(株)リコーは19日、都内で発表会を開催し、A4横用紙に毎分28枚のカラー印刷が可能な『IPSiO Color 8000』などカラーレーザープリンター2機種3モデル、A3用紙対応モノクロレーザープリンター2機種3モデル、オートドキュメントフィーダ付きカラースキャナー2機種2モデル、プリント管理ユーティリティーソフト1本の、計9製品を発表した。
4連タンデムエンジン、新コントローラー採用で高速印刷を実現
IPSiO Color 8000はA3までの用紙に対応し、最大1200×1200dpiの実解像度で印刷可能なカラーレーザープリンター。CMYK4色のプリントエンジンを直線上に配置した“4連タンデムエンジン”と、64bit RISC CPU(RM7000-250MHz)を採用した新開発のコントローラー“RiNEO”の搭載、新開発のプリンター制御言語“RPCS”の採用により、A4横用紙にカラーで最大毎分28枚、モノクロで最大毎分38枚と、同社の従来機種『IPSiO Color 5100』(カラー毎分6枚)比で約4倍の高速印刷を可能にした。印刷コストはカラー1枚約7.2円、モノクロ約3円。
『IPSiO Color 8000』フィニッシャーや給紙テーブルなどのオプションを装着した状態 |
現像ユニットを4つ並べるタンデムエンジン方式のプリンターでは、本体サイズが大きくなりがちだが、Color 8000では4つのエンジンを斜めに配置することで、従来の1ドラム方式の製品と同様のサイズの筐体に収めたという。オプションとして、丁合、仕分け、ステープル、パンチ穴開けが可能なフィニッシャー、両面印刷ユニットの装着が可能。同じくオプションで、プリンター制御言語としてCADプロッター言語“HP-GL/2”対応の“カラーRP-GL/2”をサポート、またアドビ システムズ(株)の“Adobe PostScript 3”もサポートし、MacintoshやUNIXからの出力にも対応した。
Color 8000の前面パネルを開いたところ。斜めになった4連タンデムエンジンがわかる |
サイズは幅575×奥行き648×高さ715mm、重さ77kg。メモリーは標準で32MB(PC100SDRAM、最大384MB)、100BASE-TXと双方向パラレルインターフェースを備える。価格は58万8000円で2001年2月に発売予定。
毎分6枚の印刷が可能なA4対応カラーレーザープリンター
『同 2200N』は、A4までの用紙に対応し最大1200×600dpiの実解像度で印刷可能なカラーレーザープリンター。64bit RISC CPU(RM7000-250MHz)コントローラー、32MBメモリー(PC100SDRAM、最大256MB)を搭載し、A4縦用紙にカラーで最大毎分6枚、モノクロで最大毎分24枚の印刷が可能。2色だけを使い、フルカラー時の倍となる毎分12枚の速度で印刷可能な“TwinToner倍速モード”を備えている。印刷コストはカラー1枚約14円、モノクロ約3.6円。
『IPSiO Color 2200N』 |
オプションで両面印刷ユニットの装着が可能。サイズは幅500×奥行き520×高さ410mm、重さ34kg。2200は双方向パラレルインターフェース、2200Nはそれに加えて100BASE-TXインターフェースを備える。価格は2200が26万8000円、2200Nが28万8000円で2001年2月に発売予定。
A3用紙対応のモノクロプリンター
『同 NX620』『同 NX620N』は、A3までの用紙に対応し、1200×1200dpiの実解像度で印刷可能なモノクロレーザープリンター。64bit RISC CPU(RM5231-200MHz)を採用した新開発のコントローラー“RiNEO”の搭載、新開発のプリンター制御言語“RPCS”の採用により、A4横用紙に最大毎分26枚(NX720N、NX620/620Nは毎分20枚)と、同社の従来機種『IPSiO NX710』の600×600dpi印刷時と同等の高速印刷を可能にした。印刷コストはモノクロ約4円。
『IPSiO NX720N』(手前)と『IPSiO NX620N』(画面奥)オプションを装着した状態 |
オプションで両面印刷ユニットの装着が可能。サイズは幅468×奥行き410×高さ305mm、重さ18kg。NX620は双方向パラレルインターフェース、NX720N/620Nはそれに加えて100BASE-TXインターフェースを備える。価格はNX720Nが17万8000円、NX620Nが14万8000円、NX620が12万8000円で20日に発売する。
A3対応オートドキュメントフィーダー搭載のカラースキャナー
『IPSiO SCAN 3000DC』『カラーイメージスキャナーIS330DC』は、A3までの用紙に対応した両面読み取り可能なオートドキュメントフィーダー(ADF)を搭載したカラーイメージスキャナー。フラットベッドスキャナーとしての使用も可能。3000DC/330DCの光学読み取り解像度は600dpiで、読み取り階調は各色12bit(出力は8bit)。ADF使用時の読み取り速度は解像度200dpi、A4横用紙において、3000DCがカラー毎分11枚、モノクロ2値毎分35枚、330DCがカラー毎分14枚、モノクロ2値毎分40枚。
『IPSiO SCAN 3000DC』 |
3000DCは100BASE-TXインターフェース、330DCはSCSI-2/3インターフェースを装備する。サイズは3000DCが幅590×奥行き647×高さ265mmで重さは約29kg。330DCは幅590×奥行き546×高さ265mmで重さは約28kg。3000DCは39万8000円で2001年1月下旬発売予定。330DCは29万8000円で20日に発売する。
印刷ジョブ履歴の収集、分析ができるユーティリティー
『Ridoc IO Account(リドック アイオー アカウント)プリント管理サービス』は、Windowsクライアントパソコンの印刷ジョブ履歴を収集して分析できるユーティリティーソフト。個人、部門単位の印刷傾向を、カラー/モノクロ、用紙サイズ、両面印刷などのパターンで自動集計し、表やグラフで表示して分析が行なえる。2001年1月17日発売予定で9万8000円(100クライアントライセンス含む)。
リコーは、新しいコントローラーアーキテクチャーを開発し、今後のモノクロ/カラーレーザープリンター、マルチファンクションプリンター(プリンター複合機)において共通とし、プリンターコントローラーのAPIをサードパーティーに対して一定条件下で公開する。これによりサードパーティーやシステムインテグレーターが顧客の要望に応えるアプリケーションを独自開発できるようになるとしている。なお、リコーが開発した新しいアーキテクチャーでは、従来マルチファンクションプリンターでは、コピーの制御ボードとOS、プリンターの制御ボードとOS、ファクスの制御ボードとOS、スキャナーの制御ボードとOSといったように別々の構成となっていたものを、1つのコントローラーボード上の1つのCPU、1つのOS上ですべて動作するようにしたというもの。従来個々の制御ボードのOSは“ITRON”を利用していたが、新アーキテクチャーでは“NetBSD”を採用した。
リコーの新アーキテクチャーの構成 |
今回発表された製品では、Color 8000、NX720N、NX620N、NX620がこの新アーキテクチャーを採用している。リコーでは今後発表される製品群はすべてこの新アーキテクチャーを採用する意向。
また、リコーでは今回の新製品をあわせて、カラーレーザープリンターでは5機種8モデル、モノクロレーザープリンターでは9機種10モデルとフルラインアップを揃え、ドキュメントスキャナーも追加したことで、入出力に関するサービスを顧客に対してトータルで提供できるとしている。今後はシステムパートナー企業との協業を強化すると共に、注文を受けたプリンターのIPアドレスの設定やモード変更、オプションの装着などを工場で行なうなど、顧客満足度の向上に向けたサービスを提供していくという。