オモイカネ(株)から、4月3日に「Omoikane GNU/Linux 1.2」がリリースされたというニュースを先日お伝えしたが、9日、このリリースに際しての記者発表会が行なわれたのでお伝えする。
オモイカネ(株) 代表取締役社長 大熊 但由氏 |
事業方針の変更
オモイカネ(株)は、Debian GNU/Linux互換の「Omoikane GNU/Linux」の開発/販売を中心に、企業ユーザー向けのSI事業を展開してきた。今回、
- デスクトップ用Linuxの開発が日本で弱冠停滞傾向にある
- 新しいバージョンのソフトウェアの適用が回避傾向にある
- ディストリビューションの乱立が収束しつつある
などの点を考慮し、新しくエンドユーザー向けのサポートを開始したという。
ディストリビューション開発キット「Distribution Builder」、従来どおりのソースコードレベルまで対応したサポート、そしてエンドユーザー向けサポートを合わせて、商用サポートが不足しているDebian系のディストリビュータとして、どのレベルのユーザーの技術的要求にも対応できる体制が完成したというわけだ。
製品概要
「Omoikane GNU/Linux (OGL) 1.2」のラインナップは以下の5つ。
- WorkStation OGL 1.2……デスクトップ向け
- WorkStation++ OGL 1.2……デスクトップや開発向けに多くのパッケージを収録
- Server OGL 1.2……サーバ向け
- X-term OGL 1.2……簡単な設定でX端末ができるインストール不要のライブシステム
- Distribution Builder
この中で、WorkStation、Server、X-termはFTPサイトや雑誌の付録などで積極的に配布を行なっていくが、 WorkStation++は行なわれない。これは、WorkStation++がソースCDとバイナリCDの2枚組であるため。ソースコードにアクセスするユーザーを大切にしたいというオモイカネ(株)としては、2枚組を配布して、バイナリばかりが一人歩きするのを避けたかったという。
特長は前回お伝えしたとおりであるが、発表会ではとりわけ「Mozilla 0.8.1」をデフォルトブラウザに採用したことを強調していた。動作が重いという声も聞かれる「Mozilla」であるが、カスタマイズによって解消され、レンダリング能力も向上したという。
製品のロードマップ
オモイカネ(株)では「カーネル」、「glibc」、「X」が変わる時をメジャーバージョンアップ、それ以外をマイナーバージョンアップと位置づけている。次回のメジャーバージョンアップは、2001年第3四半期の「Omoikane GNU/Linux2.0」。こちらはカーネル2.4、XFree86 4.0/X-TTの採用や、完全なUSB対応を実現する予定だという。マイナーバージョンアップは2001年第4四半期リリース予定の「Omoikane GNU/Linux2.1」。パッケージとしての販売も計画中だという。