いよいよケースを加工
マザーボードのI/O部分をコピー機でコピーしておくと、切り抜き部分が一目瞭然 |
あとはいかにこの中にパーツを押し込むかだ。実際のところ問題が非常にシンプルになって後はスイスイ・・・って、あれっ?8mm程余裕がある予定だったのに長手方向の隙間が何と2mm(板厚を考えてなかったのと曲げ部の誤差がマイナス方向に重なって、吸音材を間に挟むと文字通り間一髪)。危うくもう一度ケースを買いに走るところだった。パーツをコピー機でコピーして切り抜きケースの上にセロファンテープで貼りつける。こうすると加工目標が一目瞭然でわかりやすい。
これを目印にドリルで穴を明けた後ハンドニブラで穴を広げる。この工具はホームセンターで2,280円(税別)で購入。ニギニギすると先端の歯が板を噛んで1mm位づつ切れる仕組みになっている。ハンドニブラで正確な加工は至難の技なので、粗取が終わったらひたすらヤスリで削る。ヤスリがけはもう精神力の戦いであると言っても過言ではない。密造拳銃の如き手作業で一穴ずつ仕上げる。柔らかいアルミ材なのがせめてもの救いだ(スチールケースにしなくてホント良かった。これが鉄板だったら私の精神力では完成できませんでした)。マザーが入るようになったら、ネジ穴にマジックで印をつけドリルで穴をあけ、タップ加工。下穴にタップをねじ込んでいくとネジが切れる。これでマザーボードを固定するためのネジ穴が完成する。ここまでの加工で約10時間。
コピーをケースにテープで貼り付け、ドリルで穴を開ける |
ハンドニブラを使って穴を広げていく |
マーザーボードを固定するネジ穴を作るためにマーキングを行う |
穴あけはタップを使う |
最後に期待の吸音材をケースに内張りする。ここでちょうどいいサイズにMystic Whiteを切ろうとハサミを入れると・・・、何故だっ!まったく切れない!説明書を良く読むと「切断強度が大きく、すべりやすいため、一般のハサミでは切る事が困難です」とある。なんと!さすが高いだけのことはある。ハサミで切れないとは。特殊なハサミなら切れるらしいが、今更そんなものを買うのはシャクなので紙用裁断機で切ってみたり、手でちぎってみたりしたのだが恐ろしく手強い。最終的にカッターマットの上でカッターの刃を水平近くまで寝かして力任せに切ると少しづつ切れる事がわかった(歯を寝かすのがポイント)。これを購入された方は切断の際に往生すること必至であるので、説明にあるハサミも一緒に購入された方がいいかも知れない。
吸音材をケース内側に貼り付けたところ |
本体の完成品(正面) |
本体の完成品(背面) |
果たして苦難の末ケース部はほぼ完成した。次回は小型ケースの弱点、廃熱の問題をクリアしなければならない。前途多難だ。このマシン本当に完成するのだろうか…。
【筆者プロフィール】 森本琢司氏。本来はペルチェなどを使ったオーバークロック系、冷却系に一番関心があるのだが、趣味でPC改造も数多く手がけている。ハンドニプラーやその他工具を使っての改造は得意中の得意