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システムバス533MHz版Pentium 4時代開幕!2.40BGHzと2.26GHz、そしてi850Eマザーが店頭に並ぶ

2002年05月07日 16時45分更新

文● 編集部

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新Pentium 4価格表 i850Eマザーボード

 先に入荷していたFSB 133MHz(Quad Pumped 533MHz)版Pentium 4の販売がとうとうスタート。足並みこそ揃ってはいないものの、複数ショップ店頭に2.40BGHz、そして2.26GHzが並んでいる。また、Pentium 4用のパフォーマンス市場向けチップセットと位置づけられる“i850”の後継で、システムバス533MHz版Pentium 4に対応する“i850E”搭載マザーボードもあわせて販売開始。一挙4モデルが店頭に並んだ。



SL67Z
SL683
パッケージに貼られたスペック一覧

 7日に発表された新型Pentium 4は2.53GHz、2.40BGHz、2.26GHzの3製品。このうち、史上最高クロックのx86 CPUとなるPentium 4-2.53GHzだけは次回以降の入荷となるようで今回は店頭に並んでいないが、いずれもFSBが100MHzから133MHzに引き上げられ、システムバスが400MHzから533MHzへと上がっているため、必然的にシステムバス帯域も3.2GB/秒から4.2GB/秒へと上がっているのが最大の特徴だ。システムバス帯域幅の引き上げにより、一度に大量のデータを処理する必要がある場合にパフォーマンスの向上が期待できるだろう。一方で、0.13μプロセスで製造される、512KBのL2キャッシュを搭載し、1.50VのVCoreで駆動するという仕様は現行のNorthwoodコア版Pentium 4とまったく同じで、劇的な変化は生じていない。



i850マザーで使っていたRIMMモジュールは使えない?!
i850Eマザーにはシステムバス533MHz時のメモリサポートに制限が

KC82850E
ICH2
D850EMV2
D850EMD2
RIMMスロット
PC800-45

 システムバス533MHz版Pentium 4対応製品として発表と同時に販売が始まったのはIntel製のi850EマザーボードでATXフォームファクタを採用する「D850EMV2」「D850EMV2L」と、MicroATXの「D850EMD2」「D850EMD2L」の4製品。i850Eは現行のi850をシステムバス533MHz版Pentium 4へ対応させたもの、という位置づけの製品である。このため、ICHも従来どおり“ICH2”で、i845E/GでサポートされたUSB2.0コントローラ内蔵ICH“ICH4”は組み合わされていない。GigabyteやMSIなどが850EにICH4を組み合わせた製品の投入を検討しているようだが、それが市場に出てくるにはまだしばらく時間がかかりそうだ。

 ただし、メモリサポートには大きな変化がある。Intelによるメモリのバリデーションを見てみると、i850Eでは“PC800-40”タイプのRDRAMしかサポートされていないことがわかる。単純にユーザー数の問題からか、これまであまり重要視されてこなかったが、RDRAMにはRAS(Row Address Strobe)の違いによって40nsモデルと45nsモデルの2種類があり、多くの場合はモジュールのヒートスプレッダ部分にその記載がある。簡単に言えばCAS Latencyと同じく、メモリアクセスの遅延設定に関する表示だ。CL=3より2.5、2.5より2の方がレイテンシが低く、高速であるように、RASも45nsより40nsの方がより高速なメモリアクセスが可能になるため、システム全体の速度が向上する。

 問題はこのPC800-40タイプのRDRAMがほとんど流通していないことにある。「未だ見たことがなく、入荷するかどうかも不明」というメモリの代理店があるほどの流通量であるため、しばらくは手に入らないか、入るとしても入手性は極めて悪くなりそうだ。現在のところ、すべてのボードに当てはまるかどうかからないが、編集部で試したところ、Samsung製のPC800-45タイプ128MBモジュール“MR16R0828BN1-CK8”でD850EMV2Lは問題なく動作したため「PC800-45タイプでは絶対に動かない」わけではないのだろうが、あくまで保証外となる点には注意したい。これまでi850マザーボードで利用していたRDRAMをそのままi850Eマザーボードでも利用しようと思っていた人は、人柱になる覚悟を決めるか、もうしばらく情報が集まるのを待つ必要があるだろう。



ボードレイアウトは従来製品そっくり
NEC製のUSB2.0コントローラを標準搭載

D720100AGM

 今回登場したIntel製のリファレンスマザーボードはi850マザーボードである従来製品によく似たレイアウトを採用。拡張スロットはATXの2モデルがAGP×1、PCI×5、CNR×1で、MicroATXモデルだとPCIが3本と、これまたまったく同じ仕様。AGPスロットの延長線上にサウンド入力コネクタがあり、一部ビデオカードが物理的に干渉してしまう場合があるのもこれまでどおりだ。しかし従来製品では特別モデルだけが採用していたNEC製のUSB2.0コントローラを標準で搭載し、ポート数に応じて最高転送速度が下がってしまうICH4以上のUSB2.0機能を提供しているのは、見逃せないところではある。



CPU、マザーボードともに静かな出足

販売中
ATXとMicroATXではPCBの色が微妙に異なっている

 ゴールデンウィーク直後の平日ということもあってか、新型Pentium 4、i850Eマザーボードともに落ち着いた出足。FSBが引き上げられただけで、CPU/チップセットともに注目の新機能を搭載しているわけではないというのが「開店前から待っていたという人もなく、いたって静か」(複数ショップ)というデビュー初日を迎えた理由と言えそうだ。複数ショップによると、5月末に予定される価格改定で大きく値下がるとのことで、本格的な普及はそこからということになるかもしれない。
 なお、一部ユーザーが注目していた、システムバスと同じ4.2GB/秒の帯域幅を持つPC1066 RDRAMだが、i850Eにおいて標準ではサポートされない。また、現在のところPC1066 RDRAMの単品販売が始まる見込みもない。一部マザーボードベンダはオーバークロックでPC1066をサポートし、メモリをパッケージにバンドルして販売すると言われてはいるが…。


7日現在の価格情報
価格ショップ
Pentium 4-2.40BGHz
\74,800T-ZONE.PC DIY SHOP
\74,979TSUKUMO eX.
ツクモParts王国
\75,800高速電脳
\76,770OVERTOP
\78,780コムサテライト2号店
\78,800コムサテライト1号店
コムサテライト3号店
\79,980クレバリー1号店
WonderCity
\86,000ラオックス PC・DO SHOP
\87,199ソフマップ1号店 Chicago
Pentium 4-2.26GHz
\57,800高速電脳
\57,979ツクモParts王国
\58,770OVERTOP
\58,979TSUKUMO eX.
\59,800クレバリー1号店
コムサテライト3号店
WonderCity
\61,499ソフマップ1号店 Chicago
\65,000ラオックス PC・DO SHOP
Intel D850EMV2
\21,799TSUKUMO eX.
\22,780コムサテライト3号店
\22,800クレバリー1号店
高速電脳
WonderCity
\23,300ラオックス PC・DO SHOP
Intel D850EMV2L
\23,480コムサテライト2号店
\23,770フェイス
\23,800高速電脳
BLESS 秋葉原本店
\23,950OVERTOP
\23,980コムサテライト3号店
\24,700ラオックス PC・DO SHOP
\24,800クレバリー1号店
WonderCity
Intel D850EMD2
\21,480コムサテライト2号店
\21,500コムサテライト3号店
\21,800高速電脳
Intel D850EMD2L
\22,800高速電脳
コムサテライト2号店
\22,970フェイス
\23,350OVERTOP
\23,780コムサテライト3号店
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