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DiMAGE Scan EliteII

DiMAGE Scan EliteII

2001年11月28日 17時41分更新

文● アスキーPC Explorer編集部・山崎 敦

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生産性の高さで群を抜く使い勝手の良さが魅力

未露光のポジフィルムをスキャンしてマルチサンプルによる効果を比較してみた。左からマルチサンプルオフ(1回)、2回、4回、8回、16回のデータ。差が分かりやすいようにガンマを2.2に設定し300%拡大している。サンプル回数が増えるにしたがってノイズ軽減の効果が大きくなり、中央部にあるフィルム上のゴミがくっきりしてくるのが分かるだろう。ただしそれだけスキャン時間も大きくなる点に注意。

 さて実際のスキャン結果だが、2820dpiでの取り込みが可能なのでインクジェットプリンタでA4サイズ全面に出力してもドットが目立つようなことのない十分なクオリティの画像が得られる。また16bit A/Dコンバータを採用するので、ダイナミックレンジが広く階調表現も豊かな印象だ。カラーマッチングを使用しない状態では若干マゼンタがかぶるのが気になるが、カラーマッチング機能を利用すれば正常な色みでスキャンでき、さらに詳細な画像補正機能も備えるので大きな問題ではない。



スキャンサンプル1。フィルムは富士写真フイルムのプロビア 100F(RDPIII)。スキャン設定はカラーポジでのAEおよびAFをオン、カラーマッチングでsRGBを選択し、Digital ICEをオンにしたほかは初期設定のままスキャンした8bit出力のデータ。35mmフィルムフォルダのスキャン可能領域全体を2820dpiでスキャンした画像(4032×2688ドット)を600×400ドットにリサイズしている。コントラストが大きい画像ではあるが、8bit出力でも暗部の階調は良好に再現されている。ただし、ポジ上では軒先裏のディティールなどはもう少しはっきり確認できる。
スキャンサンプル2。フィルムは富士写真フイルムのアスティア(RAP)。スキャン設定はサンプル1と同様で、2688×4032ドットの元画像を400×600ドットにリサイズしている。色の偏りがなく階調もきれいに再現されており良好なスキャン結果となっている。
サンプル1のスキャンデータの一部を400×600ドットにトリミングしたもの。4000dpiクラスのスキャナのようにフィルムの粒子が気になるほどの解像感はないが、細部まできちんとスキャンされており肌の質感もきれいに表現されている。ノイズや色の濁りも感じられない。

 USBとIEEE1394接続時のスキャンスピードの差を、CPUにPentiumIII-550MHz、メモリを512MB搭載し、Windows XP Professionalをインストールしたマシンで比べてみた結果を以下に表で示す。IEEE1394インターフェイスにはロジテックの「LHA-1394L」(PCIカード)を使用している。いずれのスキャンも35mmフィルムホルダを使用し、プレビューと本スキャン時はイジェクトしたホルダを挿入開始位置にセットし1コマ目の画像をスキャンし終えるまでの時間を計測している。また本スキャンは8bit出力で入出力解像度は2820dpi、画像はトリミングせずフルサイズ(4032×2688ドット)出力を行っている。

USBとIEEE1394接続時のスキャンスピードの差
インターフェイス USB1.1 IEEE1394
インデックススキャン
高速 48秒 44秒
高画質 1分41秒 1分31秒
プレビュー
AFオフ 9秒 7秒
AFオン 47秒 37秒
本スキャン
AFオフ 1分6秒 51秒
AFオン 2分10秒 1分21秒
AF+AE 2分38秒 1分37秒20
AF+AE+Digital ICE 3分56秒 2分29秒56

 インデックススキャンではそれほど差はないが、さすがにデータサイズが大きくなる(約62MB)本スキャンではIEEE1394にアドバンテージがある。高解像度画像を取り込む頻度が高いなら、ぜひIEEE1394インターフェイスを用意しておきたい。ちなみにウォームアップはいずれのインターフェイスでも45秒で終了し、スキャン可能な状態になった。

 同価格帯(10万円前後)の35mm/APSフィルム対応スキャナにはキヤノンの「CanoScan FS4000US」やニコンの「COOLSCAN IV ED」など強力なライバルが揃っている。いずれもゴミ/キズ除去機能を備え詳細な画像補正機能を備えるなどの共通点を持つが、16bit入出力に対応しIEEE1394インターフェイスを備え、マルチサンプルスキャンが行えるなど、DiMAGE Scan EliteIIはワンランク上の製品と同等の機能を備えている。
 最高スキャン解像度が2820dpiと、COOLSCAN IV EDの2900dpiやCanoScan FS4000USの4000dpiには劣るが、35mmフィルムをよほど小さくトリミングするのでもなければ、ホームユースで一般的な用途であるインクジェットプリンタでのA4サイズ出力には問題のないスペックである。また、3機種を使い比べてみた印象では、DiMAGE Scan EliteIIのスキャンユーティリティが最も簡単に思いどおりの画像補正を行えた。個人的な好みにも左右されるが、DS Elite2 Utilityのカラーマッチングと画像補正機能は非常に使い勝手がよく、ユーザーがカスタマイズ可能なジョブ保存機能を活用すれば、手軽に大量の画像をスキャンできる。
 最高解像度ではCanoScan FS4000 USに一歩譲るものの、4000dpiでのスキャン能力が絶対に必要というわけでなければ、DiMAGE Scan EliteIIを強くお勧めする。

DiMAGE Scan EliteIIおよびライバル機種の主な仕様
製品名 DiMAGE Scan EliteII CanoScan FS4000US COOLSCAN IV ED
撮像素子 リニアCCDラインセンサ
最大解像度 2820dpi 4000dpi 2900dpi
階調表現力 入力16bit、出力8/16bit 入力14bit、出力8/14bit 入力12bit、出力8/16bit
インターフェイス USB1.1、IEEE1394 USB1.1、SCSI-2 USB1.1
本体サイズ 145(W)×325(D)×100(H)mm 92(W)×368(D)×144(H)mm 93(W)×315(D)×169(H)mm
重量 約1.5kg 約2.4kg 約3kg
対応OS Windows 98/Me/2000/XP、Mac OS 8.6~9.2.1 Windows 98/Me/2000、Mac OS 8.6~9.1 Window 98 SE/Me/2000、Mac OS 8.6以降

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