このページの本文へ

前へ 1 2 次へ

GoLive 5.0

GoLive 5.0

2001年10月04日 22時53分更新

文● 及川晴生

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

イン/アウトリンクパレット
同一サイト内のリンク構造をグラフィカルに見られる「イン/アウトリンク」パレット。左側に表示されているのが、そのページをリンクしているHTML、右側がそのページからリンクされているHTMLになる。
 プロフェッショナルユースにも耐えるWebサイト構築アプリケーションでは、こうしたページデザイン用の機能だけでなく、サイトデザインが容易に行えるツールの搭載も重要だ。いくらページデザインが格好よくても、各々のページへ移動するナビゲーションの部分に一貫性がなく、目的のページにたどり着きにくければ当然よいWebページとは言えない。
 そこで、各ページの相関関係をグラフィカルにまとめる機能が重要になってくる。GoLive 5.0では相関関係を調べるために新たに「イン/アウトリンク」パレットが追加されており、特定のページからリンクしているページがグラフィカルに表示される。Webサイトを構築するに当たって、全体の階層を考えるのは定石だが、そのためのツールとしてもGoLiveは実に有効だ。



「360Code」によってアプリケーション連携を強化

パレット類
GoLive 5.0の主要なパレット類。特にページデザインを行っているときは、メニューではなくこのパレットから操作することが多い。なお、ひとつのウィンドウにいくつかのタブが並べられているが、タブをドラッグすることで別ウィンドウとして表示することもできる。
 では、Ver.5.0から搭載されたそのほかの新機能も見てみよう。まず大きいのが「360Code」機能の搭載だ。これは読み込んだHTMLソースを一切変更せずに、ユーザーが編集可能な状態にするというもの。これまでのWebサイト構築ソフトでは読み込んだHTMLの中にそのアプリケーションが対応していない形式の記述があった場合、その部分をアプリケーション側で自動的に書き換えてしまうといったことがよくあった。しかしGoLive 5.0ではこうした場合でもソースをまったく変更せず、その部分には手を加えないので、後からの編集/加工を容易にしてくれる。
 この機能が搭載されたことでとくにメリットを受けるのは、複数の人間でWebページを構築しているような場面だろう。Webサイトの制作に関わるすべての人が同じアプリを使っていれば問題はないが、担当者によってある人はGoLiveを使い、別の人はテキストエディタを使って、ということも十分考えられる。こうしたときでも、もしコードがアプリケーションによって自動的に(勝手に)書き換えられると、テキストエディタで編集した部分が失われてしまうということも考えられる。しかし360Codeによって読み込んだソースが保護されるGoLiveであれば、こうした不安を抱くことなく複数のユーザーがHTML作成に専念できる。

 また、GoLiveを使ってWebページを制作していく場面では、「トレーシングイメージ」機能や「ヒストリーパレット」の追加が大きい。トレーシングイメージ機能とは、読み込んだ画像を下書きとして使うことができるもので、いきなりゼロからWebページを作り始めるのではなく、グラフィックソフトでページの大まかなラフイメージを作成しておき、それを下書きとして読み込んでオブジェクトを配置したりフレームを分けたりと、デザインできるわけだ。
 ヒストリーパレットは、より強化されたアンドゥ/リドゥ機能と言えるだろう。このパレットを開くと、オブジェクトのドロップやサイズ・色の変更、文字の入力などといった操作の履歴がリストアップされる。このリストをクリックすると、その時点まで編集作業を遡ることができる。

 PhotoshopやIllustratorといった、ほかのアドビ製品のユーザーなら、これらのファイルを直接GoLiveから読み込むことが可能になったのも嬉しいポイントだろう。Photoshopの独自ファイル形式である「PSD」ファイルならば、Photoshopを立ち上げることなくサイズ変更が行えるなど、単に読み込める以上の統合環境を実現している。さらに、Illustratorの最新版である9.0ではXMLをベースとしたベクトルグラフィックフォーマット「SVG(Scalable Vector Graphics)」ファイルの書き出しをサポートしているが、GoLiveでも5.0からSVGに対応し、ドキュメント上に簡単に貼り付けられる。



XMLファイルのサポート
XMLファイルの読み込みもサポートした。XMLファイルを読み込むと、レイアウトエディタタブはXMLの文書構造をツリー形式で表示する。なお、評価および画面撮影はすべてβ版で行っている。
 最近、商取引をWebページを使って行う「eコマース」が世間を賑わせているが、こうしたWebサイトの構築に当たって重要になるのは、常に最新の情報に更新していくこと。たとえば実際のショップ(店頭)と同じものがWebサイトで購入できる仕組みを作ろうすると、何らかの方法でショップに置かれているものとWebページに掲載している情報を常にシンクロする必要がある。そこでGoLive 5.0では、ODBC経由でデータベースとWebサイトの連携を行う「ダイナミックリンク for ASP」を搭載した。これを利用することで、特別にソースを用意することなく、業務上で使われているデータベースから自動的にデータを読み出し、必要な情報を掲載していくことが可能になる。たとえば、データベースに新製品の情報を登録すると、それが自動的に反映されたHTMLを生成できる、という具合だ。

 強力な「サイトレポート」機能にも注目したい。これを使うことで、「トップページからクリックする数が2回以内のページを探し出す」、「56kbpsで5秒以上のダウンロード時間を要するページ」などといったユーザーの立場になっての条件を指定してページを検索できる。サイトの使い勝手の良さを判断する材料として大いに活躍する機能だろう。

 CSS Level2の完全サポートやXHTMLへの対応、さらにはiモード向けモジュールの搭載など、最新のテクノロジーにもきちんと対応しており、以前からのユーザーには見逃せないバージョンアップとなっている。だが、何より嬉しいのは360Code機能の搭載だ。これによって、大まかなデザインをまずGoLive 5.0で行い、その後使い慣れたテキストエディタを使って文章などを入力、細かい整形を施した後、最後にGoLiveで開いてデザインの調整やチェックを行うといった、複数のアプリケーション間でHTMLの連携編集が実現されたのは大きい。なお、アドビは「GoLive GO!キャンペーン」と称して、GoLive 5.0を2万本限り1万8000円で販売する。導入を考えているならぜひチェックしたい。


製品名 GoLive 5.0
価格 3万9800円(限定2万本を1万8000円で発売中)
発売元 アドビシステムズ(株)
連絡先 03-5350-0407
URL http://www.adobe.co.jp/
対応OS Windows 98/NT 4.0+SP4/2000、Mac OS 8.6/9.0日本語版

前へ 1 2 次へ

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン