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光ディスクの統計データと展望――“Advanced Optical Storage 2000”が開催

2000年11月24日 05時49分更新

文● 岡田靖

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続いて、同氏はインターネット配信ビジネスなど媒体市場の関連について語った。「『インターネットから音楽をダウンロードできるようになったら、数年でCDやDVDは消えてしまうだろう』と、ある記者が言った。だがそれは間違いだ。パッケージ音楽媒体が消えることはなく、むしろインターネットによって刺激を受け、売り上げを伸ばしている」。むしろ、インターネットで1~2曲聴いてみて(1曲だけなら安いものだ)、そのアーティストが気に入ったら、パッケージのCDを購入するといった連携が成り立っているというのだ。また、米国ではネット通販が盛んだが、DVDビデオソフトのうち、5分の1はインターネット通販での購入だという。また“キオスクビジネス”もある。これは、店頭の端末で、顧客の好みの曲だけを集めた“自分だけのアルバム”を、好きな媒体にパッケージして購入できるというものだ。大量販売には向かないが、これも1つの方向だ。

何が大切かといえば、物理的な媒体の“形”が必要なのだ。調査結果によれば、ペイTVで気に入ったタイトルを、あらためてパッケージで購入するケースが非常に多いという。ちなみに今後、CATVなどを利用した高速インターネット環境の整備に伴って、再びVOD(Video On Demand)やNVOD(Near VOD:時間をずらして多チャンネルで平行して放映する方式)が盛んになるとみられているが、例えば個人用ビデオレコーダーとNVODを組み合わせ、あらかじめ録画しておけるようにするといったビジネスが考えられる。

もちろん音楽配信ビジネスも、VODと同様の考え方が成り立つ。特に、現状の回線速度では、CDそのもののデータ(つまり非圧縮音声)をそのまま配信するには無理がある。音にこだわる客は、いかにリアリティが高くとも圧縮音声では満足しない。今のシングルCDのように、アーティストプロモーションに使うのがもっとも効果的なのだ。シングルCD市場では、商品サイクルが非常に早く、大量の在庫を残しがちだ。それをインターネット配信でサポートし、アルバム販売と連携するということになる。また、プレゼントとしてのパッケージ媒体も見落とせない。形のある媒体ならではの用途は、当分の間なくなることがないのだ。筆者の私見だが、このインターネットとの関係は紙媒体の場合とよく似ている。さらに言うならば、CDプレス業は、印刷業と似たようなものになってきたのかもしれない。

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