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ボーランド、『JBuilder 6』『Kylix 2』など次期主力製品群を一斉発表

2001年11月13日 19時42分更新

文● 編集部 桑本美鈴

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ボーランド(株)は13日、都内で“Borland Conference 2001 Tokyo”を開催し、Java開発ツールの最新版『Borland JBuilder 6』日本語版、アプリケーションサーバー『Borland Enterprise Server』、Linux用ビジュアル開発環境の最新版『Borland Kylix 2』日本語版といった次期主力製品群を一斉に発表した。

JBuilder6Java開発ツールの最新版『Borland JBuilder 6』日本語版のパッケージ

J2EE 1.3に対応した『JBuilder 6』

『Borland JBuilder 6』は、J2EE(Java 2 Enterprise Edition) 1.3に対応したビジネスロジックのビジュアル開発機能を搭載している。“EJBデザイナ”機能により、EJB(Enterprise JavaBeans) 2.0仕様に準拠した“セッションBean”“エンティティBean”“メッセージドリブンBean”を視覚的に構築できる。また、JavaソースコードをUMLモデルとして視覚的に表示できるため、プラグラム構造を容易に理解できるようになるという。

アプリケーションサーバー製品への対応も強化され、『Borland Enterprise Server』(後述)、『Borland AppServer 4.5』、『BEA WebLogic 5.1』『同 6.x』、『IBM WebSphere 3.5』『同 4.0』、『iPlanet Application Server 6.0』をサポートする。

また、Javaプログラム中のクラスやメソッド、フィールド、パッケージなどの名称変更を効率的に行なえる“コードリファクタリング機構”を搭載しており、任意のソースコードやUMLダイアグラム上である要素の名称を変更した場合、その変更に伴うクラスやパッケージの移動、依存関係のチェックなどを自動的に行なえる。

そのほか、プラグラムのテストを自動で行なえるユニットテストのフレームワークが開発環境に統合されており、開発環境内でユニットテストのテストケースを記述、実行でき、テスト結果を解析することも可能。

『Borland JBuilder 6』の製品ラインナップは、大規模な企業情報システム構築向けの『Borland JBuilder 6 Enterprise』、ウェブアプリケーション構築向けの『Borland JBuilder 6 Professional』、Java学習用の『Borland JBuilder 6 Personal』の3製品。対応OSは、Windows 98/2000/NT4.0、Red Hat Linux 6.2、Solaris 7/8。

『Borland JBuilder 6 Enterprise』は12月21日発売で、価格は36万円。『Borland JBuilder 6 Professional』も12月21日発売で、価格は6万8000円。『Borland JBuilder 6 Personal』は2002年1月中旬より同社ウェブサイトにて無償ダウンロード提供される。ただしPersonalは商用開発には使用できない。

分散アーキテクチャーを基盤とした『Borland Enterprise Server』

『Borland Enterprise Server』は、既存製品『Borland AppServer』『Borland VisiBroker』の後継となるアプリケーションサーバー製品で、同社の分散アーキテクチャーを基盤とした運用プラットフォームは、Borland Enterprise Serverファミリーに統合されることになる。

BESアプリケーションサーバー『Borland Enterprise Server』のパッケージ

J2EE 1.3仕様に準拠しており、EJB 2.0の実行をサポートする。また、Apache 1.3およびTomcat Webコンテナ 4.0をベースに、分散アーキテクチャーに対応したウェブサーバー『Borland Web Server』を搭載し、Servlet 2.3やJSP 1.2を用いたウェブアプリケーションを構築できる。また、ORBエンジンには『Borland VisiBroker』を採用している。

また、“パーティショニング”技術を採用し、1サーバー内にいくつかのパーティションを作成して、複数の仮想サーバーを稼動させることが可能。アプリケーションはパーティションごとに独立して動作する。なお、リモートサーバーやタスクの管理、アプリケーションの配布などを行なえる“ビジュアル管理コンソール”を搭載しており、パーティションはこのビジュアル管理コンソールで作成/管理できる。

『Borland Enterprise Server』の製品ラインナップは、ウェブアプリケーション運用プラットフォーム『Borland Enterprise Server Web Edition』、分散アプリケーションプラットフォーム『Borland Enterprise Server VisiBroker Edition』、エンタープライズアプリケーションサーバー『Borland Enterprise Server AppServer Edition』の3製品。対応OSは、Windows 2000/NT4.0、Red Hat 7.1、Solaris 7/8。

発売日はいずれも12月21日。『Borland Enterprise Server Web Edition』の開発ライセンスは『JBuilder 6 Professional』にバンドルされるほか、同社ウェブサイトより無償ダウンロード提供される。運用ライセンスのパッケージ価格は6万8000円。『Borland Enterprise Server VisiBroker Edition』の開発ライセンスは20万円、運用ライセンスは60万円。『Borland Enterprise Server AppServer Edition』の開発ライセンスは20万円、運用ライセンスは150万円。

Linux対応ビジュアル開発環境の最新版『Kylix 2』

『Borland Kylix 2』は、Linux対応ビジュアル開発ツールの最新版。ウェブサービスを利用するためのウィザード機能や、既存/新規アプリケーションをウェブサービスに対応させるための機能を提供する“BizSnap”、Apache対応のウェブアプリケーションをコンポーネントベースで開発できる“WebSnap”などを搭載する。WebSnapでは、ユーザーログインやデータ表示/編集機能をウェブアプリケーションに実装することも可能。

Kylix2Linux用ビジュアル開発環境の最新版『Borland Kylix 2』日本語版のパッケージ

また、SOAPなどの接続技術を用いて、OracleやDB2、Informix、MySQL、InterBaseなどのデータベースと接続可能な多層分散システムの構築を支援する“DataSnap”も備えている。そのほか、VisiBrokerを統合し、CORBAサーバーやクライアントを作成できるウィザード機能を搭載する。

製品ラインナップは、業務システム開発者向けの『Kylix 2 Enterprise』、デスクトップアプリケーション開発者向けの『Kylix 2 Professional』、GPLベースのオープンソースプロジェクト開発者向けの『Kylix 2 Open Edition』の3製品。動作に必要なLinuxの条件は、カーネル 2.2以降、glibc 2.1.2以降、libjpeg 6.2以降、X11R6互換のターミナルサーバー。

『Kylix 2 Enterprise』は12月12日発売で、価格は24万円、『Kylix 2 Professional』は12月12日発売で、価格は6万8000円、『Kylix 2 Open Edition』は12月中旬より無償ダウンロード提供される。

本日行なわれた記者発表会で、同社代表取締役社長の安藤由男氏は、「Javaはインターネットアプリケーション構築のためのプラットフォームとして浸透している。ボーランドのミッションは、E-ビジネス実現のためのハイパフォーマンスで生産性の高いプラットフォームを提供すること。JBuilder 6により複雑なE-ビジネスシステム構築を簡素化できる。また、E-ビジネスのインフラとしてBorland Enterprise Serverを提供する」

「さらに、J2EEによるシステム構築を支援する“プロフェッショナルサービス”も提供、コンサルティングやトレーニング、実装支援サービスなどを展開する。ボーランドはJavaのワンストップソリューションカンパニーであり、今後もオープンスタンダードにフォーカスを当て、戦略的なプラットフォームのサポートと統合を推進する」と語った。

安藤社長
ボーランド安藤社長

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