i845チップセット搭載マザーボードがフライングで登場した時を思い起こさせる、i845Dマザーボードのデビューラッシュ。続々と入荷してくる新製品をどう陳列しようか、旧製品をどう処分しようか頭を抱えるショップが現れているのも以前とまったく同じ。そんなニューカマーたちを順に紹介していこう。
システムバス1GHzにPC2700サポート?! 衝撃の「BD7-133R」
まずは、衝撃のスペックを誇るAbit「BD7-133R」。同製品はi845Dマザーボードとしてだけではなく、またPentium 4用マザーボードとしても“珠緒マザー”「AX4BS Pro」の992MHzを超える、Quad Pumpによるシステムバスクロック1GHz(FSB 250MHz)という前人未踏の設定が可能なのが最大の特徴だ。もちろんFSB 250MHzで動作するわけではないのだが、Abit独自のオーバークロック機能“SoftMenuIII”がサポートする細かなVCoreやDIMMスロット供給電圧設定により、極限までCPUの性能を引き出したい人には魅力的に映るだろう。
FSB 250MHzまでの設定をうたうマニュアル |
PC2700対応をうたうペーパー |
しかも、ただオーバークロックできるのではない。BD7-133Rは、SoftMenuIIIでFSBを133MHzまでクロックアップした際にPC2700 DDR SDRAMをサポートするということがマニュアルにうたわれている。i845DにおいてメモリクロックはFSB×1.33となっているため、FSB 133MHzを設定できるマザーボードはすべてPC2700 DDR SDRAM対応と言えなくもないが、ノイズの問題などがあるため正式にうたうには技術的な裏付けが必要だと考えるに、相当な自信があるのだろう。なお、133MHz×1.33=177MHz(DDR 354MHz)なので、実際にはPC2700 DDR SDRAMの166MHz(DDR 333MHz)よりも若干転送レートは高くなり、“PC2800”程度となる。
この設定によりCPU FSBを100MHzから133MHzにすると、CPUクロックは必然的に33%上がってしまうため、1.5GHzのPentium 4は約2GHzとなってしまう。このためPC2700対応のメモリを使用しても、動作するかどうかはなかなか難しいといったところだろう。ただし、i845DはFSB 133MHz(システムバスクロック533MHz)となる、来年中頃に登場すると言われるPentium 4を視野に入れて開発されたという噂もあり、だとするとこれはオーバークロック設定というより、将来を見越した“仕様”ということになるかもしれない。
拡張スロットはAGP×1、PCI×6、CNR×1。DDR SDRAM専用のDIMMスロットは2本だが、i845Dはもともと4バンク構成のため、2バンクのメモリを2枚差せば3枚目は増設できない。現在512MBのメモリモジュールが登場しているのを考えると、理にかなった本数だとも言えるだろう。このほかオンボードではHighPoint製のUltra ATA/133対応IDE RAIDコントローラと、AC'97サウンドコーデックを搭載している。
お馴染みのDualBIOSを搭載したGigabyte「GA-8IRX」
Gigabyteからは「GA-8IRX」が登場している。同社独自のBIOS保護機能“DualBIOS”を搭載し、Creative製のサウンドチップを搭載するあたりは“いつものGigabyte製品”といったところだ。拡張スロット構成はAGP×1、PCI×6、CNR×1で、DDR SDRAM専用のDIMMスロットは3本。前述したように、i845Dのメモリサポートは合計4バンクまでに制限されるため、3つのスロット全てにメモリを増設したいと考えている場合は、組み合わせについては日本語で詳しく説明してあるマニュアルを参照するといい。
なお、その詳しいマニュアルだが、オーバークロックに関する部分に関しては残念ながら詳しくない。FSBやVCoreの設定はできるようだが、マニュアルは「Gigabyteのウェブサイトからダウンロードできるオンラインマニュアルを参照のこと」とそっけない。しかも、i845Dチップセットが公式には発表されていない現在、Gigabyteのウェブサイトに同製品の情報はいっさいないため、オーバークロックに関する機能は不明のままだ。