インターネット上の博覧会“インパク―楽網楽座”の第2四半期賞の表彰式が31日、総務省大臣官房 新千年紀記念行事推進室の主催で開催された。
インパク第2四半期表彰式の記念撮影。前列中央が竹中平蔵新千年紀記念行事担当大臣 |
第2四半期賞は、4月1日から6月30日の期間内で、インパクに参加しているパビリオンの中から、優れたものを審査委員が選考して表彰するもの。
今回、新千年紀記念行事担当大臣賞を受賞したのは、国土交通省中部地方整備局沼津工事事務所の“狩野川総合情報オフィシャルサイト”だった。
“狩野川総合情報オフィシャルサイト” |
“狩野川総合情報オフィシャルサイト”は、沼津工事事務所が管理する狩野川について、さまざまな情報を提供する。また、狩野川には柿田川という川が流れ込んでおり、環境庁の“名水百選”にも選ばれているその柿田川にウェブカメラを1台設置して、24時間川の中の映像を配信している(※1)。
※1 ただし、夜間は何も見えない。これは、生態系に影響を与えないよう、照明などは使用していないため。国土交通省中部地方整備局沼津工事事務所の清水裕氏 |
国土交通省中部地方整備局沼津工事事務所の清水裕氏は、狩野川および柿田川流域の環境保護を、NPO“柿田川みどりのトラスト”などと協力して行なっていることを挙げ、「地域住民やNPOと協力してやっていくのが、今後の行政の方向性だ」と語った。そして、その第1ステップとして、“狩野川総合情報オフィシャルサイト”で狩野川・柿田川のことを知ってもらい、「人々に問題意識を持ってほしい」と述べた。
そのほかの賞を受賞したパビリオンを、以下列挙する。
新千年紀記念行事懇話会座長賞
- “J-PHONE SKY Pavilion”……J-フォングループ
- “もういちど東京をつくろう Mid-Tokyo Maps”……森ビル(株)
アクセス賞 IPアドレス部門
- 第1位 “NHKみんなのふれi塾”……日本放送協会
- 第2位 “地域文化のふれあい/妖精妖怪わいわいランド”……東日本電信電話(株)
- 第3位 “インターネットも、楽しくなければテレビじゃない! ―秘密倶楽部 o-daiba.com―”……(株)フジテレビジョン
- 第4位 “クルマ、夢と出逢いを語るもの”……トヨタ自動車(株)
- 第5位 “健康スポーツとスポーツコミュニティ”……ミズノ(株)
アクセス賞 バナーヒット部門
- 第1位 “クルマ、夢と出逢いを語るもの”……トヨタ自動車(株)
- 第2位 “私の見つけた音、風景、自然~伝わる、つながる、私の感動”……エヌ・ティ・ティ・ドコモグループ
- 第3位 “地域文化のふれあい/妖精妖怪わいわいランド”……東日本電信電話(株)
- 第4位 “J-PHONE SKY Pavilion”……J-フォングループ
- 第5位 “NHKみんなのふれi塾”……日本放送協会
分野賞
- エンターテンメント賞
- “e-Photo 日本を写そう”……富士写真フイルム(株)
- 社会貢献賞
- “人類博物館―500万年進化の旅”……埼玉県
- “トキ:共生の道はあるか”……創造衆「さろん・もん」
- “安田火災・エコクラシー(エコロジーな暮らしを考える)”……安田火災海上保険(株)
- デザイン賞
- “「源氏物語パビリオン」―語り継がれた一千年”……京都府
- アイデア賞
- “ようこそ、液晶世紀へ! 未来くんの20XX年”……シャープ(株)
- “1日1プリン”……ぷりん友の会
- “ドリーム・コミュニティ「D-City」―仮想都市での人と経済の活動シミュレーション”……大和証券グループ
- 技術賞
- “音の万華鏡”……(株)岐阜放送
- “ライフ アンド マネー”……第一生命保険相互会社
編集長賞
- 4月 栗山英樹編集長
- “アメリカ横断ウォーク2001”……(株)読売新聞社
- 5月 田口ランディ編集長
- “奈良発、研究の森―Q あんど A―”……「奈良発、研究の森」実行委員会
- 6月 中村勘九郎編集長
- “くいだおれ大阪どっとこむ”……大阪市
国際賞
- “アニメでエネルギーと環境を考える「アニメガス科学館」”……大阪ガス(株)
- “狩野川総合情報オフィシャルサイト”……国土交通省中部地方整備局沼津工事事務所
- “―コンピュータ・グラフィックスで巡る―古代文明都市 バーチャルトリップ”……大成建設(株)
- “ミレニアム俳句―松尾芭蕉の世界”……三重県
審査委員特別賞
- “σ(^○^)のイベントブースビルダー入門”……SIG建築ワンダーランド
- “もういちど東京をつくろう Mid-Tokyo Maps”……森ビル(株)
優秀投書・投画作品賞
- 高橋勝美さん“懐かしの木造校舎、そして廃校まで……”
優秀パビリオン賞
- “あなたが主役! 乃村工藝社ディスプレイの世界”……(株)乃村工藝社
- “「らしさ/マイ・ビューティを探そう」パビリオン”……らしさ・ドット・コム(株)
企業名・商品名を出すことは許可されなかった
荒俣宏インパク編集長は「これまで、インパクはつまらないと言われてきたが、最近になって変わってきた」と語る。荒俣氏によると、インパクの企画当初はいかにも「政府の、お役所のやるプロジェクト」という感じで、法律・規制でがんじがらめになっており、また前例にないことは一切行なえなかった。実際、最初はパビリオンに企業名・商品名を出すのは、一切許可しないというのが政府側の方針だったという。
荒俣宏インパク編集長 |
しかし、最近では自由参加のパビリオンにも優れたものが現われ、個人・民間側の努力が政府側の姿勢にも変化をもたらし、風通しがよくなってきたという。荒俣氏は「Flashを多用した、大企業の重い広告サイトばかりではつまらない。だが、インタラクティブなサイト、双方向なパビリオンが増えてくれば、もっと面白くなる」とし、残る5ヵ月でそういったパビリオンが増えてくれることを望むとした。
7月31日現在で、インパクに参加しているパビリオンの数は458サイト、そのうち自由参加パビリオンは252サイトに上る。
なぜかトキの着ぐるみが、受賞者席に平然と座っていた |
トキも受賞した。だが、決しておちゃらけたものではなく、“トキ:共生の道はあるか”というまじめなパビリオンの受賞だった |