E Pro」である。同製品では、Samsung製のPC2700 DDR SDRAMを200MHz(DDR 400MHz)へとオーバークロックして動作させている。3.2GB/秒というメモリ帯域はPC800 RDRAMとまったく同じで、PX845E Proが“i850”マザーボードよりもメモリチップのレイテンシ分高速だとするベンチマーク比較もあわせてディスプレイ中。



型番とDDRメモリ ベンチマーク比較 クロック200MHz
デモ中のPCに差さっているのは“K4H560838C-TCB3”を16枚搭載する512MBモジュールベンチマーク比較。CPUとメモリは非同期設定できるとのことだが、よく見るとCPUのFSBも150MHzへオーバークロックされているデモではリアルタイムにDDR SDRAMの動作クロックを表示していた

 AlbatronのPC部門(IT Products Business Div.)マーケティングディレクターであるダリル・チャン(Darryl Chan)氏いわく「6Layerを採用したわけでも、特別なチップを搭載したわけでもなく、単純にボードデザインの改善だけでPC3200に対応した」。このため、コスト面でも一般的なi845Eマザーボードと変わらないという。この手のデモは得てして技術力誇示に使われるだけで実際の製品には至らない場合が多いのに対し「すでに量産されている製品だ」というのだから驚きだ。同氏は日本国内の販売代理店としてアスクが決定済みとしており、PC3200 DDR SDRAMをサポートする衝撃的な製品のデビューはかなり近いと判断して良さそう。

PC3200をサポートするKT333マザーも展示中
こちらはパッケージも完成

パッケージ

 なおAlbatronのブースではこのほか、同じくPC3200 DDR SDRAMを独自にサポートする“KT333”搭載マザーボード「KX400+」「KX400+ Pro」も展示中で、こちらはすでに銀と緑がベースのパッケージも完成済み。某大手ベンダで超人気製品を手がけた過去のある人材などが集まったスタッフの技術力を背景に独自路線の製品を今後も登場する予定だとしており、見逃せないベンダとなっていきそうだ。


「KX400+ Pro」。たしかにチップセットはKT333だ。なお“Pro”が付くか付かないかはSouth Bridgeが“VT8233A”か“VT8235”かの違い。展示中のポップにはさりげなく“DDR400+”の文字が
KX400+ Pro
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