(株)日立製作所、(株)島津製作所、米Colorado MicroDisplay社、米ザイブナー社の4社は6日(現地時間)、米国ラスベガスで開催中の“2001 Internatinal CES(CES)”において、ウェアラブルインターネットアプライアンス(WIA)の分野で4社が提携すると発表した。なお、4社は、WIAのプロトタイプを開発しており、同プロトタイプは、CESの開催期間中、米マイクロソフト社のブースで展示している。
![]() | WIAのプロトタイプの表示装置部分 |
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![]() | WIAのプロトタイプの制御装置部分 |
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WIAは、コールセンター、物流、医療などの分野の携帯端末として、ハンズフリーでインターネット接続などを行なえるコンピューター。今回発表されたWIAのプロトタイプは、眼鏡のように頭に装着する表示装置と、OSにWindows CEを採用した制御装置で構成される。『ウェアラブル・ディスプレイ』と呼ばれる表示装置は、表示素子に発光ダイオードを採用し、重量が70g程度。解像度は800×600ドットで26万色表示が可能。画角は30度であるため、60cm先の13インチディスプレーに相当するという。一方、制御装置は、32bitRISCプロセッサー『SH-4』を搭載し、携帯電話/PHSに接続可能なPDC/PHS端子や、USBインターフェースを装備する。また、内蔵のコンパクトフラッシュスロットに、PHSデータ通信カードを挿入すれば、インターネットへ無線接続できるという。制御装置のサイズは幅76×奥行き127×高さ25mmで、重量は230g。
プロトタイプの開発では、日立製作所が制御装置部分を、島津製作所が表示装置部分を担当した。また、Colorado MicroDisplayは、表示装置に内蔵するマイクロディスプレーと、制御装置に内蔵するディスプレーインターフェース用のチップセットを開発した(同チップセットの製造は日立製作所が担当)。さらに、ザイブナーは、WIA分野の先進企業で、今後、4社が協業するWIA事業を、サービス/サポート面などで支援していくという。4社では、今回開発されたWIAが、インターネット接続に加え、コンパクトフラッシュやマイクロドライブに記録された動画などをオフラインで再生できるため、家庭での個人利用や病院での入院患者の利用など、幅広い用途を見込んでいる。
