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目指せ、ゲーム業界!

2002年04月10日 21時15分更新

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 目指せ! と意気込んだところで、ひと口にゲーム会社といってもそれは星の数ほどある。そんななかで僕の目指した会社の理想像は次のような感じだった。

僕の理想の会社
  1. 従業員数は50~300人位の、中規模クラスの会社が良い(あんまり小さい所は経営的に不安だし、逆に大きいところだと、会社の歯車になってしまうから(←若い!))
  2. 一応、名前は知られている会社(他人に説明するのが簡単だし、自慢できるから。第一、無名なところは僕自身が知らないし)
  3. 転勤のなさそうな会社(1人で関東を離れるのは怖いから)
  4. 給料は気にしない(相場が良くわからなかったし、僕の実力ならすぐに実績を出して、給料もバンバン上がる予定だから(←大きな間違いだったが))

 このような条件の中で絞りだした候補会社が下記である。さすがに実名を出すのははばかられるので、イニシャル表記にさせてほしいが、ヒントは「なぜか、ほとんど同じような共通点がある」だ。この時点ですでに就職活動が失敗であることに、当時の僕が気付くわけもなかった。

僕が就職試験を受けた会社(抜粋)
  • C社
  • J社
  • H社
  • D社
  • S社
(全部わかるかな? Sはちょっと難しいゾ)
面接に向かう
※写真はイメージです。いかなる個人、法人とも関係ありません

 冗談抜きで、本当に僕は上の会社全部にアプローチをした。コレホント。そしてこの中の1社からは、なぜか内定をもらうことができてしまった。しかし色々考えた末、その会社には入社せず(この判断は間違っていなかったようだ)、僕はその後も就職活動を続け、最終的に別のゲーム会社へ就職を決めることとなったのである(結局その会社も上記の会社と似たような運命を辿るのだが……)。今考えてみると、すべての行動と思考が微妙に無駄な努力であったことが空しくてならない。

 ちなみにC社に関しては、セミナーの冒頭で「新入社員は全員広島勤務で、背中に研修中であることを明示してあるピンクのジャージを着て働いていただきます」との説明を受けた。シャイなヤングメンである僕はもちろん、セミナーの最後に配られたアンケートの項目「当社への入社を希望:する/しない」の欄で「しない」に○を付けて帰ってきてしまったため、残念ながら面接は受けていない。

 で、最終的に僕が就職を決めた会社は、ゲームをやる人ならほとんどの人が名前は聞いたことがあるくらいの会社で、従業員は百数十人、基本的に転勤はないが、給料は低めという、僕の理想そのものの会社だった。そう、僕の就職活動は大成功だったのです。ただ1つ間違えていたとすれば、それは僕の理想の会社像でしょう。そしてその1つの間違いが致命傷であったことに気がついたのは、それから数年たってからのことだった。

 4月から社会人生活をスタートさせたフレッシュマンの皆さん! きっとあなたたちは今、希望に満ち溢れていることでしょう。厳しい“超超氷河期”と言われる就職戦争をくぐりぬけ、やっと手に入れた内定。目の前に広がる出世コース。すでに頭の中では「部長 島耕○」改め「取締役 島○作」のような波乱万丈ビジネスマン生活や「サラリーマン金○郎」のようなガムシャラサラリーマン物語を思い描いているのではないでしょうか。

 えぇ、中にはいると思います。理想の社会人生活を送れる人も……。でも、一歩間違えれば僕みたいな人がたくさんいることも忘れないで下さい。



サラリーマン
※写真はイメージです。いかなる個人、法人とも関係ありません

 必死の思いで就職した会社が入社後半年で潰れたら?

 自分が入社すると同時に社内でリストラが始まっていたら?

 こんなことをヒマなときにでも考えてみてください。きっとあなたの希望は半分くらいに縮まることでしょう。リクルートスーツの若者を見るたび、ついついこんなことを考えてしまう今日この頃です。ガンバッテ!!



ここに書いたことは、あくまでも僕の体験がもとになっています。すべてのゲーム会社に当てはまるわけではありません。

【筆者プロフィール】高田哲弘氏。都内某大学を卒業後、とある中堅ゲーム会社に誤って入社し、営業部に配属されて過酷な日々を過ごす。その2年後には早くも会社の将来に絶望を感じ、就職活動を開始。別のゲーム会社にて採用され、また誤って入社してしまう。そしてそこでも会社の将来に絶望を感じたが、時すでに遅く、会社が倒産するという事態を迎えるハメに。そして現在、なんの因果かまたゲーム業界に近い会社に勤務している。しかしやはり過酷具合は変わらず、現在は長期就職活動中。

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