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ダークファイバに灯をともせ!─テクノロジー編

テラビット級ネットワークを支えるDWDM

2001年04月14日 05時41分更新

文● ネットワークマガジン編集部

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 こうしたTDM方式の穴を埋めるため、高速データ伝送技術がいくつもメトロに投入されている。その代表格がWDM(Wavelength Division Multiplexing)だ。

 WDMは一本の光ファイバの中に波長の異なる光波を流すことで、高速なデータ伝送を可能にする技術である。一波のみを用いる既存の光通信では、単一の光波での伝送速度を向上させる必要があり、高速化に限界があった。WDMでは光波を波長によって分離し、多重化すればよいので、高速化も実現しやすい。まさに高速で長距離な伝送が可能なWDMはメトロの基礎技術であり、メトロを集線する長距離中継回線(ロングホール)での利用も続々増えている。

 最近ではさらに高密度化を進めたDWDM(Dense Wavelength Division Multiplex)の進化が著しく、40Gbpsチャネルを数百本以上に多重化する技術も実用化段階に入っている。DWDMは技術的にWDMの延長といえるが、既存のWDMと比べて多くの光波を通す(Dense=高密度)ため「DWDM」と言われる。これらを光ファイバ網の両端に配置し、既存のSDH装置に接続すると、たとえば物理的に1本の光ファイバが突然100本に増えたのと同じように見えるわけだ。

 現在、DWDMの世界はとにかく技術革新が著しい。ノーテルネットワークスを先頭に、ルーセント、シエナ、アルカテル、富士通、シスコシステムズなど数多くのベンダーが製品化にしのぎを削っている。昨年末、仏アルカテルは40Gbps×128チャネルで5.12Tbps(テラビット/秒)を実現(無中継で300km)し、NECアメリカも無中継の光ファイバ伝送路186kmで6.4Tbps(40Gbps×160チャネル)のデータ伝送に成功したことを発表している。もちろん、NTTの先端技術研究所でも160Gbps×19チャネル3Tbps(無中継40km)というDWDM実験をすでに成功させている。

 最近は、波長の異なる光パルスを同時に多数発生させる「スーパーコンティニアム光源」や、長距離伝送のため光信号を増幅させる「ラマン増幅器」などの技術が確立され、高速化への目処がたった。そのため、こうしたスピード競争は次々と記録を更新していくものと考えられる。

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