“1Giga Pro”と名付けられたEBGAパッケージのCPUをオンボードで搭載するマザーボードがアキバに登場した。パッケージのないバルク版でデビューしたこのMicroATXマザーボードは「M787RL」でPCCHIPS製。PCCHIPSのウェブサイトには「M787CLR」とあるが、1万3980円で販売を開始しているOVERTOPではM787RLとしている。
気になるのはこの1Giga ProなるナゾのCPUだが、VIAによるとこれは「VIA C3のOEM製品」とのこと。実際にM787RLのマニュアルを見てみると“Built-in VIA C3 Samuel2 1Giga Pro CPU”となっており、どうやらSamuel2コア版のC3のようだ。実際に起動して確認したOVERTOPによると実クロックは733MHz。“1Giga”という名前が紛らわしいが、正体は16日から展示の始まったVIA純正のC3オンボードマザーボードが搭載するFSB 133MHzのC3-733MHzとほぼ、あるいはまったく同じものと判断していいだろう。つまり、C3オンボードのマザーボードが販売された例としては昨年C3 E-Series-667MHzを搭載して登場したNexcom製マザーボードに続く第2弾ということになる。
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マニュアルに記載された“Built-in VIA C3 Samuel2 1Giga Pro CPU”の文字 | | ヒートシンクは「ない」と言っても過言ではないほど薄い。低発熱を伺わせるこのクーラーもC3らしい |
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“VT133”ことApollo PLE133。ちなみに3DMark 2000のリザルトは678だった |
チップセットはビデオ統合型のApollo PLE133。North Bridgeに貼られたヒートシンク上には“VT133”という、VIAのラインナップにないチップセットと思われる表記があるが、実際にOVERTOPの協力でWindows上から確認したところ、North BridgeはPLE133の“VT8601”となっていた。参考までにOVERTOPが実際にテストした結果を記すと、PC133 SDRAM 256MB(CL=2)とMaxtor製の回転数7200rpm HDD「51536U3」を用いて「3DMark 2001」を走らせたところ、リザルト158というトンデモない数字が出た。PLE133が内蔵するTrident Blade3Dは決して速いビデオ機能ではないが、それにしても圧倒的な遅さ。基本的にはオフィスユースやファイル/ネットワークサーバが主用途になるだろう。
なお、South BridgeはUltra ATA/100に対応する“VT82C686B”。拡張スロットはPCI×2、PCI/ISA×1、AMR×1でDIMMスロットは2本(最大1GB)。オンボードでAC'97サウンドコーデック、Realtek製のネットワークコントローラを搭載するほか、AMR接続のソフトウェアモデムカードを同梱しているのも特徴。あとはメモリとHDDさえ用意してしまえばネットワーク機能を装備するPCが完成する計算になる。
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South Bridge“VT82C686B” | | 同梱のAMRモデム。モデムケーブルも付属する |
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