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ソニー、HDDビデオレコーダー新製品“チャンネルサーバー”発表

2002年04月15日 16時12分更新

文● 編集部 佐々木千之

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ソニー(株)は15日、HDDにテレビ番組を録画できるHDDビデオコーダー“Clip-on(クリップオン)”シリーズの後継機として、ユーザー好みの番組を自動的に録画する“おまかせ・まる録機能”を搭載した“チャンネルサーバー”『CSV-S55』を発表した。価格はオープンで、5月11日に発売予定。編集部による予想店頭価格は9万円前後。

『チャンネルサーバー CSV-S55』
『チャンネルサーバー CSV-S55』Clip-onを踏襲したデザインとなっている
CSV-S55の背面
CSV-S55の背面

ソニーは2000年夏に国内初のHDDビデオレコーダーClip-on『SVR-715』を発表した。ソニーが実施したClip-onのユーザー調査によると、Clip-onのメインユーザーは30~40代の男性で、自分の見たい番組を探して録画するという、能動的な行動ができるユーザーだったという。一方今回のチャンネルサーバー CSV-S55は、普段テレビをつけっぱなしにして面白そうな番組には注目するというような、受動的な一般ユーザー向け開発したもので、自分の生活パターンに合わせて、見たいものだけを効率的に見るという、単なる録画機ではない新しいテレビの視聴スタイル“My Cast(マイキャスト)”を提案するとしている。

CSV-S55のリモコン
CSV-S55のリモコン。単3乾電池2本で動作する

ソニーは、ハードウェア同士をネットワークで接続する環境を作り、ハードウェアとコンテンツ、サービスが一体となったサービスを提供することで新しい価値を生み出すという“ユビキタス“バリュー”ネットワーク”構想を掲げている。このチャンネルサーバー CSV-S55はその構想の家電における製品化の第1弾であるという。

CSV-S55のメニュー画面
CSV-S55のメニュー画面。画面のバックに斜めに入って見える線は“風にそよぐカーテン”のイメージで、MPEG画像による動く背景となっている

CSV-S55の最大の特徴は、ユーザーが見たい番組を自動的に録画する“おまかせ・まる録機能”。これは、ユーザーがあらかじめ“スポーツ”“ドラマ”“音楽”といったジャンルと、“野球”“サッカー”“新番組”といったキーワード、および“朝”“昼”“夜”“深夜”という放送時間帯を設定しておくと、EPG(※1)からそれら設定に該当する番組を自動的に録画するという機能。録画は1度に1番組しか行なえないので、同じ時刻の複数の番組が該当する場合には、設定した優先順位の高い番組を録画する。ユーザーがEPGから直接録画予約している場合には、それを最優先で録画する。HDDに録画した番組はユーザーが明示的に“ロック”しない限り、最長でも7日で古いものから自動的に消去する。

※1 EPG(Electronic Program Guide):地上波チャンネル向けEPGは、(株)インタラクティブ・プログラムガイド(IPG)が提供しており、放送電波に含めて1日4回送信している。ただし現時点では、仕様上、ナイターの延長や、緊急番組などの急な予定変更には対応できない。

おまかせ・まる録機能で使用するジャンル、キーワード、時間帯はプリセットされているもので、ユーザーが任意に入力することはできないが、キーワードに関しては全部で24ある設定のうち、8つはソニーのサーバーからネットワークを通じて毎月更新する機能を持つ。ワールドカップサッカーや高校野球といったイベントなどに応じたキーワードを提供する予定という。

“おまかせ・まる録”設定画面
“おまかせ・まる録”設定画面

キーワード更新は、CSV-S55が内蔵の56kbpsモデム(V.90、K56flex対応)を使ってダイヤルアップし、サーバーに接続して行なう。ソニーでは、CSV-S55ユーザー向けのウェブサイト“カモン! マイキャスター”を開設、発売日に合わせてサービスを開始する予定。このウェブサイトでは、ユーザーにCSV-S55の機能をより利用してもらえるようにする情報を提供してコミュニケーションを図るという。さらに将来はソニーのテレビ関連のポータルサイトとしても発展させていくとしている。キーワード更新サービスの利用には、このカモン! マイキャスターサイトに携帯電話(iモード、J-SKY、EZweb対応)またはパソコンでアクセスしてユーザー登録する必要がある。キーワード更新サービス料金は無料。

おまかせ・まる録機能でEPGから検索された番組の一覧
おまかせ・まる録機能でEPGから検索された番組の一覧

毎月300円(税別)で、キーワード更新に加えて、外出先から自宅のCSV-S55の録画予約が可能になるサービス“@(アット)録画予約”を利用できる。@録画予約サービスに加入すると、CSV-S55が1日2回(時刻はユーザーが任意に設定できる)ダイヤルアップして予約リクエストがないかを確認するようになる。ユーザーが予約したい番組がある場合には、CSV-S55のダイヤルアップ時刻より前にカモン! マイキャスターサイトに、携帯電話かパソコンでアクセスし、番組予約を行なうと、CSV-S55が最優先予約として追加する仕組み。月額料金の300円にはサービス利用料金だけでなく、ダイヤルアップのための電話料金も含まれる。情報確認のためのダイヤルアップ時間は約1分としている。

このほかEPGと連動して、現在視聴しているテレビ番組の情報を表示したり、1週間分の番組表を参照できる。ある番組を録画中に、その番組の録画済みの部分を再生したり、別の録画済み番組の再生も可能。また、CSV-S55ではHDDにテレビ番組を30分前まで常時録画しており、テレビの流し見をしながら、気になった部分を見直したり、放送中の番組を“ポーズ”(30分以内)して、用が終わったらまた続きを見るといったことができる。流し見中の番組を録画する場合、録画ボタンを押すのが番組が始まって30分以内であれば、その番組の最初から録画することができる。(※2)

※2 この機能は、録画モードとしてSPモードを選択しているときのみ有効。

HDD容量は80GBで、高画質のSPモードで約25時間(映像記録MPEG-2、録音MPEG-1(LAYER2)。約6.0Mbps)、標準のLPモードで約40時間(同、約3.7Mbps)、記録時間重視のEPモードで約55時間(同、約2.8Mbps)の録画が可能。さらに80GBのHDD増設サービスも6月15日に開始する(料金は4万5000円)。チューナーは地上波用×1、CATV用×1を内蔵し、映像・音声入力×2、映像・音声出力×2、S映像出力×2、S映像入力×1、およびモデムコネクター×1を備えている。本体サイズは幅430×奥行き326×高さ77mmで、重さは約4.5kg、消費電力は約27W。なお、CSV-S55の記録データをデジタルのまま取り出すことはできない。

CSV-S55は、テレビが好きだがなかなか見る時間がない、連続もの番組は欠かさず見たい、テレビパソコンを使っていてもHDDビデオレコーダーの利便性を知っている、といったユーザーがターゲットになるとしている。

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