VIAのPentium 4用チップセット“Apollo P4X266”を巡るIntelとVIAの係争はすでに数カ国では法廷に持ち込まれている。一方、国内ではApollo P4X266マザーボードがいくつか発売となっているものの、蓋を開けてみるとShuttle以外はブランド名を隠しての登場と、なかなかスッキリしないのが現状だ。ショップも思い切って販売できないため、一部のマニアへ行き渡った後は売れ行きも伸び悩んでいる。
VIA純正のApollo P4X266マザーボード「P4X266-PE11-S」 |
そんなスッキリしない状況を打破するためVIAのとった対策が“純正マザーボードの発売”だ。筆者の知る限り、これまでVIAはかたくなにチップセットベンダであり続け、自身では純正マザーボードを販売してこなかった。だが“Intelとの関係を崩したくない大手マザーボードベンダにApollo P4X266チップセットがいっさい採用されなかった”という現実を突きつけられては、自ら動くという苦肉の策を採用せざるを得なかったのだろう。Apollo P4X266マザーボードやシステムを販売するために今回設けられた「VPSD」(VIA Platform Solutions Division)という新部門からは、「純正マザーボードの発売はあくまでApollo P4X266チップセットを売るためのものである」とマザーボードベンダに弁明するVIAの姿が垣間見える。
リビジョンはA。A=1.0なのだろうか |
そんなVIA初の純正マザーボード「P4X266-PE11-S」は、VIAのロゴやApollo P4X266チップセットのロゴがあしらわれるパッケージに入った、いかにも純正らしいシンプルなデザインが特徴のマザーボードだ。North/South BridgeはV-Linkの266MHzバスで結ばれた“VT8753”と“VT8233”という構成で、最大3GBのアンバッファードDDR SDRAMを搭載できるDDR SDRAM専用DIMMスロットを3本配している。拡張スロットはAGP×1、PCI×5。オンボードではAC'97サウンドコーデックを搭載するのみとなっている。なお、電源は20ピンのATXコネクタと、4ピンのATX12Vコネクタから供給する。
もちろん純正品だけに、オーバークロックに関する機能はいっさいないもよう。P4X266マザーボードで安定動作を望みたい人やしっかりとしたメーカー保証が欲しい向け、ということになりそうだ。
展示は3日(土)から、TWOTOP 1号店とフェイスで行われる予定。両店とも来週中の入荷を予告しており、予価は1万5800円(TWOTOP 1号店)という。なお、VIAによれば、Realtek製のネットワークコントローラを搭載するモデル「P4X266-PE11-L」もラインナップにはあるようだ。