新機軸のアプリ切り替え機能
「画面切替機能」を搭載
アプリケーション起動キーとは違った、新機軸の快適な操作感を提供してくれる「画面切替機能」用の切り替えボタン。ボタンを押すだけで、4つの仮想スクリーンを切り替えながらWindowsを使用できる。 |
タスクバーには複数のアプリが並んでいるが(=複数のアプリが起動した状態)、現在画面に表示されているのは「ペイント」のみ。これは、ほかのアプリを最小化しているのではなく、別の仮想スクリーンに置いている状態なのだ。画面右下のウィンドウはマウスカーソルで画面の切り替えを行うための操作ウィンドウ。 |
起動中のアプリの切り替えは、通常のWindowsの作法ではAltキー+Tabキーで行うところだが、A2(およびL2)では、各アプリをそれぞれ画面1~4のいずれかに表示しておけば、その番号の切り替えボタンを押すだけで目的のアプリ(が表示されている仮想スクリーン)を呼び出すことができる。なお、デスクトップのアイコン配置やデザイン設定とスタートボタンおよびタスクバー、タスクトレイ、クイック起動バーは4画面とも共通のものが表示される。デフォルトでは画面右下のタスクトレイ上部付近に、マウスカーソルでも画面切り替えが実行できるツールが常駐し、このツール上では仮想画面の選択のほか、各画面にバラバラに表示してあるアプリを現在表示している画面に「集合」させる機能も用意されている。
デュアルディスプレイ表示のように、本当に別々の4画面が表示されているわけではないので、右の画面から左の画面にファイルをドラッグ&ドロップして……というような使い方はできない。しかし、現在起動しているアプリを表示している仮想スクリーンを呼び出すだけなので、いちいちボタンにアプリを登録しておく必要がなく、常に特定のアプリしか起動できない「アプリ起動キー」とは大きく機能の異なる。使い方次第ではアプリ起動キーよりもずっと使い勝手が良いだろう。ただ、WordやExcel、Photoshopなどのような重いアプリを複数起動し、さらにそれぞれのソフト上でデータを作成/編集するとなると、メモリ使用量も多くなる。本機の搭載メモリは初期状態では64MBとそれほど多くないので、画面切替機能を有効活用した快適なWindows操作を行いたい、という場合にはメモリの増設が必須だ。
金属パンタグラフを利用したキーボードは、キーピッチ17mmで、ほどよい硬さのクリック感が心地いい。すべてのキーの大きさに無理がないため全体のキーが打ちやすく、タイピングからWindows操作まで比較的誰の手にもすぐに馴染むだろう。ポインティングデバイスはトラックパッド。 |
ポインティングデバイスは冒頭でも述べたようにトラックパッド(静電誘導式)。前モデルのA1シリーズのように、パッドに矢印やドットのプリントは施されてはいないが、ウィンドウのスクロール機能や、パッドの四隅をダブルタップしてアプリ起動/ウィンドウの最大化や最小化を行う機能はちゃんと装備されている(初期状態では、四隅のダブルタップ操作はオフになっている)。トラックパッドでのWindows操作になかなか馴染めない、という人も少なくないと思われるが、マウスカーソルの操作はともかく、ウィンドウスクロール機能や四隅のダブルタップによるアプリ起動、ウィンドウの操作などは、慣れれば慣れるほどWindowsの操作を効率化できるので、自分なりのカスタマイズも試しつつ、ぜひとも活用していきたい。
OSはWindows 2000 Professional。本機はこの秋に登場予定のマイクロソフトの次期OS、Windows XPへの有償アップグレード対象商品で、2001年5月19日~2002年1月31の期間中に本機を購入したユーザーは、7000円で「Windows XP Professional」のアップグレードキットを購入できる。キャンペーンの詳細は松下電器産業のWebサイトで確認していただきたい。なお、プリインストールソフトは、H”IN関連のユーティリティ(メーラ、オンラインサインアップツール、電波状況モニタ)と携帯電話のメモリ編集ソフト「Mobile Editor 2000」のほかには特になく、歴代のLet's noteシリーズと同様に、すっきりシンプルなソフト構成だ。
価格はオープンプライスで、実売価格は21万円前後になると予想される。Let's noteシリーズには、同じB5サイズでトラックボールを採用しているCF-B5FRがラインナップされているが、CF-B5FRが武骨ささえ感じさせるいかにも質実剛健、というイメージなのに対し、A2はこれに比べるとよりカジュアルなサブノートという印象だ。しかし、第一印象こそ違えど両機共に非常に高いレベルでまとめられた実用的なサブノートだ。選択のポイントはトラックボールの快適さと高いハードウェアスペックを取るかそれともよりワイヤレスインターネット接続や長時間バッテリ駆動といったモバイル性能の高さを取るか、といったところになるだろう。サイズは同じB5サイズだが、用途のベクトルは異なっているので、どちらをチョイスするか悩んだら、両機の特徴と自分の使用環境/目的とを照らし合わせてみよう。
CPU | 超低電圧版Mobile PentiumIII-600MHz |
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メモリ | 64MB |
液晶 | 11.3インチ |
解像度 | 1024×768ドット/フルカラー |
HDD | 20GB |
CD-ROM | - |
通信 | H”IN/モデム/LAN/携帯電話およびPHS |
サイズ | 255(W)×220.5(D)×24.7~31.5(H)mm |
重量 | 約1.4kg |
OS | Windows 2000 Professional |
Officeアプリ | - |