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種類が少ないながらもコストパフォーマンスの高さで人気となっているSiS(Silicon Integrated Systems)製Athlonファミリ向け統合チップセット“SiS735”。これにビデオコアを統合した“SiS740”を搭載するマザーボードがアキバに現れた。MicroATXフォームファクタを使用したPCCHIPS製「841LR」がそれで、早ければ週末にも発売予定となっている。
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SiS740はSiS735にSiS製のビデオチップ“SiS315”相当のビデオ機能を内蔵したチップセットだ。同じくSiS315相当のビデオ機能を統合したチップセットとしてはPentium 4向けの“SiS650”があるが、SiS650は一部報道でハードウェアT&Lエンジン非搭載が指摘されたのに対し、SiS740では搭載する旨がSiSのウェブサイト上で明言されているのが大きな特徴だ。ハードウェアT&Lエンジン搭載をうたうビデオコアがNorth Bridgeに内蔵されるのはNvidiaのnForceシリーズに続き2つめとなる。なお内部的にSiS独自の“Ultra-AGPII”で接続されているのはSiS650と同じで、AGP 8x相当となる2GB/秒の帯域幅を持つ。バッファメモリはメインメモリから最大64MBをシェアし、内蔵RAMDACは333MHz。
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また、North&South Bridgeをワンチップで提供していたSiS735に対し、SiS740ではSouth BridgeとしてSiS961を採用。SiS961はSiS650も採用していたUltra ATA/100対応のSouth Bridgeで、SiS740とは533MB/秒の帯域幅を持つMuTIOLバスで接続されている。なお、841LRにおいてSiS961のチップ表記はECSがSiS961に対して独自に与えた型番“XP4”となっているが、これは台湾ECSと台湾PCHIPSがグループ企業であり、両社が共通のマーケティングを行っているからであるようだ。
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拡張スロットはPCI×3、AMR×1。AMR接続のモデムカードを同梱しているのは、ベアボーンキットなどに向けたOEMベンダとしての性格が強いPCCHIPSらしい。DIMMスロットがDDR SDRAM専用×2、SDRAM×2(ともに最大2GB、排他利用)となっているのはSiS735マザーボードの代名詞ともなっているECS製「K7S5A」に通じるものがある。このほか、SiS961(=XP4)内蔵コントローラによってネットワーク接続をサポートし、AC'97サウンドコーデックも搭載している。FSBの設定は、PCCHIPのウェブサイトからダウンロードできるマニュアルによれば可能と取れるが、現在のところ詳細は不明。
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サンプルを入荷したOVERTOPでは予価を1万1800円としている。AGPスロットを持たないため将来的なビデオ機能の増強は難しいが、GeForce2 MX相当のビデオコアを内蔵して1万円強という価格は魅力的。安価なAthlon用オールインワンマザーボードとして注目を集めそうだ。なお、サンプル品はバルク版で入荷。製品版がバルク版となる可能性もあるという。
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