CPU組み込み済み超小型システムボード、と言えばVIAの「EPIA-E533」「EPIA-C800」が記憶に新しい。しかし純粋なPC用としてのものに限らず、機器組み込み用のものにまで視野を広げると、長年にわたりさまざまな製品が販売され目に見えないところで活躍していたりする。
そんな製品の1つ、台湾AXIOM TECHNOLOGY社の「SBC84510VEE」が店頭販売されている。
ごらんの通り、手のひらサイズのコンパクトさ |
CPUはNational SemiconductorのGeode GX1-300MHz。National SemiconductorといえばCylix買収、その後のCPU部門のVIA売却で知られているが、旧Cylixの統合型CPU“Media GX”の部門だけはNational Semiconductorに残されており、“Geode”と名を変えて現在も健在だ(Crusoe以前のカシオ「Cassiopeia FIVA」が搭載していたことでご記憶の方も多いだろう)。
それを採用したSBC84510VEEは、低発熱で鳴らした元Media GXだけにファンレスでヒートシンクのみ。サイズは147×105(突起を含むと110)×24mm。以前登場したNexcomの「EBC363」がメインボード+CPU/North Bridge/メインメモリのドータボードという2層構造だったのに対しこちらは1層構造だ。このサイズの中にひととおりの機能を備えているが、Realtekのネットワークコントローラ“RT8139”をデュアルで搭載し、イーサネットポートを2つ持つあたりはいかにも組み込み用だ。またボード上のスペースを稼ぐため、ATAPI/FDDインターフェイスは小型のものになっており、専用のケーブルが付属している。
インターフェイス部。USBも1ポート持つ | チップや抵抗で「ぎっしり」という印象の裏面。左はSO-DIMMスロット(最大128MB)、右下はなんとコンパクトフラッシュ(CF)スロットだ | 電源は4ピン12V。“PC内PC”も可能かも |
ATAPIケーブル。一番上がボード側コネクタで、中央が2.5インチHDDコネクタ、下が3.5インチHDDコネクタ。2.5インチHDDコネクタの後でケーブルが一部切れているのは、その部分で電源を供給できるようになっているため | こちらも専用のFDDケーブル。FDDが使えるのはありがたいかも |
店頭販売を行っているのは若松通商PS/PLAZA。価格は4万9800円となっている。デスクトップPCとして使用するにはそれなりのスキルが必要になりそうだが、このコンパクトさは大きな魅力。アイデア次第でいろいろな使い方が考えられそうだ。
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