Outlookは、電子メール機能を充実させてOutlookウィンドウ内でのHotmail対応や、MSN Messengerとの統合を行ない、コミュニケーションツールとしての機能をパワーアップさせる一方、グループスケジュールの使い勝手も向上させた。
使いやすくなった電子メール機能
Hotmailのサポート
Outlookウィンドウ内から直接Hotmailやインターネットメールプロバイダの電子メールにアクセスできるようになった。それぞれのアカウントごとに、受信トレイ、送信トレイ、削除済みアイテム、送信済みアイテムのフォルダが設けられるので、複数メールアカウントを利用しているユーザーにとって、フォルダを整理するのに便利だろう。
アカウントを追加設定するだけで、アカウント別の受信トレイ、送信トレイ、削除済みアイテム、送信済みアイテムが作成される。Hotmailの場合は、メッセージ一覧の場所がHotmailに切り替わる。 |
プレビュー表示でメール内容を把握可能
ビューをプレビュー表示にすると、メッセージ一覧の各件名の下にメール内容が数行表示されるので、わざわざ開かなくても大体の内容を把握できる。 |
標準エディタにWordmailを採用
Outlook 2002では、標準の電子メールエディタにWordmailを採用した。これにより、前バージョンではHTML形式のメールに含まれていた、Wordで編集するための固有タグが除去され、全体サイズを小さくすることを実現。さらにWordのスマートタグ機能を利用できる。
標準エディタがWordmailになったことで、Wordの貼り付けやオートコレクトのスマートタグ機能が利用できる。 |
送信メッセージごとのメール形式選択
送信するメッセージ形式を、エディタ内で設定可能となった。 |
送信時のメールアカウント選択
また、複数の電子メールアカウントを利用する場合は、送信アカウントをドロップダウンメニューから選択できるようになった。 |
メールアドレスのオートコンプリート対応
以前に入力済みのメールアドレスの場合、オートコンプリート対応で、入力の手間が省けるようになった。同じ名前で始まるアカウントの場合は、自動的にドロップダウンメニューになり、選択できる。 |
テキストの自動整理
余分な改行コードを自動的に削除してテキストを整理し、読みやすいメッセージにする機能。元の改行がある状態に戻すこともできる。 |
インスタントメッセージのサポート
MSN Messengerと統合し、連絡先カードや電子メールのメッセージを開いたときに、その相手がオンライン上で通話できるかどうかが確認できる。 |
受信トレイの整理
受信トレイのサイズ表示、並べ替えのほか、圧縮ファイルを作成してメールの保存場所を整理可能。 |
ウイルス対策の強化
以前より懸案事項であった、ウイルスへの対策が強化された。まず、ウイルスの可能性があるファイルに関連づけられた添付ファイルをブロックし、アプリから自動的にアドレス帳にアクセスしたり、ユーザー名を使ってメッセージを送信するようなマクロの実行を事前に防ぐ機能を備えた。これらの機能は、ユーザーが何か設定する必要がなく、自動的に実行される。
また、企業向けとして、この設定をカスタマイズできる管理者用のオプションを搭載している。
予定表とグループスケジュール機能
Outlookの電子メール以外の機能の部分では、予定表の使い勝手の向上と、会社のグループ間でのコミュニケーションを効率良く行なうための機能が追加された。
予定表の色分け
予定表では、今回から色づけが可能になり、一目で予定や会議スケジュールが把握できる。設定ルールで自動的に色分けしたり、現在は画面のようにビジネス、個人用など着けられているラベルも自由に編集が可能だ。 |
複数アラームをまとめて表示
従来は、同じ時間帯に会議や仕事のアラームを設定しておくと、複数のウィンドウが表示されていたが、これを1つのウィンドウに統合。まとめて削除や再通知ができるようになった。 |
グループスケジュール
複数のグループごとにスケジュール管理が可能で、グループ全体のメンバーの空き時間情報を確認したり、全員にメールを送信したり、会議を設定できる機能が搭載された。 |
社内ネットワーク内にいないユーザーとの空き時間のやりとりには、インターネット空き時間情報が利用でき、これをOutlook内でスケジュールに取り込み、管理できる。 |
この機能を使う設定を行ない、Web上で空き時間を表示するユーザーを指定すると、このようにWeb上で空き時間を見ることができる。 |
新しい日時の提案
会議の出席依頼を受信したときに、自分の都合が悪い場合は、これまで欠席の返事を出すことしかできなかったが、Outlook 2002では別の時間を会議の開催者に対して提案できる機能を追加した。
その他の新機能と機能強化点
- Exchangeとの統合
- 同期の機能を向上させ、すべてのプロトコルを一度に同期させられ、進捗状況報告機能が追加された。
- サーバへの要求キャンセル
- サーバが使用不可でネットワーク接続が切断されたときに、タイムアウトをいつまでも待つことなく、直接Outlookから接続要求をキャンセルできるようになった。
- 連絡先アドレス帳の強化
- 連絡先アドレスに表示名が追加され、列見出しの幅を変更可能になった。また、LDAPアドレス帳の検索機能と検索速度の向上も図っている。