最大面記録密度は15.3Gbit/inch2
最大内部転送速度は494Mbpsに
記録密度に関してもう少し細かく見ていこう。WD400ABのレビューでも書いたように、プラッタあたりの容量というのは一般的でわかりやすくはあるが、記録密度を表す指標としてはあいまいなもの。汎用的な指標としては、1平方インチあたりにどのくらいのデータが記録されているかを表す「最大面記録密度(Max. Areal Density)」が使われている。なぜ「最大(Max.)」なのかと言えば、HDD(プラッタ)には、サイズ一定のセクタ単位でデータを書くという性質上、データを記録できない領域ができてしまう。その領域を含まない1平方インチの密度ということだ。60GXPの最大面記録密度は15.3Gbit/inch2となっており、先代75GXPの11.0Gbit/inch2から39%アップしている。ちなみに、回転速度5400rpmで20GBプラッタを採用しているDeskstar 40GV(DTLA-3050xx)の最大面記録密度は14.5Gbit/inch2である。
また、記録密度に関して転送速度に影響するのが、線記録密度(BPI)。この数値が高くなればなるほど、1回転あたりに読み書きできるデータ量が増大し、すなわち高速となる。最近はBPIの値まで公表しているメーカーは少なくなってしまったが、IBMとSeagateは調べることができる。60GXPのBPIは449Kbpiで、75GXP(391Kbpi)から約15%アップしている。また、プラッタからの読み出し速度である内部転送速度は、最大(最外周)で494Mbpsと、先代75GXP(444Mbps)に比較して約11%の向上となっている。BPIの向上値に比べると4%のロスがあるが、内部転送速度となると、GMRヘッドで読み出した信号を復号するPRMLリードチャネルの問題などさまざまな要素が絡んでくるので、この程度は仕方がないだろう。
製品名 | Deskstar 60GXP | Deskstar 75GXP | Barracuda ATA III |
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型番 | IC35L040AVER07(40GB) | DTLA-307075(75GB) | ST340824A(40GB) |
メーカー | IBM | IBM | Seagate |
回転速度 | 7200rpm | 7200rpm | 7200rpm |
平均シークタイム | 8.5ms | 8.5ms | 8.9ms |
最大内部転送速度 | 494Mbps | 444Mbps | 500Mbps |
バッファサイズ | 2MB | 2MB | 2MB |
容量 | 10.27/20.57/30.73 /41.17/61.49GB |
15/20/30/45 /60/75GB |
10.2/20.5/30/40GB |
プラッタ1枚あたりの容量 | 20.5GB | 15GB | 20.5GB |
面記録密度 | 15.3Gbit/inch2 | 11.0Gbit/inch2 | 14.9Gbit/inch2 |
線記録密度(BPI) | 449K | 391K | 470K |
スピンアップ時消費電力 | 28W前後 | 28W前後 | 32.3W |
アイドル時の消費電力 | 6.7W | 6.7W/8.1W(60GB以上) | 8W |