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企業の認証から、時代はいよいよ個人の認証へ

2000年11月25日 10時31分更新

文● 高島茂男

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 まず明確にしておかなければならないのは、この法律「電子署名及び認証業務に関する法律」で対象にしている認定業務は、個人の利用者ということだ。法人の存在証明や代表権限、利用者の肩書き属性の証明などは、別にある法務省の制度「商業登記に基礎を置く電子認証制度」の対象となっている。

 電子署名が本物の利用者を証明する役割りであるならば、電子署名を申し込んだ者が本物かどうか、その真偽の見極めがとても重要になってくる。ここでもし偽者に対して証明書が与えられてしまうと、大変なことになる。偽者は証明書というお墨付きを得て、堂々と本物のふりをして行動できてしまう。

 そのため、申し込みの真偽確認は、これまで存在している各種の申し込みと比較しても、最高レベルの厳しさだ。

 利用の申し込みには、自署あるいは押印、電子署名のある申込書に加えて、住民票の写しか、戸籍謄本もしくは抄本と現住所の記載がある証明書が必要となる。

  1. 対面による申し込みでは、パスポートか運転免許証、船員手帳ほか官公庁が発行した写真付きの免許証、許可証、または官公庁が職員に発行した写真付き身分証明書の提示が必要
  2. 対面、郵送または電子的な方法で申し込みを行なった場合、押印した印鑑の印鑑証明書の提示か提出が必要
  3. 郵送か電子的方法に申し込みの場合、利用者に対して照会書を送付する。(※1)その照会書は、公的証明書を2つ提示しなければ受け取ることができない。(1)被健康保険証、年金手帳、納税証明書、(2)写真付きの学生証や会社の身分証明書など公の機関が発行した資格証明書。(1)と(2)の各1つか、(1)の2つの提示が必要。
  4. 1~3と同等なものとして主務大臣が適当と認めたもの
※1 この照会書のために2001年3月から新しい郵便サービス「本人限定受け取り郵便」が開始される予定

 申し込みや照会書の受け取りを本人がやむを得ずできない場合は、自署、押印のある委任状と印鑑証明書の提出により、代理人が行なえる。利用者が国外在住あるいは外国人の場合は、別に定めるという。


証明の記載事項

 申し込みが受理され、発行された証明書の有効期限は5年以下で、その証明書には以下の事項が記載される。

  • 発行者名と発行番号
  • 有効期間(開始日と終了日)
  • 利用者の氏名
  • 利用者の検証鍵に関する情報
  • 認証業務規定、検証者(電子署名を行なった情報を受け取り、検証を行なう者)への通知事項および証明取り消し情報へのリンク先
  • 利用者の肩書きなどの属性を証明する場合、その証明が本認定制度の認定対象外である旨の注記

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