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光ディスクの統計データと展望――“Advanced Optical Storage 2000”が開催

2000年11月24日 05時49分更新

文● 岡田靖

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光ディスクメーカー、光ディスク製造装置・素材メーカー、デジタルコンテンツ提供会社などを対象とした、光ディスクに関するカンファレンス“Advanced Optical Storage2000”が都内で開催された。調査会社のベガリサーチ(株)が主催し、英国の調査会社Understanding & Solutions社(以下U&S)のアナリストが講演した。U&Sは、光ディスク関連のマーケティング調査、コンサルティングを得意としており、日本ではベガリサーチの協力で調査を行なっている。

「今後はコンテンツビジネスが重要となる。そのメディアとして、光ディスクに注目した」というU&S代表のジム・ボトムズ(Jim Bottoms)氏。媒体としての光ディスクから、そのドライブや家庭向け機器、あるいは生産ラインに至るまで、世界中で調査を続けているという。

音楽CDの市場動向

まず、ボトムズ氏が、現時点での各媒体市場動向を説明した。音楽CDは2000年の出荷枚数が約26億6700万枚と見込まれ、今後も堅調に増加を続ける。インターネットでの音楽配信が登場したことによって、音楽CD市場は短命に終わるという説もあったが、実際には「新たな刺激を受けたと考えられる。たとえば、今では多くの音楽CDがインターネットで注文販売されている」という。CD-Rなどでコピーが可能になったことについても、やはり市場の伸びを鈍化させるわけではないとしている。

CD-ROM

一方、CD-ROMは2000年に28億3800万枚と見込まれている。アプリケーションがより大容量を必要とするようになり、またPCやゲーム機へのDVD-ROM搭載が加速するので、12~18カ月程度の近い将来にピークを迎え、その後は下降線を辿るとしている。たとえば米国や西欧のPC市場では、製品そのもののライフサイクルを考慮しても、2003年にはCD-ROMとDVD-ROMの搭載率が逆転すると予測されている。これは、ドライブのOEM価格が2002年には僅差となり「どちらを搭載しても製品価格が変わらなくなる」といった予測がベースとなっている。また、大容量が要求されるPCゲームのディスク枚数でみても、FDD時代の末期には5枚程度だったものが、現時点ではCD-ROM枚数ですでに4枚程度となっており、より大容量のDVD-ROMを必要とするのは必然だという。

ボトムズ氏Understanding & Solutions代表ジム・ボトムズ氏

DVD

DVD-ROMとしては、『PlayStation 2』などのDVD-ROM搭載ゲーム機が大きな牽引材料となっている。DVD-ROMの出荷枚数は、2000年ではわずか2600万枚だが、今後急速に増加を続け、2004年には14億2000万枚に達すると見込まれている。

また、DVDビデオプレーヤーも、ハードウェア価格が急速に低下し、すでに米国では100ドルを下回っている。今後の価格低下は緩やかなものになるが、家庭への普及率も順調に伸びてくる。特に米国で急速な展開が見込まれ、ビデオCDの普及していた香港や台湾などでも、リプレース需要などから普及が進むという。ソフトもそれにつれて伸び、2000年で3億4100万枚だったのが、2004年には15億4700万枚に達するとの予測だ。

CD-R/RW

記録可能な媒体では、CD-R/RWドライブがまさに普及率増加の途上にある。インストールベースでは2000年に5226万台だったのが、2001年には6536万台と高いペースで伸び、2004年には1億8943万台まで達するという。ただし、メディアそのものの伸びは鈍化し、2000年に32億8700万枚と予測される出荷枚数が、2004年でも49億8800万枚程度にとどまるとしている。「購入した直後のドライブは多用されるが、実用品になってしまっては必要なだけしか使われない」のが、その大きな理由だ。また、媒体単価の急速な下落も底打ちで、今後は徐々にしか下がらないという理由もある。

DVD-RAM、DVD-R、DVD±RWといった記録可能DVDは、まだ小さな市場だが、順調に成長を続けるとしている。HDDに録画するタイプのビデオも登場したが、そのような一時保存型媒体でなく、半永久的に残すための記録として必要性があるという見解だ。媒体出荷数量は、DVD-Rが2000年の367万枚から2004年に7740万枚、再記録可能なDVDが227万枚から1億7360万枚になると予測している。

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