内閣総理大臣官房新千年紀記念行事推進室は15日、2000年12月31日から2001年12月31日まで開催される新千年紀記念行事“インターネット博覧会”(以下、インパク)の開会イベントについて発表した。
左から、内閣総理大臣官房新千年紀記念行事推進室長の藤岡文七氏、内閣特別顧問の堺屋太一氏、新千年紀記念行事担当大臣の額賀 志郎氏、開会イベント総合プロデューサーの山本寛斎氏、開会イベントプロデューサーの島田精一氏、インパク編集部統括の白土謙二氏 |
インパクの開会イベントは、開会の行事“旅立ち”、世紀越え行事“祭り”、新年の行事“祈り”の3部構成で行なわれる。
開会の行事“旅立ち”は、日本国内で最も日の入りが遅い沖縄から、インパクの開会宣言を行なうもの。沖縄県那覇市奥武山陸上競技場および沖縄県与那国町西崎灯台を会場に、森首相が首相官邸からインターネット中継でインパク開会宣言を行ない、与那国島から日の入りの様子をインターネット配信する。日時は12月31日17時から20時30分まで。
世紀越え行事“祭り”は、日本標準時子午線(東経135度)に近い明石海峡付近で、世紀越えのカウントダウンを行なう。兵庫県明石市大蔵海岸を会場に、森首相が首相官邸からインターネット中継で2001年へのメッセージを伝え、カウントダウンに向けて明石海峡大橋が消灯、その後21世紀を迎えると花火や照明による光の演出が行なわれる。日時は12月31日23時55分から2001年1月1日0時10分まで。
新年の行事“祈り”は、21世紀最初の日本各地の日の出をインターネット中継する。銚子の犬吠埼、根室の納沙布岬、富士山、三重の二見が浦、京都、広島、沖縄の与那国の日の出をインターネットで中継、また日本国民2001人分の21世紀へのメッセージをホームページに掲載する。日時は2001年1月1日6時30分から7時35分まで。
開会イベントの総合プロデューサーは、デザイナーの山本寛斎氏。また音楽家の東儀秀樹氏が音楽プロデュースを行なっている。山本氏は、「今回はバーチャル空間を通してユーザーに感性をアピールできるかが課題。私は常に世界で初めての試みをしようと心がけているが、前長官より「今回は歴史に残るイベントを」と言われている。明石や沖縄のイベントは極めてユニークで元気なものになるだろう」としている。
また、インパクのホームページの概要が明らかにされた。トップページは、蜂の巣をモチーフにした画面で、さまざまなコーナーへのメインゲートの役割を果たしている。言語は日本語/英語/中国語/韓国語から選択可能。また携帯電話用のページもある。
インパクのトップページ画面。“情報バチ”が蜂の巣をモチーフにした画面を飛び回り、サイトを紹介してくれる |
コーナーは、サイトヘルプの役割を果たす“総合案内所”、インパクの世界を短時間で体験できる“インパクツアー”、インパク内の情報を随時掲載する“インパクニュース”、各パビリオンやインパク編集部が開催する各種イベントを紹介する“インパク中央広場”、会場マップと検索機能を提供する“インパクマップ”、一般ユーザーがインパクに参加するための情報を提供する“あなたも参加できる!”、インパク内のスケジュールを紹介する“週刊インパク情報”が用意されている。
また、メインゲート部分の企画/演出、構成などを行なうインパク編集長として、すでに決定している荒俣宏氏、糸井重里氏、八谷和彦氏、浜野保樹氏に加え、石井竜也氏(アーティスト)、栗山英樹氏(スポーツキャスター)、清水ちなみ氏(エッセイスト)、田口ランディ氏(作家)、中村勘九郎氏(歌舞伎俳優)、松井孝典氏(東京大学教授)が新たに発表された。
本日行なわれた発表会で、額賀新千年紀記念行事担当大臣は「ITを推進するためインパクは大きな役割を果たす。インパクを通じてインターネット技術に親しみを持ってもらい、国民が情報に接し、自身の意見を述べ、さらには自分の情報を発信していけるようにしたい。そうすることで自身の生活を楽しめるようになり、さらには経済発展につながっていく」と挨拶した。
また、前長官である堺屋内閣特別顧問は、「1年前にインパクを考えたとき以上の規模の大きさ、質の高さとなった。立派な準備ができたと思う。(通信費については)日本はインターネットを一般電話回線で利用するという誤った判断をしたために、通信料金が高くなってしまった。通信料を増やさなければ料金は下がらない。需要を拡大することで料金を急速に下げたい」と語った