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ケーブル・アンド・ワイヤレスIDC、市内通信サービスに参入――首都圏の法人向けに光ファイバーネットワークを提供

2001年12月04日 21時43分更新

文● 編集部 中西祥智

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ケーブル・アンド・ワイヤレスIDC(株)は3日、光ファイバーネットワーク“CAN(Customer Access Network)”を設置し、首都圏の法人顧客向けに市内通信サービスを、12月から提供すると発表した。

“CAN”
“CAN”のネットワーク構成図

同社は従来より、法人向けに国際通信サービスや長距離市外通信サービスを提供してきた。しかし、同社の提供する長距離サービスより先の市内通信は、東日本電信電話(株)の提供するサービスに依存していた。今回同社は、NTT東日本や他の通信事業者のダークファイバーを借り、また一部は自社で敷設して、企業の建物間を接続して市内通信に参入する。同社では、「NTT東日本、東京通信ネットワーク(株)に次ぐ、第3の市内アクセス回線提供事業者」だとしている。

CANは、SONET/SDH(※1)による、3つのリングと約10のサブリングで構成する光ファイバーネットワーク(MAN:Metropolitan Area Network)上に複数設置した同社の市内拠点から、顧客までのアクセス回線を提供する。インターネットには、MANにつながる同社の通信センターから接続する。

※1 光ファイバーの通信規格。北米で標準規格となったSONET(Synchronous Optical NETwork)を“ITU-T(国際電気通信連合)”が標準化したのがSDH(Synchronous Digital Hierarchy)で、技術的にはほぼ同じため、一般にSONET/SDHと続けて表記する。

今回提供するサービスは、高速Ethernetサービスと高速専用線サービス、高速インターネットサービス、および電話サービスの4種類。

高速Ethernetサービスは、都内のCANにおいてVLANとして利用できるEthernet回線を提供する。提供する通信速度は、2Mbps刻みで2Mbpsから10Mbpsまで、10Mbps刻みで10Mbpsから100Mbpsまでと1Gbps(1Gbpsは順次提供予定)。料金は2拠点間の2Mbps通信サービスで月額16万円から。

高速専用線サービスでは、1.5Mbpsから150Mbpsまでの通信速度の回線を提供する。都内および横浜両方のCAN内で利用可能。月額料金は1.5Mbpsが6万6000円で、今後は600Mbpsおよび1.2Gbpsでの通信が可能なサービスも提供する予定。

CANのネットワークの概念図
CANのネットワークの概念図。MAN上に複数の市内POP(拠点)を設置する

そのほかに、月額18万円で1.5Mbpsの高速専用線経由のインターネットアクセスを提供するサービスや、月額60万円で10Mbpsの高速Ethernet回線経由のインターネットアクセスサービス、3分5.5円の電話サービスなども提供する。

サービス提供範囲は、東京23区中12区と横浜市の一部。同社によると、都内の大手法人の約90%をカバーできるという。運用開始時期は、12月1日に横浜市、12月中旬に千代田区と品川区の一部、その後段階的に範囲を拡大し、2002年9月には完成する予定。今回のCANの販売状況によって、今後サービス提供範囲を拡大するかどうかを決めるという。

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